ナトロン湖とは?動物たちを石化させる湖?
赤い色を放ち、そこだけ別世界の光景が広がり化石のような動物たちの姿が、見るものの心を奪う謎の湖、それが「ナトロン湖」です。季節によってその不思議で独特な色が浮き彫りになり、どこか異次元のような空間を感じ取るかもしれません。
その湖には隠された理由がいくつか挙げられるのですが、一体何でしょうか。そこに潜んでいる秘密について、謎に包まれた神秘的な湖に迫ってみましょう。
アフリカ・タンザニア連合共和国にある「ナトロン湖」
怖さをも潜んでいるナトロン湖はどこにあるのでしょうか。その湖は、アフリカ・タンザニア連合共和国と、北側はケニア共和国の境に位置する、グレート・リフト・バレーと言う谷底の一帯にあります。
アフリカ大陸だけに、1年を通してみると乾季と雨季によってかなり湖の大きさに変動がありますが、最大でも60km未満、幅20kmほど、水底はと言うと3mにも満たない浅い湖なのです。2001年には湿地を保存し生態系を守ることが目的のラムサール条約に指定されています。乾季には特に湖底が赤く染まっていることからマグマのような見た目をしているのです。
ナトロン湖の水に浸かると石化してしまう?
ナトロン湖は、溶岩を思わせるように赤い色をしていますが、実際触れると溶けてしまうのでしょうか。それとも腐食してしまうのか、何か秘密が隠されていることは確かです。実はその秘密とは、動物が浸かると石化してしまうと噂されていることに繋がっています。
確かに、その姿は写真を見ても明らかなのかもしれません。どうしてそのような不思議な現象が起きてしまうのか、謎に包まれた実態は湖自体にあるのです。
炎の湖!ナトロン湖はなぜ赤いのか?その理由について紹介
動物が石化するという噂の実態が湖自体にあるとしたら、どこに隠されておるのでしょうか。様々な要素が含まれていることで不思議な湖の全貌について、噂は事実なのか確かめると意外な答えが見つかるでしょう。赤く染まった湖に映し出されるのは、幻想的な光景です。
別名は「炎の湖」!真っ赤な湖として有名なナトロン湖
ナトロン湖はマグマのように赤く、別の呼び名で「炎の湖」または「死の湖」ともされ、有名になっています。触ったら溶けてしまうかもしれない、石化するかもしれないと感じてもそうならないのは、湖自体に潜む「原因」があるからです。
様々な目線から見てとっても別名があるほどですが、聞いただけで怖い印象を持つでしょう。噂だけの湖ではなく実際に存在しているのことは事実で隠されている驚くべき「原因」も明らかになることは間違いありません。
ナトロン湖に住む微生物の繁殖期に赤く染まる?
ナトロン湖が赤いとされる、その隠された答えはどこにあるか紐解いてみましょう。「原因」とされる湖には、そこに住む微生物「スピルリナ」という「藻」の繁殖期に重なっているのです。
乾季になると訪れる現象が、藻の繁殖期と重なっていることが物語っていると言って良いでしょう。乾季になると異常に繁殖している藻ですが、雨季に比べて乾季はスピルリナの繁殖と重なりより一層赤みが増すのです。
動物が石化する?ナトロン湖に隠された秘密とは
ナトロン湖では藻の繁殖によって赤いことが分かりますが、では動物が石化すると噂されるのはなぜでしょうか。そこには「石化」というキーワードによって事実が曲げられているからです。赤く燃えるような色、そしてそのままの姿で不思議と固まっている動物は一体なぜか、魅力的ですら思えることは確かでしょう。
ナトロン湖の秘密①強塩湖
そもそもスピルリナだけで赤くなり得るのでしょうか。ナトロン湖は水が外部へ流れないまま溜まることで、海水の塩分が3%にも関わらず、川からの流れの源は海のため溜まった湖の塩分濃度はなんと8%と高いのです。そこに藻が大量繁殖するので、湖は真っ赤になってしまいます。「強塩湖」と化してしまう結果になってしまうのでした。
ナトロン湖の秘密②石化現象
水質の関係が分かったとはいえ、藻の繁殖だけでは石化現象には繋がりません。「石化」してしまっているというのではなく「石灰化」しているのです。そもそも石化は物語などのフィクションの材料で、例えばですが伝説のメデューサのように、見たら石に変えられることを指します。
特別な超常的、不思議な現象があるのではないのです。理由があり、実際にはあり得ない超常現象がここだけに起こっているのではありません。
実は石化ではない?石化と石灰化の違いについて
「石化」ではなく「石灰化」とは言っても違いは分かりにくいでしょう。石化があり得ないとしたら、石灰化はどうでしょうか。塩分の塊になったというソーダの結晶と炭酸ナトリウムによって、ミイラ化と同じ工程を辿って石灰化するのです。
そのままの形で固まって生きた姿で固まってるのは、成分が関係する石灰化によってなり得ると言えます。ミイラ化する過程を辿ると「死の湖」という名もあるのも、見て取れるかもしれません。
その他人類未踏の湖に興味のある方はこちらもご覧ください。
数々の動物を石のように変えたナトロン湖!人間が触れるとどうなる?
怖いものほど触ったりしたくなるのは、誰の心にも芽生えることでしょう。実際触れて見たらどうなるのか、興味を抱くかもしれません。恐ろしいという思いがあるかもしれませんが、現実に目にしたらどうでしょうか。または思わず、見入ってしまうかもしれない不思議な空間が見て取れるでしょう。ただし、それでも近づけない雰囲気を醸し出しているのです。
触れても洗えば大丈夫?石鹸と同じくらいのph値のナトロン湖
様々な過程を踏まえれば、怖くないと感じるでしょうか。木や木陰などが周りに見当たらないことからも、どこか恐ろしさを感じるかもしれません。ph値を考えて見てみると、実はアンモニアと同じくらいの9〜10ほどということが判明します。
「だったら触れても洗えば落ちる」くらい石鹸が9〜11なので、弱酸性で安心ではないか感じることでしょう。問題はph値だけの判断で考えてはいけないことにも、注目してみると良いかもしれません。
それでもナトロン湖には触れてはならない
理由がはっきりすれば触れても問題がないように思われるかもしれません。そこには成分に潜んでいる恐怖があります。その怖さは50℃にもなる炭酸ナトリウムが関係します。肌が溶けてしまうほどの高温で強度なナトリウムは近づくと、とても危険なことが言えるでしょう。
またもう一つに実はとても希少な場所でもあり、存在が大切なところでもあるのです。触れてはいけないともされている理由があり、希少な場所も関係しますが、自然保護だけではありません。どこか近寄りがたい光景は、まるで危険をも促しているのではないでしょうか。
動物を硬化させる赤い湖・ナトロン湖!他にはどんな特徴が?
そこだけ別世界の空間のようになっている、何とも言えない不思議さが漂うのがナトロン湖。動物を硬化させることが一つの理由に言えますが、特徴はそれだけでしょうか。どこか熱さすら感じさせる湖にはその他にも近づくこと拒む理由があります。
ナトロン湖の特徴①渦のような模様
赤く石灰化する異次元空間のような場所でもあります。どこかフツフツさせているような、渦のような模様も特徴に挙げられます。元は火山灰からできている湖なので、ミイラ化でも触れたようなソーダ成分が渦を生み出しているのです。ソーダ成分である炭酸ナトリウムによって、炭酸水のような泡、つまり渦状になっていると言えます。