ハンミョウの生態や種類、毒性の有無まとめ!捕まえ方と飼育方法も!

ハンミョウは日本列島の一部の地域に生息するとても美しい昆虫です。ハンミョウと名のつく中でもツチハンミョウ科に属するものには毒性があるといわれています。この記事は種類や幼虫・成虫の生態についてまとめました。また捕まえ方や飼育方法についてもご紹介します。

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大学、大学院を獣医学部にて過ごし、養った知識と共に、興味あふれる内容をお届けします。
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ハンミョウとは?

カラフルな体の色がとても特徴的なハンミョウという昆虫をご存知でしょうか。昆虫好きの方にはたまらない、ハンミョウという人気の高い昆虫の生態や生息地、特徴を詳しくご紹介させていただきます。是非この記事を参考にハンミョウについて詳しくなってください。

ハンミョウの生息地・別名

古くから日本でもよく見かけられた昆虫で、本州、四国、九州の他に対馬や種子島でも生息が確認されています。他の生き物が近づくと数m程飛び、着地後に後ろを振り返る姿が道案内をしているように見えるため、「ミチシルベ」「ミチオシエ」といった別の呼び方も付けられています。

ハンミョウの形態・特徴

体は独特なにおいを発しており、長い足を持つことが特徴的です。幼虫、成虫ともに鋭い顎を持っており、他の虫が近くを通ると、すかさず食いつき巣穴へ引き込んだり、交尾の際に使用したりと多様な使い方をしています。また、成虫の体は赤、青、緑とカラフルに輝いており、とても綺麗な昆虫です。

他にもその可愛らしい姿から昆虫が苦手な人でもファンがいる、日本にゆかりのあるてんとう虫。よく見かける虫ですが、実際の生態などはあまり詳しく知られていませんが、こちらの記事で詳しくてんとう虫についてご紹介しておりますので、併せてご覧ください。

ハンミョウの幼虫の生態は?

昆虫であるハンミョウは幼虫から成長して成虫となります。ここではハンミョウの幼虫について詳しくご紹介させていただきたいと思います。お家でハンミョウを飼う際には是非幼虫から育て、カラフルな大人の姿へと成長する様子も楽しんでみてください。

ハンミョウの幼虫の形態・特徴

幼虫の時は成虫時のカラフルな体とは打って変わり、頭が黒く、腹部が乳白色、淡い褐色の斑点があります。幼虫は1年を通して様々なところで目にすることが出来ますが、夏の初め頃に大きく育った幼虫が頻繁に発見されるでしょう。

ハンミョウの幼虫のエサの食べ方

昆虫の中には成虫が運んできた餌を巣の中で幼虫が摂取する種類もいるのですが、ハンミョウの幼虫は土の中で大半を過ごし、近くに通りかかった虫を巣の中に自身の強力な顎で引きずり込んで獲物を捕るのです。強い顎を持つハンミョウだからこそ幼虫の時から自身で餌を捕獲し、より安定した環境を得ることが出来るのです。

ハンミョウの天敵

cocoparisienne / Pixabay

強い力の顎を持つため天敵が少ない昆虫かと思われがちですが、ハンミョウにも天敵の存在があります。特に幼虫は巣穴で定点の生活を行っているため天敵から狙われやすいのです。天敵には大きな昆虫や爬虫類、鳥類などがあげられます。

その他・身近に見られるハンミョウ8種類

ハンミョウは世界に2500もの種類が存在し、日本にも20種類程のハンミョウが生息しています。その中でも良く目にすることが出来るハンミョウ8種類をこちらではご紹介させていただきます。同じハンミョウでも様々な違いがあるため見かけたハンミョウがどのハンミョウなのかを見分ける参考にしてみてください。

トウキョウヒメハンミョウ

大きさは9~10㎜ととても小さく、本州や四国、九州で目にすることが出来ます。体はカラフルなイメージとは打って変わって、茶色の体をしており、6~8月頃になると近くの草むらなどで見かけることが可能です。しかし、とても小さい昆虫なので注意して探さないと見つからないかもしれません。

