呪い返しとは?
呪いへの対処法である「呪い返し」。古来より人を呪う方法は数多くありますが、その呪いを防ぐための技術も多く伝えられています。それはいったい、どのようなものなのでしょうか? まずは、その基本をご説明しましょう。
名前の通り呪いを返す
「呪い返し」とは、自分に降りかかってきた呪いを防いだり、あるいは自分を呪った相手に、その呪いを跳ね返したりすることを指します。呪いの方法は古今東西さまざまなものがありますが、多くの場合、誰かに呪いをかけられた場合の対抗手段も伝えられています。
自分を守る手段
呪い返しは、自分にかけられた呪いから身を守るための、いわば防衛手段です。何らかの原因で呪いをかけられても、適切な手段によって呪い返しを行えば、難を逃れられるというわけです。呪い返しの正しい知識を身につけることで、災いを回避できる確率は高まるといえるでしょう。
強い気持ちが必要
呪い返しにはさまざまな方法がありますが、その根本となるのは、自らにかけられた呪いに負けまいとする、強い意志の力です。たとえ方法が正しくとも、気持ちで負けてしまっては、呪い返しは成立しません。呪いに打ち勝つためには、まず精神力を高めることが重要です。
呪い返しは危険?
人に災いをもたらし、また時には生命を奪うことにもつながる、呪い。その呪いを防ぐための呪い返しも、また危険を伴う行為といえます。続いては、呪い返しにおける危険性についてご説明しましょう。
人を呪わば穴二つ
「人を呪わば穴二つ」ということわざをご存じでしょうか。これは、誰かを呪おうとする(=相手の墓穴を掘る)ものは、自らも呪いによって死ぬことを覚悟しなければならない(=だから、自分の入るべき墓穴も掘っておかなければならない)、という意味の言葉です。呪いのリスキーな側面をうまく言い表しています。
と同時に、このことわざは「無闇に人を呪ってはならない」という戒めの意味でも、よく用いられています。呪いとは、生半可な知識や覚悟で行って成功するものではなく、大抵の場合、その呪いは自らに返ってきて、結局自滅してしまうからです。
無理に返そうとはせず防御に専念をする
呪い返しも、あくまで呪いの一種である以上、簡単に成功するものではありません。呪いを無理に跳ね返したり、闇雲に打ち消そうとするのではなく、可能な限り耐え忍ぶ防御の姿勢が、呪いに対する最初期の防衛法となります。
身の危険を感じたら専門家に依頼
もし、あなたが誰かに呪いを掛けられている疑いが濃厚であるならば、早い段階で専門家に相談することを考えましょう。知り合いに霊能力者がいなくても、いざとなれば神社やお寺に駆け込むこともできます。素人判断で動くより、まずは詳しい方にどうすればよいか尋ねてみましょう。
呪い返しの方法①呪いを防ぐ
それでは次に、呪い返しの具体的な例をご紹介していきましょう。呪い返しの手法は、実にさまざまです。まずは比較的簡単なものとして、身近な道具などを使って、呪いを防ぐ方法を見てみましょう。
鏡で跳ね返す
神社の御神体にも使われることの多い鏡は、古来より、神秘的な力を宿しているとされています。その一つとして、鏡には邪悪なものを跳ね返す力があるといわれています。この力を応用して、呪い返しをすることが可能です。
まず、鏡面の丸い手鏡を用意します。これを神社へ持っていき、手水で洗い清めます。この手鏡を綺麗な布袋にしまって持ち歩くことで、邪悪なものから身を守ることができます。このとき、神社へ行くのは昼頃までにしましょう。日暮れになると、別の良くない存在が救いを求めて、神社に現れるためです。
塩を使って結界をはる
お葬式に行った後などに塩を撒くことからもわかるように、塩には穢れを祓う清めの力があるとされています。特に粗塩を煎って作った「焼き塩」には、場を浄化する力があることが知られています。
焼き塩の作り方
焼き塩は、市販の食塩をフライパンなどで煎って作ることができます。これを小皿に盛って部屋・住居の四隅に置く、または半紙にくるんで持ち歩くことで、魔除けの効果が期待できます。軽く茶色に色が付くまで煎るのが目安です。
