「つくば母子殺人事件」とは
茨城県に位置するつくば市は現在、研究都市として先端技術の集まるハイテクな市として発展を遂げています。そんな学術に長けた街で、かつて幼い未来ある子供と若い母親の3人が命を奪われ運河で変わり果てた姿で発見されました。
幼い母子の騒動は多くのメディアが関心を示し連日報道されました。この騒動の詳細をご説明していきます。
「つくば母子殺人事件」の概要
この騒動の発端は、ビニール袋に入った女性の亡骸が発見されたことから始まります。続いて幼い子供2人の亡骸も発見され親子だと判明しました。夫からは捜索願が出されていましたが実際には、手をかけた張本人だったのです。
1994年、運河から女性の遺体が発見
ロープでぐるぐる巻きにされ鉄アレイがくっついた不審な袋が見つかります。悪質で発見されないよう工作されていましたが、死後5日後に腐敗し浮かび上がって流れ着いたところを目撃され、亡骸は引き上げられました。
腐敗が進んでおり死因を特定するのに時間がかかりましたが首を絞められたことによる窒息死と判明しました。
続いて女児、男児の遺体も発見
その2日後には女児、1週間後には男児の冷たくなった体が横浜港近郊で発見されます。身元は茨城県つくば市在住の31歳母親と2歳の女児、1歳の男児であったことが分かったのです。
3人もの亡骸が見つかったことから世間は恐怖に覆われたのです。
捜索願が出されていた
妻子はよく実家に帰っていたので、さほど気にせず数日たっても音信不通だったことから父親は3人の捜索願を出します。服装や指紋照合がヒットし身元確認に至りました。
哀れな父親を演じた
一度に家族を失い悲しみのどん底にいる父親を演じます。ですが、最初から捜査のプロ警察は疑いの目を向けていたのです。
なぜなら彼らの家庭状況が悪化しており、遺体姿は足の裏は綺麗で普段着だったことから自宅で襲われた可能性が高いとみていたからです。
犯人は3人の遺体の夫であり父親の野本岩男
29歳で総合病院に勤める医師でもあり、世間はエリート父親が3人もの尊い命を奪ったと騒ぎ立てました。逮捕の決め手は手の小さな傷でした。話を聞けば聞くほど、怪しさが増していくのです。
夫婦仲の悪化
以前から言い争いが絶えない夫婦でした。夫である容疑者は手の傷を犬に咬まれたと伝えますが、警察の目はごまかせなかったのです。夫婦喧嘩のもつれが起こした騒動だったのです。
傷はすり傷だった
犬に咬まれたときとは異なる傷だったこと、そして絞殺する際にロープなどを強く握ったときにできるすり傷に酷似だったこと、この2点が夫を罪人ではないかとして捜査を始めるきっかけとなります。
「手の傷」と「Nシステム」が事件解決の決め手に
自動車ナンバーから人物を照合するための画期的なシステムをNシステムといいます。このシステムが今回の重大な働きをします。夫のアリバイとは異なる場所で自動車の画像が保存されていたことで嘘の供述をしていたと判明したのです。
捜査員の一言が自供の決め手に
妻は夫との冷え切った関係を日記に綴っており、手の傷やアリバイなどの実態を並べ、「早く妻子を成仏させてあげなさい」の一言が功を奏し、罪を認めました。3人の冷たくなった体が見つかってから20日後に逮捕となりました。
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つくば母子殺人事件の犯人「野本岩男」の生い立ち
罪人となったエリート医師の半生はどのようなものだったのでしょうか?優秀な職業に従事していたにも関わらず、何がきっかけで残忍なことをしてしまう人物としてしまったのでしょうか?生い立ちをみていきましょう。
茨城県の農家に生まれる
次男として生を受けます。幼いころから頭が良く学業は優れていました。常に中学校のテスト成績は学年トップだったようです。はたから見ただけでは問題はなかったようです。
学校での成績は大学までずっと優秀だった
筑波大学医学部に入学しても成績は断トツでした。留年することもなく黙々と勉学に励み、同大学の附属病院で研修生として働くこととなりました。夢であった医者になることができ、社会的地位と高収入を得たのです。
事件当時の年収は1300万ほどあったようです。
優秀で病院での評判も良かった
困っている外国人には治療してあげたいと寄り添ったり、入院費の支払いに困っている患者には、分割できるように動いたりと、患者に寄り添った医療を目指します。まさに医者の鏡のような評判の良さでした。
でも、なぜ成績優秀で順風満帆な人生を送っていたであろう野本岩男が、妻と子供を殺害するに至ったのでしょうか?
姪が宮崎事件の被害者?
