冒頭でも触れましたが、イサザ漁は産卵期となる早春に行われます。地域によって、その時期にズレはありますが、旬となる2月から3月頃から始まります。これから春が来るのを感じさせるイサザ漁は春の風物詩として認識されています。
イサザ漁の道具と方法
漁では四ツ手網という四角い網を使います。この網は石川県などでは「ほうちょう」と呼ばれています。岸辺に設置した足場から網を川に沈め、イサザの群が網の上を通ったタイミングで網をあげる素朴な手法です。地域によっては川にあらかじめ網を張っておき、追い込み漁のような手法もとられています。
釣りの餌にもなるイサザ
イサザの用途は食用だけじゃない
イサザは生き餌としても重宝されています。イサザを模したワームもあります。冷凍された釣り用のイサザもありますが、生き餌の方が効果的だそうです。主に、春メバル、ガシラ、アイナメなど、1月から3月頃の魚を釣るときに用いられるようで、警戒心の強い大型のメバルには絶大の効果があるそうです。
イサザの飼育の仕方
イサザの飼育は超困難!?
透明な身体の美しさを鑑賞したい、釣りの餌として繁殖させたい人はイサザを飼育しようとします。しかし、イサザは寿命が約1年であること、卵を産むと死んでしまうということから、飼育は極めて難しいとされています。また、川で孵化し、海に出て、産卵期に川に戻るという生態に適する環境を水槽で作り出すことは不可能に近いと言われています。
イサザは絶滅危惧種!?
数の減少傾向にあるイサザ
踊り食いをはじめとする食事や釣りを楽しむための餌に用いられるイサザですが、年々、その数は減少しています。2015年3月の時点で、全国29箇所の都道府県で絶滅危惧種に指定されています。国が定めるレッドリストにおいても絶滅危惧Ⅱ類となっています。
絶滅危惧種となる原因
減少している主な原因は環境破壊と言われています。河川、海洋の汚染は川と海を往来するイサザにとって、生息環境に大きな影響を与えると考えられています。また、現在研究が進んではいるものの、飼育、養殖が極端に難しいことも、数が減っている理由として挙げられます。