ヤママユガとはどんな蛾?幼虫や繭の特徴、種類や飼育方法など紹介

実はこの幼虫または成虫になっても毒は一切ありません。このヤママユガ科の仲間にも国内には毒を持つ種類の蛾は存在していないので安心してください。無毒だからこそ、産業として飼っていた人が多かったり現在でも飼育する目的で飼われているのかもしれません。

中南米に生息するベネズエラヤママユガの幼虫は猛毒を持っている

ただし、注意してもらいたいのは海外にいる同じ種類の蛾の幼虫です。ベネズエラに生奥しているモノは、奇妙な見た目の幼虫は猛毒を持っており、触った人間を死に至らしめることもあるようです。そして現地では「暗殺毛虫」とも呼ばれています。

ギアナで発見された品種も個性的!

フランス領であるギアナで発見された種がネット上で話題になっています。そのカラフルな姿はまるでピエロなどの道化師のようで目を惹く姿をしています。毒を持っているのかどうかは定かにはなってないのですが、それでも話題になった姿です。

ヤママユガの繭はどんな見た目?特徴など紹介

成虫の姿、幼虫の姿ときたら繭になった時の姿はどのような見た目なのでしょうか?実際に「蚕」の姿は知っているけれど違いはあるのでしょうか?ぜひ一度は知っていただきたい美しい繭についてご紹介します。

体の周囲に糸を出して繭をつくるヤママユガ

幼虫が繭を作る段階になると、葉っぱと葉っぱの間に隠れながら体から糸を出していきます。体の周りをおおうように少しずつ糸を出していき身体中を包み込んでいくと繭の完成になります。葉っぱに繭が隠れるように一緒に糸でくっつけていくのが野生のスタイルです。

ヤママユガの繭は卵形で緑色!蚕よりも大きな繭

出来上がった繭の形は、普通の蚕よりも大きなサイズで卵形になっています。そして、幼虫のあの色鮮やかな色合いを彷彿とさせるような美しい緑色をした繭が大きな特徴です。ヤママユガのこの美しい繭が見たくて飼育を続けている人もいるようです。

特徴

この美しい繭の特徴とは何でしょうか?色はすでにご紹介しているとおり、美しいグリーンです。時には生成り色のものもできたりします。この繭は光を乱反射吸収し、品のある艶感がでる仕上がりになるのが特徴です。

ヤママユガの繭からは高級な天蚕糸が採れる

長野県の信州安曇野の穂高有明地区では、この美しい緑色をした繭から紡がれた糸を使った特産品があり、実際に200年以上にも渡り伝統として守られてきています。なぜそんなにも人々を惹きつけるのか?調べてみました。

昔から人によって飼育されていたヤママユガ

この穂高有明地区では1780年代頃から飼育が始められていたと言われています。昔の史書には1828年に名前が登場しており、1800年代には農業している人たちのオフシーズンの副業として飼育されることが多くなってきたと言われています。

ヤママユガの緑色の繭からは緑色の天蚕糸を採ることができる

この繭から採れる糸は「てんさんし」とも呼ばれ、繭がずらりと並んだその光景はまるで木々の木漏れ日を浴びているような気分になるような優しく美しい緑色の世界を見ることができます。もちろんその繭から採れる糸の緑が自然の色なので、それで作る特産品もとても貴重なものになります。

てんさんし?てぐすいと?

天蚕糸と書いて様々な読み方があるようですが、主に安曇野などで特産品として使われている場合は「テンサンシ」と呼ばれます。釣りなどに使うような糸として使われる事もあったので「テグスイト」という呼び名も存在していますが、基本的には同じモノを指しています。

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