アマラとカマラがオオカミに育てられた子というのは嘘!顛末や真相とは

世界的に有名なオオカミ姉妹の話は作り話!姉妹の話がでっちあげられた背景には金儲けと言う思惑がありまりました。そのために姉妹に科せられたものとは!?姉妹の話はどこまでが真実で何が嘘だったのか後に集められた証言と生物学的根拠を元に解説していきます。

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元々、スポーツをするのは好きな方で、今は釣りにも興味の幅を広げています。
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「アマラとカマラ」がオオカミに育てられた子は嘘!

狼に育てられた子が実際に存在したという話があり本にもなっています。インドで怪奇現象を探っていた牧師によって保護され、四つ足で狼のような素振りを見せたらしいのです。しかし現在では色々な記録を紐解いていくと育てられたという話の信憑性が低いという結論になっています。どうしてこのような出来事が起こったのか見ていきましょう。

オオカミに育てられた姉妹「アマラとカマラ」

狼に育てられた奇妙な子供は見た目は人間のような狼のように見える姉妹です。姉妹はどういう経緯で発見され保護されたのでしょうか。保護した牧師はどんな人物だったのか、またどうして姉妹は有名になったのか、まずはそこから見ていきましょう。

1920年アマラとカマラ保護

狼の群れの中に明らかに他とは違う黒い個体がいることに現地の人が気づきました。現地の人に同行していたイギリス人のシング牧師が目視で確認したところ「人間ではないか」と気づき孤児院で引き取ることに決めました。姉妹について知っている現地の人はおらず「きっと生まれてすぐに狼に拾われて育てられたのだ」と推測されました。

キリスト教伝道師「ジョセフ・シング」に引き取られる

発見される前、地元の村人達は「ジャングルに二つの幽霊がいる」と恐れられており、孤児院を運営する牧師「ジョセフ・シング」に真相を究明するように依頼がありました。発見されたあとシングに引き取られ養育されました。引き取ったのちに人間になれさせようとしましたが誰にも懐きませんでした。

オオカミに育てられた少女として世界的に有名に

シング牧師は「アマラ」と「カマラ」との十年にも及ぶ生活を日記に纏めており出版しています。また、1926年にニューヨークタイムズなどで紹介されたことを皮切りに世界中に広まりました。日本でも一時期は教科書に使われていたことがあり、教育の大切さを学ばせていました。

発見当時のアマラとカマラ

では発見された時の姉妹の様子はどうだったのでしょうか。牧師が姉妹を人間だと判断した根拠や彼女たちの食事の仕方などを纏めました。特に食事の仕方は衝撃的で狼に育てられたと言われる所以となりました。

発見当時カマラ8歳アマラ1歳半

発見当時は目が獣のように光り4本足で走っていました。顔をよく見ると人間に近い輪郭をしていたので人間と判断したそうです。保護した時は黒い髪が頭にもつれていたので髪を切り体をキレイに洗いました。体の大きい子を「カマラ」、小さい子を「アマラ」と名付け見立てから「カマラ」を8歳、「アマラ」を1歳半と判断しました。

手を使わず口だけで生肉を屠る

食事は、まさに野生でした。生肉や牛乳を好み、鶏の内臓を手を使わずに口だけで貪っていました。まさに犬喰いといった感じで衝撃的だったようです。光を嫌い、昼に暗所で眠り夜に活動をするという夜行性の一面や気温の変化に鈍感で季節を問わず裸で動き回っていました。

四足歩行をし遠吠えをする

姉妹の奇妙な行動は歩き方にも表れ四足歩行をしていました。手足は長く足の指の間隔が広く四足歩行に向いた体格に変化していたと言うのです。歯は牙のようにとがり聴覚と嗅覚が人間離れしており、夜には遠吠えもしていたとの記録があるほどですので、ほぼ動物のような行動をしていたことが分かります。

アマラとカマラは世界中でもニュースに

日本でも小学校の教育資料として、この物語は使われました。教育を受けていないと動物と同じようになってしまうといった内容を教える教材になったようです。他にも世界的なニュースになったりと何かと世間を騒がせました。ニュースから書籍化までの経緯を紹介していきます。