平成の幼女を巻き込んだ残忍事件として名が残る宮崎勤事件。この騒動に野本の姪っ子が関わっているといいます。身内で悲しい出来事があったにも関わらず自らも法の裁きを受けることとなってしまったのです。
つくば母子殺人事件の被害者「野本映子」の生い立ち
次に妻である彼女の生い立ちについて追っていきたいと思います。実は彼女はバツイチで再婚相手が今回の悪人でした。彼女の半生をご紹介します。
東京都大田区に生まれる
私立の女子高を卒業したのち、看護師になりたいという夢を抱きながらも最初の結婚相手と運命の出会いをします。すぐに2人は深い仲となりました。
最初は蕎麦屋の息子と結婚
幸せな生活は長く続きませんでした。土浦市で開業した店の経営難から次第に夫婦にも亀裂は入るようになり、離婚をします。2人の間に子供が2人いましたが、子供は置いて彼女一人だけで家を出て行ったのです。
彼女は結婚前からの夢であった看護師を目指すため、研究都市であるつくば市へ引っ越しメディカルセンターでバイトをしながら生計を立てます。
離婚後、夫であり犯人の「野本岩男」と出会う
医師と看護師がテニスをして楽しむ会に参加した際に、将来夫となる2歳下の男と出会います。2人は惹かれあい交際をスタートさせますが、彼女の他に数人もの相手がいたのでした。ほどなくして彼女は身ごもってしまいます。
子供を出産する
最初は中絶をしますが2回目は、結婚はしなくていいから産みたいという彼女の意思を尊重します。すぐに恋仲となったわけですが、それだけ彼女の美貌が興味を引き付けたのでしょう。
のちに結婚するが望んだ結果ではなかった
彼女は未婚のまま出産をし、同棲も続けていました。のちに野本は子供のことが不憫に思えたことで、強く望んだことではありませんでしたが結婚をすることになります。
式も披露宴も上げない結婚でしたが、他人からみると絵にかいたような結婚生活がスタートしたのです。
つくば母子殺人事件の被害者で犯人の妻、映子が日記で語った真実
捜査でも有力な証拠ともなった彼女が文字で残してきた日常は、波乱万丈なものでした。自分の心の中の思いを全て紙消えることなく残っており、彼女の悲しく虚しい日々が伝わってきます。文字として書くことで気を紛らわしていたのかもしれません。
夫には常に浮気相手がいて一時は8人もの相手がいた
もともと彼女も浮気相手からの交際でした。社会的地位もあり、人当たりが良かった野本は当然女性からの熱い視線を送られるのです。自らも女性好きだったため常に女の影が絶えませんでしたし、それを隠そうとせず堂々と浮気します。
多くのお金を浮気相手である愛人に注いぎ家庭を顧みず遊びたい放題だったのです。
家庭も大事にしてもらうよう懇願する
明らかに女の影がある夫に対し、もう少し家庭にも目をやってほしい旨を伝えますが、収まるどころか日に日に帰りも遅くなり遊びも派手になっていくのです。
結婚を後悔する
子供が生まれ体裁を気にしたことで結婚に踏み切った野本は、愛情を向けることができず外で愛を求めます。お互いに家族になりたいことを熱望しての結婚ではなかたっため、雲行きが怪しくなります。
エリート医師が夫なのに関わらず、貧しい家計
表向きは高収入で裕福な医者として見られていましたが、実は借金まみれであり毎月利子を返すだけでも多額の金額を支払っていたようです。夫の懲りない女遊びと潤わない家計に、彼女は疲弊していたことが綴られています。
資産運営としてマンションを所有
多くの報酬を手に入れていたため、資産運用として3つのマンションを所有していました。ですが実は運営費用が膨らむばかりで、うまく資産運用できていなかったのです。収入よりも支払いが増えていく一方でした。
映子も昼夜働き、夜はランジェリーパブに勤務
次第に野本は家にお金を入れなくなります。生きていくために彼女は幼い子供がいるにもかかわらず働きづめでした。睡眠時間を削ってまでもお金を稼いだのです。それでも野本は改めようとせず遊びはエスカレートしていく一方でした。
夫婦仲は冷え切っていた
そんなすれ違い生活をしていくうち、気持ちまでもがすれ違っていくのです。顔を合わせば浮気を問いただす彼女とは口論となる日々でした。完全に修復不可能な夫婦仲となっていったのです。
離婚を切り出される
疲れ切った彼女から離婚を切り出されます。彼女は慰謝料1億に月の養育費100万を要求し、いっそのこと殺してくださいと包丁とロープを彼女は差し出します。言い合いになって頭に血が上っていた男は、衝動的に手にかけたのです。
そして母を失った幼い子供たちを不憫に思い、そして殺人者の子供としてレッテルを貼られることが可哀想だと手をかけてゆくのでした。
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つくば母子殺人事件の犯人の野本岩男の本性
彼女の手記からも伝わるように野本という男は、いかに甲斐性のない男だったことがわかります。表ではいい顔をし患者から慕われ、愛人とは見栄を張った煌びやかな遊びを堪能した男のワガママな姿をもう一度、おさらいしていきましょう。
女性関係に非常にだらしなかった
興味あるターゲットを見つけると、なんとしてでも自分のものにしようとするのです。妻と別れるから結婚しようと何人もの愛人に伝えて求愛していたと言います。