名張毒ぶどう酒事件の真相は?冤罪が疑われる事件の真犯人は会長?

男性の事件に関しての裁判についてですが、前述したように男性は多数の被害者と死者を出したという事で死刑の判決を下されました。理由としては浮気関係による動機が十分にあるという事からの判決内容でした。

この事件の中では人間関係による動機以外にも、お酒の蓋に残されていた歯型が男性のものしかないということ、関係者の証言からぶどう酒に農薬を入れることが出来る人物はこの男性しかいないという点から裁判所はこの判決を下したのです。

第一審では奥西勝に無罪判決

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実はこの最初の裁判の前、最初の裁判の際には男性は無罪の判決を裁判官から告げられていました。この無罪の主な理由としては、蓋の歯型という証拠は存在するものの、事件の各省に迫る確たる証拠は一つも存在していなかったからです。

そしてそもそもの男性の自白した内容によれば、事件の際にお酒の瓶の蓋を歯で開け、自分自身で持ってきた毒物をお酒の中に入れたと話しており、ここから酒に残されていた歯型が確かな証拠として提出されたのです。しかしこの点は不可解なものとして考える歯科医師もいるようです。

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こうして初めのうちは無罪という形でこのまま終わるかと思われた今回の事件ですが、2回目の裁判内で先ほど述べたように数々の証言が飛び出し、唐突に死刑の判決を言い渡されることとなったのです。この点でも何かしらの村からの力が働いたのではないかと噂されています。

第2審では奥西勝に死刑判決

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そして2回目の裁判によって男性の死刑判決が確定することとなります。その後もちろん男性はこの判決に関して不満を抱き、再審の為の請求を行いますが、なぜかこの裁判は裁判所によって却下されてしまいます。

その後、男性はこのぶどう酒による殺人事件の裁判について何度も請求をするものの、事件の現場に男性一人が10分間にわたっていたことから犯行は十分に可能だとして再び裁判を行う必要はないという点や男性の自白が確証となったとされています。

亡き奥西勝に代わり岡美代子が再審請求

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この後男性は長い服役生活によって肺炎にかかってしまい、自分の無実を証明することなく亡くなってしまいます。そして男性の遺志を継ぐために男性の妹や為に立ち上がった弁護士などを中心に裁判活動を行っていくこととなります。

その後も妹によって10回目の再審の為の手続きを行うなどしていましたが、これに関しても裁判所は却下の申請を出しています。数多くの不審な点、不可解な点や脅迫によって自白を強要されていたという可能性と共に現在も裁判は続いています。

名張毒ぶどう酒事件が冤罪を疑われる理由①自白内容と村人の証言の不審点

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ここまでこの事件の内容、そして裁判や男性に関しての情報を見ていきましたが、この中には時折触れたようにこの男性が犯人ではない可能性も示唆されています。ここではこの事件の犯人が実は違うのではないかといった点について見ていきます。

ぶどう酒が出ると決まったのは当日

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まず第一にこの事件の犯人がこの男性ではないと言われている理由が、男性が自白した内容と、事件が起きる当日の内容が矛盾しているという点です。まずぶどう酒が配られる事が決まったのは会の当日と言う点が矛盾しています。

男性の自白した内容によれば、今回の事件を10日も前から準備していたと話しており、事件を起こす前の日の夜には毒物を入れる為の竹筒を作っていたと話しています。この時点で当日に決まったぶどう酒に毒を入れるという事は計画にないはずであり、明らかに矛盾しているのです。

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このように最初の裁判の時点で男性の話した証言との食い違いが存在しており、別の誰かが前もってぶどう酒を発注していたことを知っており、そこに男性を陥れる為に毒物を仕込んだのではないかといった噂が浮上し、矛盾点の非常に多いものとなってしまいました。

2時間で変わった村人の証言

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また、もう一つこの事件の中で疑問に思われている点が、証言者の話す内容が非常にあいまいなものであり、またかなりの頻度でその内容が変わっているという点です。この証言の変わる内容が日をまたぐごとに変化するという不振さもこの事件が冤罪だと疑われている理由の一つなのです。

まず最初に男性の元にブドウ酒を運んできた人物の証言では昼過ぎの15時ごろに発注されたお酒を運びに行ったと発言していました。しかしながらその後の発言の中では17時頃と内容が変わっており、2時間もの時間のずれが存在しているのです。

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この話した内容は裁判の中でとても重要な意味を持つものであり、もし17時より後にお酒があったという事ならば、そこに毒物を入れることが出来るのは男性だけという事になるのです。こういった唐突な証言の変更という点も、この事件で怪しいと考えられている点であり、村の権力者によって証言が書き換えられた可能性すら存在するのです。

名張毒ぶどう酒事件が冤罪を疑われる理由②警察が自白させた疑い

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ここまでこの事件について怪しいと思われる点について見ていきました。ではここからは2つ目の理由として警察が事情聴取の中で男性に対して自白をさせるように強要させていたのではないかといった噂について見ていきたいと思います。

取調べの供述調書が17通も作られている

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ではこの事件で男性が犯人ではないと疑われる理由の二つ目として挙げられるものとしてこれまでも何度か述べてきたように警察による取り調べの際に、自分が犯人だったという事を言わせるように強要させたという疑いがあるのです。

特にその疑問を強調させるかのようになんと供述の調書が10通を軽く超えているという点もあります。これは取り調べの際にその内容が異様なほど乾ているということの裏返しであり、この事からも脅迫がないとはとても言い切れないという事が推察されるのです。

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これらの事も相まって、このぶどう酒に毒物を混ぜて殺人を行ったという事をこの男性に脅迫させて犯人だと言わせた可能性は高いと考えている層は現在もなお一定層存在します。事件は今もなお不明な所ばかりを残しています。

犯人を断定し証拠を集めた

そしてもう一つこの事件に関して不振だと考えられる点として、この事件がそもそもこの男性を犯人だと決めつけて証拠を探していたのではないかと考えられる部分が非常に多いという事です。つまり証拠が後から付け加えられて造り出されたという事です。

まずこの事件内で最も確証の高い証拠として提出された男性の歯型のついているものとされるぶどう酒の瓶の蓋についてですが、これも最初の裁判内では男性の者だと断定することは無理があるとされていたのにもかかわらず、2回目の裁判内ではなぜか唐突に断定をされてしまっているのです。

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これらの不可解な点から、証拠として裁判内で用いられたこの蓋は事件よりも前に捨てられていたものを誤って採取してしまったのではないかとも考えられているのです。これでは警察の過失になってしまうという事からこじつけのような形でこの蓋を証拠として提出した可能性が高く、この事からも男性の冤罪の可能性は高くなってきたように見えます。

日本の毒殺事件についてもっと知りたい方はこちらの記事もチェックしてみてください。

名張毒ぶどう酒事件が冤罪を疑われる理由③裁判所が警察に肩入れ

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このように様々な不可解な点を今もなお残しているこの事件ですが、さらに男性が犯人ではないと考えられる理由の一つ、裁判所が警察の手助けをし、男性を犯人に仕立て上げた可能性があるという点についてここでは見ていきたいと思います。

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