1926年ニューヨークタイムズで世界的ニュースに

姉妹の話が世界的に広まったのはニューヨークタイムズで紹介されたからです。当時非常に衝撃を与えた内容に多くの心理学者や教育学者が興味を示しました。この時すでにアマラは亡くなっており、カマラだけ生きていましたが、ジャングルの奥地まで行って確認した記者や専門家はいなかったため残された記録と写真のみが事実として残りました。

アマラとカマラは日本でも小説化された

狼にそだてられた子

Amazonで見る

日本でも1955年に「狼に育てられた子」というタイトルで新教育協会出版から翻訳され小説化しています。この内容は小学校でも教科書に採用されたようです。大学でも道徳や心理学、言語学の教科書にも掲載され授業がされているようです。

心理学者ゲゼルによって書籍化

翻訳の元となった書籍は「狼にそだてられた子」というタイトルで書籍化されました。著者はアメリカの心理学であり小児科医の「アーノルド・ゲゼル」です。なんと彼は一度も姉妹に会いに行かずに本を出版したというのです。にわかには信じられない話ですが、その後さまざまな疑惑が生じるきっかけにもなりました。

アマラとカマラの不可解な点①生物学的側面

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日記や本の内容には不可解な点が多く、おかしなところだらけでした。嘘と結論つけられたのも、様々な調査を経て公表された結果によるものです。ここでは公表された内容で有名なものを紹介していきます。今では日本だけで未だに信じられている外国の都市伝説として位置づけられています。

人間の乳児はオオカミの乳では育たない

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まず狼の乳で人間を育てられるはずがないというのです。狼のメスは積極的に乳を与えないので日記や書籍に記載していたことは信憑性が低いということが分かりました。また狼の乳は人間の母乳と成分が異なり仮に授乳できても消化不良を起こすというのが嘘の判断の決定打になりました。

人間の乳児は自分で乳を探せない

人間の乳児は自分から乳を吸いには行くことが出来ず口元に持っていかないと吸うことは出来ません。また狼も乳を与えないので乳児は満足に食事をすることが出来ず、すぐに餓死してしまいます。したがって狼と人間が一緒に生活をすることは成立しないということに至りました。

群れで動くオオカミの速度に人間はついていけない

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群れで動く狼は広範囲を移動する上に移動速度は時速50kmにもなります。陸上選手でさえ時速36km程度です。幼児が到底ついていける速度ではないことが分かります。もしも移動をするのであれば狼の背中に乗って移動するしかないですが、振り落とされずに移動できるとは考えづらいです。

アマラとカマラの不可解な点②身体的側面

狼と一緒に生活が不可能であること以外にも不可解な点がありました。野性的な一面が記録に残っているのからです。これから紹介する内容はとても人間ではあり得ないことばかりが書いてあります。こちらの内容も狼少女はいなかったという決定的な根拠として扱われています。

目が獣のように光る

なんと、このような記述があったことです。人間の目が暗闇でギラギラ光るというのはタペタム(輝膜)が目の中にないといけませんが、人間はタペタムがないので生物学上、光りません。人間で目が光る条件は、かなり特殊なため限りなく存在しないだろうという結論になった記述です。

アマラとカマラは犬歯が異常に成長している

身体的特徴として狼のような歯が発達していたという記述があります。これは、まず彼女たちの年齢での犬歯の有無が疑問視されました。カマラは8歳なので犬歯はあるがアマラは一歳半なので歯がすべて生えておらず犬歯が生えているかどうか分からない上に異常に発達するという状況が考えづらいとして、この記述の信憑性が低いと結論づけられました。

アマラとカマラは汗をかかない

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疑わしい記述の中でも特に目立っています。これが本当であれば体温調整をどのようにしていたのかが気になります。他にも汗には肌の保湿にも関わってくるので、汗をかかないイコール人間ではないとまで言えます。このような事実から、この記述も信憑性が極めて低いと断定されました。

 

アマラとカマラ「オオカミ少女」説は嘘だった!

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これらの矛盾点からノンフィクションの作品からフィクションの作品へと見方が変わってきた狼少女ですが、他にも不可解な点が多く物議を醸した内容になっています。その他どのようなことが問題となったのか紹介していきます。

アマラとカマラはオオカミ少女ではなかった

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