煎っている途中、色が白いまま変わらなかったり、黒く焦げてしまったりした場合には、強力な呪いが掛けられている恐れがあります。そうした際には、改めて焼き塩を作り直しましょう。また、焼き塩の効果は1回につき1日のみで、かつ、作り置きをしてはいけません。使う度に新しく作る必要があります。
お札や護符を貼る
お札や護符を家具などに貼ったり、あるいはお守り袋等に入れて持ち歩いたりすることで、呪いから身を守ったり、呪いの発動を防いだりすることができます。お札や護符は神社などで入手するほか、自作することもできます。
護符(霊符)の図案は、今日では書籍やインターネットなどで簡単に調べることができます。書写に用いる道具類は、一般的な筆や硯、半紙などで構いません。(護符(霊符)についてより詳しく知りたい方は、「霊符について・発展編」の章をご参照ください)
呪い返しの方法②呪いを移す
続いての呪い返しの方法は、自分以外のものに呪いを移し替え、身代わりとするものです。これも身近なものを使って行うことができるため、呪い返しとしては簡単な部類に入ります。代表的な例をいくつか挙げてみましょう。
お守り
「呪いを移す」ための最も身近な呪物が、お守りです。多くの神社で購入できる、厄除けや安産などのお守りは、本来身につける人の厄やお産の苦しみをお守りに移し替え、大難を小難に変える、という役割を担っています。
ただし、災いを引き受け続けたお守りは、かえって持ち主に不運などをもたらすきっかけともなります。およそ1年ごとを目安に、古くなったお守りはもとの神社に返し、お焚き上げしてもらうなどしましょう。
形代
「形代(かたしろ)」とは、神霊が寄りつくとされる「依り代(よりしろ)」の一種です。呪いを移す際には、人間の穢れが移りやすいよう、主に人型を模して作った紙の人形を形代として用います。形代に呪い・穢れを移す方法は、以下の通りです。
- 形代に自分の名前(フルネーム)、年齢を数え年で書きます(満年齢ではありません)。
- 形代を自分の体に擦りつけ、ふーっ、と3回程度、息を吹きかけます。
- 形代を封筒などに入れ、大祓の日(新暦で6月30日、12月31日)に神社へ持っていき、処分してもらいます。
このとき、呪い・穢れを移した形代に、もう一度触ってはいけません。また、自分の形代を他人に触れさせたり、他人の形代に触れてしまうと、呪い・穢れが移ってしまうので、形代は厳重に取り扱いましょう。
植物など
その他、呪いはかけられた人間の周囲にある「弱いもの」に影響を与えることがあります。たとえば、部屋の観葉植物が枯れてしまったり、飼っているペットや、高齢の近親者が急死してしまったりと、呪いがかけられた本人以外に波及することも……。身の回りの不幸には敏感である必要があります。
呪い返しの方法③真言やお経で浄化する
「言霊」という言葉にも現われている通り、ある種の呪文などには、それ自体に大変強い力が宿っているとされています。仏教ではいわゆる「お経(経文)」や、仏や菩薩の力を秘めた「真言」などが広く知られています。次にご紹介するのは、そうした言葉の力を用いた呪い返しの方法です。
摩利支天の真言を唱える
摩利支天とは、威光・陽炎の意で、雷光を伴う暴風雨を神格化したもの。その実体を見ることはできないとされたことから、信ずる者の姿を隠して障害を取り除くとして、日本ではかつて武士の守り神として篤く信仰されていました。摩利支天の真言は、下記の通りです。
「おん まりしえい そわか」(引用:本物の霊能者が伝授!呪いの跳ね返し方)
「観音経」(妙法蓮華経 第二十五)の一節を唱える
「観音経」とは、観音菩薩(観世音菩薩)が衆生をさまざまな難や苦悩から救済することを説いた経文のこと。観音菩薩をよく思い浮かべながら、「観音経」を繰り返し唱えることで、呪いや毒薬の害を、それを用いた本人へと跳ね返す加護を得ることができます。
呪詛諸毒薬(じゅうそしょどくやく)
所欲害身者(しょよくがいしんじゃ)
