希死念慮はしばし自殺願望と同じ意味としてとらわれがちですが、明確な使い分けがされております。自殺願望は人生の問題から逃れる術として死を選択する事を指しますが、希死念慮は具体的に何故という理由がないけれども漠然と死にたいと感じてしまう状態を指します。
併発の悩み
この2つを併発されている方は死に対する恐怖を抱きながらも、漠然と死にたい気持ちも持ち合わせているという複雑な悩みの中で生活をされており、お医者さんと共に治療に当たっている方も多くいらっしゃいます。一見真逆に感じてしまう両者ですが、併発してしまう事も大いにあり得るのです。
タナトフォビアになる原因
タナトフォビアという病気は心の病です。心の病気はその人の育った環境や経験に大きく基づいています。人は生きる中で様々な経験をし、学びゆく生き物です。そのために恐怖症といった病気を患ってしまうとされています。
身近な人の死
タナトフォビアを発症する方の中で最も多い要因は、身近な人の死という悲痛な経験から起こることが多いとされています。人はいつか死ぬとわかっていても、実際今まで言葉を交わし共に過ごしていた人の死は、心にも深い傷を刻み、タナトフォビアを発生させてしまう事があります。
死んだ後にどうなるかが分からない
実際の経験だけではなく、普段生活している中でふと考えているだけでもタナトフォビアを発症してしまう事もあります。様々な事に不安を感じてしまう傾向が強い方に多いのですが、死んだ後はどうなってしまうかわからないという不安から死自体を恐れてしまうという可能性も捨てきれません。
絶望的な状況に置かれたとき
何かの事件に巻き込まれてしまったり、大怪我をしてしまったりというような絶望的な状況になった時、人は改めて自身の死に直面します。そういった自身の忘れられないような経験がタナトフォビアを発症してしまうケースもあるのです。
自身の経験だけではない?タナトフォビアの原因
タナトフォビアの原因は自身の経験や近しい人で起きた事柄だけが原因という訳ではないのです。現代ではインターネットやメディア関連が発達し、社会の様子を逐一自由に把握できる世の中になっています。それが原因となってしまう可能性も大いにあります。
同世代の方が無くなったニュース
ニュースでは日々、殺人事件や事故などで無くなった方の情報が流れてきます。そういったものをふと目にした瞬間に同世代の方や環境が似ている方が被害者だった場合、自身に置き換えて恐怖を感じたことがきっかけとなってしまう場合もあります。
好きだった芸能人の死
大好きであこがれを抱いていた芸能人の方が突然亡くなられたり、元気だった芸能人が急になくなってしまったりと様々な死を目にすることが多く、有名な方程その情報は世間一般にも知らされることが多くあります。死とかけ離れた存在の憧れの芸能人の死に直面することで、死についてより一層悪い印象を与えてしまうのです。
自分で出来るタナトフォビアの克服方法
自身はタナトフォビアかもしれない、診断でタナトフォビアであった方、また不安になる事が多い方の中でも実際に自身で出来る克服方法を実践してみてはいかがでしょうか。病院へ行くことも大切ですが、日ごろから自分でのケアとして行えるものを紹介させていただきます。
考えすぎない
恐怖症を発症する方は、根がまじめでしっかりと物事を自身の中で考えぬいて解決する意思が強い傾向にあります。そういった場合は克服方法として考えないという事も大切になってきます。物事をとことん突き詰める事が大切な場合もありますが、考えないということは克服にとても大切なのです。
食事や生活習慣を改める
不安や恐怖で食事や睡眠の時間がずれてしまうという事はないでしょうか。精神的な問題であるため出来る事が制限されてしまうという事はありますが、出来ないからやらないというのは更なる不調を招いてしまい悪循環です。出来る限り同じ時間に食事をとり、横になるという努力は大切です。