ニワハンミョウ

15~19㎜と少し大きめな昆虫です。体は銅のような色をしており、光沢がありません。北海道、本州、四国、九州にいるハンミョウです。個体数も多きため様々な草むらに生息していますが、保護色の体を持っているため見つけるには注意が必要です。

コニハハンミョウ

暗銅色に白い模様が入った体を持っており、見た目はニワハンミョウとよく似ているため混同されがちです。しかし、大きさが10~13㎜と少し小柄で、草むらにも生息していますが、河原の砂などでよくみられる種類となっています。

エリザハンミョウ

9~11㎜程の暗銅色の体を持ち、背中に白い模様が入っています。他のハンミョウとも見た目が似ており、見分けにくいのですが生息地が草むらよりも、湿り気の多い河原や海岸、池の周りの砂地を好んで生息しているのが特徴です。

コハンミョウ

茶色で11~13㎜程の大きさの体を持ちます。ほかのハンミョウと違い乾いた土地を好み、河原や丘陵地といった場所の乾いている地面に生息しています。北海道、本州、九州、四国の他にも沖縄で見ることのできるハンミョウの仲間です。

ミヤマハンミョウ

暗めの緑色で15~20㎜ととても大型のハンミョウです。北海道や本州、四国に分布しており、6~9月になると、山地や高山体の土砂が露出した場所で見かけることが出来ます。草むらよりも土砂に好んで生息する特徴を持っています。

ホソハンミョウ

10~12㎜で黒い体を持つ小さな昆虫です。丘陵地や山地の疎林や草原に多く生息しています。特徴として体の上部はほかのハンミョウよりも細長くなっています。動きがとてもすばしっこいため捕まえるには苦労する昆虫です。

カワラハンミョウ

14~17㎜で光沢のない黒色に白い模様が入っている体です。海岸の砂地や河原を好んで生息する種類ですが、残念なことに最近では生息地が減少しており、個体数を減らしている種類です。個体によって白い模様が違いますが、白の部分がしっかりと広めの模様であることも特徴の1つです。

ハンミョウに毒性はあるの?

ハンミョウは強力な顎を持ち、他の昆虫も食べてしまうという攻撃的なイメージですが、ハンミョウ自体に毒はあるのでしょうか。飼育を考えている方も毒を持っているかどうかで自身の心構えが変わってくる大切なポイントのため、毒を持つハンミョウの種類も踏まえてこちらでご紹介させていただきます。

ツチハンミョウ科の仲間は毒性を持っている

ハンミョウの中でもツチハンミョウ科の種類は毒性を持っており、その毒性は驚くほど強力です。成虫の体液にはたったの30㎎で致死量に達する猛毒であるタリジンという種類の毒を有しています。日本で生息するツチハンミョウが生息しているため、接触の際には気を付けましょう。

ツチハンミョウは漢方薬にもなる?

量を間違えると毒性を発してしまいますが、ツチハンミョウは古くから中国において漢方薬としても使用されてきました。おできのウミを出す薬としても使用されていましたが、漢方の効果としては催淫や利尿、 躁鬱病、性病、知覚麻痺に効くとされています。

カンタリジンの毒性が強いマメハンミョウ

日本に生息しているマメハンミョウという種類はカンタリジンという毒を有しています。これは少し触れただけでも火傷のような水ぶくれが出来ることが分かっています。古くからイナゴの卵を食べる益獣の半面で大豆の葉を食べる害獣としても扱われてきました。しかし近年ではイナゴの卵が減少していることから個体数を減らしています。

他にも日本に生息している生き物たちの中で数多く毒をもった種類が存在しています。そんな中でも初夏から秋によく見かける茶色い蛾のセスジスズメという虫がいますが、この種も毒を持っていることが解っています。セスジスズメに関してはこちらの記事でご紹介させていただいております。

庭先や家の近くでハンミョウを見つけた

庭や近くの道端で無数にポコポコ空いている穴を見つけたら、それはハンミョウの巣かもしれません。またその巣から成虫が生まれ、環境が良いとそのまま庭などに居座ってしまう可能性もあります。ハンミョウが居座ってしまった場合の対処法をご紹介します。

個体数を減らしているハンミョウ

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