念彼観音力(ねんぴかんのんりき)
還著於本人(げんじゃくおほんにん)
(引用:本物の霊能者が伝授!呪いの跳ね返し方)
不動明王の生き霊返しを唱える
不動明王とは、親しみを込めて「お不動さん」と呼ばれることもある、五大明王の一つ。大火炎の中に座し、憤怒の相を浮かべ、悪魔・煩悩を調伏するための剣と縄を持っています。不動明王の生き霊返しを唱えることで、自分をつけ狙う魔の手から逃れることができます。
もえん不動明王 火炎不動王 波切り不動王 大山不動王 吟伽羅不動王 吉祥妙不動王 天竺不動王 天竺山坂不動王
逆しに行ふぞ 逆しに行ひ下せば 向かふわ 血花に咲かすぞ 味塵と 破れや 妙婆訶
もえ行け 絶え行け 枯れ行け 生霊 狗神 猿神 水官 長縄 飛火 変火 其の身の胸元 四方さんざら 味塵と乱れや 妙婆訶
向かふわ知るまいこちらわ 知り取る 向かふわ 青血 黒血 赤血 真血を吐け 血を吐け 泡を吐け
息座味塵に まらべや 天竺 七段国へ行なへば 七つの石を集めて 七つの墓を付き 七つの石の外羽を建て 七つの石の 錠鍵下して 味塵 すいぞん 阿毘羅吽 妙婆詞と行ふ
打ち式 返し式 まかだんごく 計反国と 七つの 地獄へ 打ち落す
おん あびら うん けん そわか
※以下は読み方
もえんふどうみょうおう、かえんふどうおう、なみきりふどうおう、おおやまふどうおう、こんがらふどうおう、きちじょうみょうふどうおう、てんじくふどうおう、てんじくさかやまふどうおう。
かやしにおこなうぞ。かやしにおこないおろせば、むこうは ちばなにさかすぞ。みじんとやぶれや、そわか。
もえゆけ、たえゆけ、かれゆけ。いきりょう、いぬがみ、さるがみ、すいかん、ながなわ、とぶひ、へんび。
そのみのむなもと、しほうさんざら、みじんとみだれや、そわか。
むこうはしるまい。こちらはしりとる。むこうはあおち、くろち、あかち、しんちをはけ。あわをはけ。
そくざみじんに、まらべや。てんじく ななだんこくへおこなえば、ななつのいしをあつめて、ななつのはかをつき、 ななつのいしのそとばをたて、ななつのいしのじょうかぎおろして、みじん、すいぞん、おん あびら うん けん そわかとおこなう。
うちしき、かやししき、まかだんごく、けいたんこくと、ななつのじごくへうちおとす。
おん あびら うん けん そわか。
(引用:本物の霊能者が伝授!呪いの跳ね返し方)
聞くだけでも御利益あり
これらの呪文・経文は、いずれも強い力を持っているため、自ら唱えるだけでなく、聞くだけでも御利益を得ることができます。自身で唱えるときには、左右の手を合わせ合掌するようにしましょう。
呪い返しの方法④パワーストーンを身に着ける
「パワーストーン」とは、特別なパワーを持つ石のこと。人類は太古から宝石に類した鉱物を身につけていましたが、そこには単に身を飾るだけではなく、宝石の持つ超自然的なパワーを自らのものとする、という意味も込められていました。そのうちのいくつかをご紹介しましょう。
水晶(クリスタル)
呪い返しのパワーストーンの定番といえば、水晶(クリスタル)です。大変古い時代から、水晶はその内部に過去・現在・未来を映し出す水晶占いの道具として用いられてきました。また、西洋の伝説において、巨人や魔法使いたちは水晶玉のなかに自分の魂や命を閉じ込めることで、敵の攻撃をかわすことができるとされています。
天眼石(アイアゲート)
天眼石(アイアゲート)とは、アゲート(瑪瑙)の一種で、その名の通り眼球に似た模様のあるものをいいます。天眼石には、非常に強力な魔除けの効果があるとされており、近年ではダライ・ラマ14世がノーベル平和賞の授与式の際に身につけていたことで知られています。
モリオン
モリオン(黒水晶)は、強大な浄化の力を持つとされる石。魔除けの効果ももちろんですが、何より身につける者の内面に潜む負のエネルギーを受け止め、不健全な思考や行動を抑える働きがあるといわれています。自分自身の内なるエネルギーを正常に保ってくれるというわけです。