沙織事件の翌年1993年にレイティングシールを制定し、18禁シールが誕生しました。この当時は18禁か全年齢対象かの2つだけでしたが1994年には15禁も増え、このシールがないものは審査機関が審査を通していないということになり市場に出回らないようになりました。
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R18とR15の違い
審査機関が描写の過激さでR18かR15が決めます。具体的には4つがあるそうです。①性描写が見ている人の性的感情をどの程度掻き立てるか、性器が映っているか②内容が反社会的であるか③犯罪を称賛するように描いていないか④薬物関係は特に厳しく注射器があるだけでもR指定です。この4つの度合いが強いものほどR18指定になります。
沙織事件後のゲーム会社の行方は?
沙織事件の後ゲーム会社は大きな打撃を受けました。「沙織・美少女達の館」を開発した会社には親会社があり、そこまで影響が出ました。事件の後、規制対象となったアダルトゲーム関連会社は各会社、異なる対応をしています。どのような対応をしていったのか紹介していきます。
沙織事件後の「FAIRYTALE」
FAIRYTALEは「キララ」のゲームブランドです。沙織事件後はアダルト系ブランドからシリアス系ブランドとして存続しています。また、「ドラゴンシティーX指定」と「沙織」については製品登録を抹消されています。
沙織事件後の「キララ」
「キララ」は株式会社「ジャスト」の子会社で、沙織事件で問題となった「沙織・美少女達の館」と「ドラゴンシティーX指定」を廃盤として修正版を発売しませんでした。無修正を売りにしていたことや、反省の意味も込めて再販を検討しなかったようです。
沙織事件後の「ジャスト」
ジャストは沙織事件の責任を負って社長が逮捕された会社です。問題となった「天使たちの午後Ⅲ –番外編・反省版」「天使たちの午後 CollectionⅡ」を画像処理して修正版を再販しました。反省の仕方が親会社と子会社で異なるのは面白いです。
沙織事件の規制後に変わったこと
規制が入って変わったのはアダルトゲームが避難の的になっただけでしょうか。実際のところは第三者機関の誕生に伴いメーカーの自主規制の強化と共に青少年の育成への配慮へと繋がっていきました。詳しく内容に触れていきます。
ゲーム制作会社の倫理観
規制前は規制が、ほとんどないようなものだったので規制によりメーカーの自主規制が強化されました。アダルトゲームは児童ポルノであるというような誤解も防ぐようなタイトルの付け方やパッケージの作り方を工夫するようになりました。
コンピュータソフトウェア倫理機構が設立された
誰かが第三者的に製品を審査して規制をかける必要があります。そのためにコンピュータゲーム倫理機構という機関が出来ました。基本的に、この期間の審査を通らないと製品を発売することが出来なくなったので青少年を守ると共にメーカーも倒産から守ることになり監視役になっています。
沙織事件から考える「アダルト」「エロ」の必要性と注意
アダルトやエロは有害なもののようなイメージがありますが本当にそうでしょうか。エロやアダルトは決して卑猥なものではないのです。アダルトなものやエロがこの世から消えてしまったら本当に犯罪が減るのでしょうか。決してそうではないことを理解してもらうためにエロやアダルトについて纏めました。
「エロ」は文化のひとつ?
実は昔から芸術の世界ではエロが表現されています。例えばルネサンス期のダビデ像は男性の裸体の大理石像があります。日本は「奥ゆかしさ」が良いところではありますが、その分エロに対して消極的な部分があります。エロを文化ととらえるとイヤらしく感じにくいはずです。
「アダルト」作品が性犯罪を防ぐ?
