ナトロン湖とは?動物を石化させる湖、その原理や湖面が赤い理由など紹介

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近づくことを拒んでいるのは、それだけの理由ではありません。触れてはいけない理由にも挙げたように、強いアルカリ性を帯びているので強烈な臭いを発しています。アルカリ性が蒸発することによって、強い臭いを発しているナトロン湖自体が来ることを拒否しているように警告を出しているように感じるかもしれません。

ナトロン湖の危機?やがては見れなくなってしまう?

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決して触れてはいけませんが、石灰化の姿を見てみたいと思うこともあるでしょう。近づくことも辞めた方が良いのですが、現在危機的状態にあることも伺えるのです。

ところがいずれ見れなくなってしまう、という話もありますが、その原因とは何でしょうか。不思議な場所だからこそ、謎深きまま見れなくなることは悲しいのが実際のところでしょう。

赤道直下という過酷な環境下に存在するナトロン湖

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アフリカ大陸の中でも、赤道直下ということもありいずれは消えてしまうのではないかとも言われています。流れることがないので、流れることなく溜まったままのアルカリ性によって徐々に蒸発してしまうかもしれません。

また、ナトロン湖へ少しずつ淡水が流されていることも危機的とも言われています。バランスが保たれていないことが致命傷になっているのでしょう。

砂漠化によって縮小するナトロン湖!消えてしまう日も近い?

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徐々に干上がってしまうことで砂漠化してしまいます。現在少しづつ姿が失われつつし始めているのですが、対策として淡水を流さないように堤防も設置しているものの、なかなか効果が見られないことも事実です。このままでは、いずれ砂漠のように草原化する日も近いのではないか、消えてしまう日も近い灯されているのが現状と言えます。

ナトロン湖の石化動物を有名にした写真家「ニック・ブラント」

ナトロン湖の石化動物の写真を世に出し、有名にした写真家の名は「ニック・ブラント」です。ほとんど顔を出さず、あまり知られることのなかった彼の動画はこちらになります。神秘の湖の写真を撮った写真家は何を語るのでしょうか。

ナトロン湖を生息地とする動物とは?

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恐ろしいイメージはありますが、全く動物がいないわけではありません。恐ろしいイメージを持つ湖ですが、生息している動物の姿があります。生息地とする生物がきちんといるのですが、一体どの姿でどんな状態でいるのでしょうか。

ナトロン湖の動物①フラミンゴ

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ナトロン湖にも、きちんと生息地にしている生物がいます。その動物こそフラミンゴ。藻である赤いスピルリナなどを食べるのです。赤い藻を食べていることからフラミンゴは赤色をしていて、実はエサがなくなってしまうと白くなってしまいます。

動物園で見るフラミンゴは、βカロチンを含むエサが与えられているので赤みを帯びているのです。貴重な存在である自然のフラミンゴにとっても、大切な湖であることが分かります。

ナトロン湖の動物②唯一住む魚「オレオクロミス・アルカリクス」

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藻がありますが、健気に生息している生物が実はいるのです。「死の湖」ともされることに影響されず、住処にしている唯一の魚がいます。

その名もカワスズメ科にも属する「オレオクロミス・アルカリスク」という魚だけがいるのです。高温・塩水などの変化にも対応しているという、珍しい種類と言えるでしょう。

ナトロン湖のナトロンとは?

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そもそも「ナトロン」とはどういった意味なのでしょうか。遡ること古代エジプトでは石鹸や死者をミイラにする際に、脱水目的で使われた「ソーダの重炭酸塩」のことであり、自然が生み出す炭酸水素ナトリウムをそのまま表した名前です。

ナトロン湖の名前には、石灰化する意味が込められていたことが分かります。古代に遡って見るとなおのこと魅惑の湖に感じるかもしれません。

その他の古代生物に興味のある方はこちらもご覧ください。

死の湖、ナトロン湖と元々一つだったマガディ湖は温泉天国?

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ナトロン湖が姿を消しつつある一方、100万年ほど前まではケニア南西部のマガディ湖と同じ巨大な湖として一緒だったのです。2つの湖は1つでしたが、今では様子が全く違うことになっています。

現在ではマガディ湖は火山が近いことから高温を利用し、温泉でしかもキャンプができる場所、マサイ族に会えるところとしてナトロン湖とは別々になっているのです。同じ点はフラミンゴが渡来することですが、「死の湖」と「温泉」に分かれているギャップは面白いかもしれません。

ナトロン湖だけじゃない世界の珍しい湖

世界にはたくさんの湖がありますが、中でもその色合いが珍しいとされる存在がアフリカにもあります。どこにあってどんな湖なのでしょうか。

塩分が海水の10倍のレトバ湖

塩分が海水の10倍のレトバ湖アフリカ西側にあたる、セネガルにあるレトバ湖。海水の10倍、浮き上がってしまうことで、しかもパリ・ダカール・ラリーのゴール地点としても知られている場所にあります。たくさんの塩が採れるので、収穫は多いとされている湖とされているのです。

バクテリアでピンク色のレトバ湖

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海の10倍の塩分とされていますが、ただの塩分だけではありません。その塩分は死海の1.4倍で、バクテリアによってピンク色に染まっているため別名「ラック・ローズ」です。またミネラル豊富なことから塩分を求めて、常にトラックいっぱいの塩が持ち出されています。珍しい湖といって良いでしょう。

ナトロン湖は動物を石化させる赤い湖!

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ナトロン湖の動物たちが石化などではなかったこと、湖は微生物である「藻」によって赤いことが分かります。面白いから見てみようと思うかもしれませんが、行って見るとしたなら事前に注意事項を確認しましょう。写真だけで楽しむこともまたおすすめと言えるほど、大切にしなければならない場所でもあります。

または写真からも見受けられるように、誰をも近づけない雰囲気を醸し出しているのかもしれません。ただ赤いわけでもなく、見るものに心奪われてしまうほど神秘的で、どこか魅力すら感じる湖です。アフリカの赤道直下に行くことは難しいとしても、なぜか魅入られてしまうのはなぜなのでしょうか。

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そこにはまさに「神秘」という言葉がふさわしいのかもしれません。どこか誰も寄せ付けない湖は強烈な炭酸ナトリウムなので、近づきたくとも寄れないことが現状なのかもしれません。

いずれは消えてしまうかもしれない貴重な湖を、行けなくてもニック・ブラント氏の写真からその赤い湖の姿を見ることもまた楽しいのではないでしょうか。

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