尼崎脱線事故の本当の原因は?運転士を追い詰めたJR西日本の体勢と日勤教育

オーバーランによってさらに広がってしまった遅れで更に焦ってしまった、運転士は列車のスピードを加速してしまいます。結果的に制限速度が70キロとされているカーブに40キロ以上も超過した116キロで侵入したことにより列車は曲がり切れず脱線し列車は横転してしまいます。

尼崎脱線事故の原因を検証②JR西日本の日勤教育

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続いて探っていく事故の原因は、JR西日本の教育体制の問題によって事故は起こってしまったとの見解を示す持っている人もいます。大惨事となる事故を起こすまでになってしまったJR西日本の教育体制とはどのようなものだったのかを追っていきます。

JR西日本のパワハラ日勤教育

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独特の教育体制があり目標を達成できなかったものには処分として実務に関係のない日勤教育という懲罰がJR西日本にはありました。乗務員休憩室などから見える位置に座らせられ作文やレポートなどを一日中させるというパワハラのような教育です。

日勤教育が特に厳しかった大阪・尼崎

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事故が起きた路線の福知山線や大阪では日勤教育は特に厳しかったと言われています。日勤教育の日数や内容はは状況によりそれぞれ異なっていましたが、中には1か月以上も通常の業務に取り組むことができず、周囲の目に触れるところでの教育に精神的に追い詰められてしまった運転士は1人や2人ではありません。

民営化となる以前は、JR西日本は私鉄との競争意識はありませんでしたが民営化された後は安全よりも利用客を増やすことにより採算をとることを優先し、私鉄との競争意識が高くなったことも事故の原因の1つとされています。

運転士にのしかかる過剰なプレッシャー

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JR西日本には、電車遅延などを起こした運転士に対してパワハラともみられる再教育を行っています。オーバーランや電車遅延等で二度と日勤教育を受けたくないとの考えから遅延などに対して過敏に反応するようになってしまうなど、運転士に相当なプレッシャーがのしかかっていたと推測されています。

尼崎脱線事故を起こした運転士「高見隆二郎」

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事故を起こした運転士、高見隆二郎とはどのような人物だったのでしょうか。運転士が悪いという意見が大多数を占めてはいますが果たして、事故が起きた原因のすべてが運転士のみの責任なのかなどを追っていきます。

運転士になって11ヶ月で尼崎脱線事故を起こす

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運転士として列車に乗務するようになってわずか11か月で高見隆二郎は大惨事となった尼崎脱線事故を引き起こしています。運転士としての経歴だけでなく、技術的にも運転士としては未熟であったことが推測できます。

高見隆二郎の夢は「新幹線の運転士」

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高見隆二郎は昔から新幹線の運転士になることが夢だったそうです。学生時代も部活動に真剣に取り組み、JR西日本に就職後も勤務態度も真面目で業務にも真剣に取り組んでいたことが同僚などの話から明らかになっています。

事故10ヶ月前に日勤教育を経験

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尼崎脱線事故の10か月ほど前に、高見隆二郎はオーバーランしたことにより8分の遅延を起こしています。JR西日側は本人から聴取を行ったうえで再教育として、日勤教育を経験しています。そのため高見隆二郎は「電車を遅らせてはいけない」という一種のノイローゼのような状態になったことが原因の1つとも推測されています。

JR西日本の組織としての問題

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次は、事故の運転士である高見隆二郎個人の責任ではなく、運営をしていたJR西日本の組織体制や運営体制にも問題があったのではと囁かれています。JR西日本側の組織体制や教育方法など、運営体制から過失に当たる点を探っていきます。

時間に余裕のないギリギリの運行時間

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事故の起きた路線は、私鉄よりも優位に立つ対策として電車の定時発車を目標としており、ダイヤの本数が多いうえに駅での停車時間は15秒ぐらいでギリギリのダイヤを使用しており余裕のない状態でした。

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