アダルトな作品は性犯罪を防ぐとも言われています。なぜならば、性的欲求を解消できるものだからです。この世からアダルト作品がなくなれば今よりも多くの性犯罪が増える可能性があるからです。おそらく、すべてを取り締まらない理由も、そういうところもあるのではないでしょうか。
沙織事件から18歳以下にアダルトが不適切な意味を今一度考える
そうは言ってもやはり18歳以下の青少年にアダルトなものを簡単に与えたり、手に入れたりできる環境を作るべきではありません。理由は18歳以下は子供で多感な時期なので善悪の判断が大人よりも出来ないはずです。アダルトな作品は、刺激が強い分精神的な面に影響を及ぼすので規制が必要なのです。
近年起こった性犯罪
残念ながら近年でも性犯罪は起こっています。過去5年の傾向を見ると減少傾向ではあるのですが 無くなってはいません。性犯罪には家庭環境、犯罪者の人格などが関係しているそうですが親の育て方が大きく影響しているケースが多いようです。ここでは近年起こった事件で特に衝撃的だった事件を紹介していきます。
尼崎児童暴行事件
2006年に小学生4年生が、なんと同級生に性的暴行を受けるという事件です。尼崎市立若葉小学校で男子児童数名からズボンとパンツを脱ぐように脅迫され、仕方なく脱いだところ女の子の性器を触ったり舐めたしたというのです。しかも女の子は親に言わないように口止めまでされていたようで、小学生が犯人というところも非常に痛ましいです。
どうして起こったのか
普通に考えると小学校4年生(10歳)で、ここまでの性的な欲求が起こるというのが理解できませんが起こったのには訳がありました。なんと親のアダルトビデオを見て真似をしたかったので犯行に及んだというのです。この発言により犯人の男児の家庭環境にたいして痛烈なバッシングあり世間の注目を浴びました。
事件の発覚
事件が発覚したのは保護者面談にて女の子の友人が先生に報告したためです。加害者の父親は当初「息子はしてない」と言っていましたが、その後「息子が認めた」と父親から学校に連絡があり学校も把握しています。しかし教育委員会には報告していないことを被害者側が確認し警察沙汰になりました。
事件後初めての加害者と被害者の話し合い
校長室に父親が約束の時間より50分遅く表れたが反省の様子はなかったようです。被害者の母親が「自分の子供が同じようにされたら、どう思いますか」と問いかけると加害者の父親は「殺します」と答えたそうです。結局被害者側が引っ越すということになりましたが費用などの詳しいことは何も決まらないまま終わりました。
事件はこれで終わらない
加害者の母親から被害者の母親に連絡があり「引っ越し費用を負担する」ということになりました。しかし後日なぜか被害者宅に警察が来て加害者の父親が「妻が脅迫を受けた」と通報があったと言うのです。再び話し合いになり、その場で被害者の母親に対し「子供に手を出すかもしれない」と脅迫してきました。
結局被害者は泣き寝入り
結局、費用の話も白紙に戻り被害者は泣き寝入りしなければならなかったようです。学校や行政も責任をとらないスタンスでした。通常ならこんなことは起こってはいけないですし、起こってもここまで拗れることはなかったはずです。家庭環境の捻じれが子供の犯罪にまで影響しているのを露呈した事件だったのでないでしょうか。
その他の類似事件
このような同級生が事件を起こしたものに佐世保小6女児同級生殺害事件や旭川女子中学生集団暴行事件などがあります。事件に共通しているのは学校側の対応の悪さや身の回りの大人の対応の遅れが、事件を未然に防げなかった理由として挙げられています。
元祖アダルトゲームは?
野球拳や脱離麻雀を抜いて元祖のアダルトゲームはセックスの方法を教えてくれる1982年4月に発売された「ナイトライフ」と言われるソフトです。お勧めの体位をランダムに選んでくれて時間を設定します。どちらかというと夫婦の営みを手助けしてくれるためのソフトだったようです。
ストーリー性のあるアダルトゲームの元祖は?
「天使たちの午後」です。それまではストーリー性のなかったアダルトゲーム界に金字塔を打ち立てました。学園を舞台にしたものでストーリー性も画期的でした。グラフィックも当時では高画質でプレイヤーをワクワクさせました。また後に発売するジャストサウンドを接続するとキャラクターが話すオプションを付けられるのも斬新だったようです。
沙織事件はアダルト作品について世間が真剣に考えるきっかけに
万引きをした中学生からゲーム制作会社にまで処罰が飛躍した事件でしたが、今ではなくてはならない規制が出来ました。この時に真剣に事件と向き合った結果、青少年の育成のあり方を今一度考えるきっかけとなり今の18歳以下の方たりを守る法律が出来たので結果的に良かったのではないでしょうか。
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