実は病気や害虫などに注意しないと生育率が低いというのが実際に飼育している人の感想です。アリやクモ、ハチなどにやられてしまうことも多いのでケースなどに入れずに飼育する場合は要注意です。
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ヤママユガ科にどんな種類がいる?それぞれの特徴などと併せて紹介
ここまでご紹介した緑色が特徴の蛾ですが、同じような仲間がどれくらいいるのでしょうか?実際に聞いたことがあるような国内でも見られる種類をいくつかご紹介します。もちろん海外にはこれ以上に珍しい種類もいるので気になる方はそちらも調べてみましょう。
ヤママユガ科の蛾①ヤママユ
この「ヤママユ」が、日本国内では一般的にここまで紹介してきた「ヤママユガ」の事をさします。Wikipediaなどにはこの名称で登録されている事がほとんどです。正式名称と略称両方覚えておくといいでしょう。
大きく括った種類としてヤママユと呼ぶこともあります。品種名では無くインスタなどでも総称としてハッシュタグがつけられています。正確にはヤママユガ というグループの中でも美しい光沢のある糸を紡ぐことができる繭をつくる種を呼びます。
ヤママユガ科の蛾②シンジュサン
相手を威嚇するような大きく不思議な形の翅をもつのがこのシンジュサンです。分布は広く日本国内では北海道から沖縄まで幅広い地域に生息しています。餌とする樹木が主にクスノキなどに加え、柑橘系の葉も好んで食べます。どちらかという大型のタイプに入ります。
シンジュサンという名前から真珠のような美しさがあるから?という考えになりがちですが、じつはこの蛾は神樹蚕と書いてシンジュサンと読みます。別名ニワウルシという樹の葉を主に食べるのでこの名前がつけられたと言われています。
ヤママユガ科の蛾③ヒメヤママユ
準絶滅危惧種に登録されているのがヒメヤママユです。北海道から九州の対馬や屋久島に分布しており、割と多くの種類の樹木や植物を餌としています。都会ではなかなか見つける事ができません。だいたい8月頃から11月末にむけて観察する事ができます。
この種類は翅の模様が個性的て、識別が簡単にできると知られています。大きな翅を見てみると、目玉のような模様があるのがわかります。リアルな目玉の模様を覚えておくと初心者でも他の蛾と間違わずに識別する事ができます。
ヤママユガ科の蛾④クスサン
こちらも割と大型の種類に入ります。成虫の姿も目を引きますが、幼虫の姿と繭の状態が個性的でそれぞれ別名がつけられるほどです。幼虫期には白色の長い毛を生やしているので「シラガタロウ」と呼ばれ、繭になると網目状に穴が空いたその姿から「スカシダワラ」と呼ばれています。
この面白いクスサンから取れる糸は、古来の釣りをするときのテグスの原料になっていたと言われています。繭からではなく、幼虫の体内にある絹糸線を酢に浸してから引っ張る事でとる事ができるナイロンのような丈夫な糸を作る事ができるのです。
ヤママユガ科の蛾⑤ウスタビガ
この種は東京都では絶滅危惧I類に登録されており、場所によっては見つけるのが難しい事が伺えます。大きさは小さいほうで目玉のような模様が特徴です。繭は卵形ではなく逆三角形のような形で作られ、繭の中に水がたまらないように下部には小さな穴があいている機能的な作りになっています。
ちなみに繭の頑丈さや形が個性的な事で知られているウスタビガですが、この繭から糸を採る事もできます。しかし残念ながら、羽化の時期や餌が限られてしまい大量飼育が難しいためこの繭から糸を紡いで使われるような事は無いようです。
ヤママユガ科の蛾⑥オオミズアオ
大型のサイズ感で、全体的に青白い色をしている。他の種類が卵で越冬するところ、この種類は蛹の状態で越冬をすると知られています。なので、1年に2回誕生するタイミングがあり日本全国に渡り広く分布している種類です。
こんなに奇抜な見た目なのに、私たちの身近に本当にいるのか?気になるところです。実はこのミステリアスな見た目に惹かれる人も多いようです。オオミズアオについて詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
ヤママユガたちが大量発生!?
実は、この成虫が大量発生してしまうケースもちらほらと報告されているようです。すでに紹介している長野県の特定の地域では、だいたい決まった月の夜に一斉に蛾が飛び回る日があったようです。夜中に灯のついている街灯や電信柱に大量に集まってくるのです。
原因は?
では、この大量発生の原因はいったいなんなのでしょうか?実ははっきりとわかってはいないのですが、この地域は実際に天蚕糸で特産品を作っていたりするので飼育している人が多かったり環境が適しているということも考えられます。
1年に決められた時期の間だけ、幼虫から繭へそして成虫へと成長していくこの昆虫は決まった時期の適した温度の日に一斉に羽化するのでしょう。そんなタイミングが重なってしまうと大量発生の原因になると言えるのではないでしょうか。
対応策は?
この大量発生してしまうシーンに実際に出くわしてしまったらどうしたらいいのでしょうか?基本的には夜行性なので夜の街灯など、暗闇の中の灯にたくさん集まってきてしまいます。もちろん、家の窓から漏れる光にも集まってきてしまいます。
そんな時は自宅のカーテンなどをしっかり締め、屋外に電気の光が漏れないようして外出は控えましょう。窓から光が漏れていると、その光に集まり窓がびっしりと覆われてしまう事もあります。2〜3日で大量発生は落ち着くことがほとんどなので我慢するのが手っ取り早い対応策です。
実は蛾にはスピリチュアルなストーリーも?
よく見かける蝶に比べると、少し見た目が個性的で好き嫌いも別れてしまう事が避けられないのが蛾の特徴ですが。実はスピリチュアルな言い伝えやストーリーが隠されています。こういう話を知ると意外に可愛さも感じてしまうのが面白いところです。
ハワイでは先祖の魂
ハワイで信じられている言い伝えのご紹介です。蛾をみかけたハワイの人は、気持ち悪がったりもせずその姿に感謝をするそうです。なぜかというと、亡くなった先祖の魂が蛾の姿になってあなたのもとを訪れるという言い伝えを大事に信じているからなのです。
夢に普通の蛾が出てくる場合は…
よくある夢占いでは蛾は「不吉な予感」の象徴だと言われています。決して縁起がいいものではありませんが、もしかすると自分自身の体調不良が影響している可能性もと言われているので、夢に蛾が出てきたら自分自身が疲れてる?と気にしてあげるといいかもしれません。
白い蛾は幸運の象徴!
反して、色の白い蛾は「幸運の象徴」と言われています。夢に白い蛾が出てくると、物事がよりスムーズに運びそれが結果幸せに繋がると信じられているのです。スピリチュアルな業界では白い蛾は天使の化身であるとも言われているようです。
全国で見ることができる大型のヤママユガ
翅を広げるととても大型の蛾の一種である蛾についてご紹介しました。緑色の美しい繭を作る事で知られており、光沢の美しい高級な絹糸を紡ぎだし高級な特産品を作ることができるとも知られています。安曇野などでは歴史的にも代々飼育されています。
もちろん個人でも山歩きなどをしながら幼虫を手にいれる事ができます。自宅に持ち帰り、適した餌を用意する事ができれば成虫までしっかりと飼育する事ができます。この独特な幼虫、そして美しい繭も楽しみながら飼育してみるのもおすすめです。
オオミズアオに関する記事はこちら
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