ウーパールーパーは成体にならない!
この生き物の名前を聞いて、最初にどんな姿を想像しますか?多くの人はピンク色で、目がつぶらで、頭から角のようなものが生えた可愛らしい姿を思い浮かべるのではないでしょうか。しかしこれは厳密に言うと大人になった姿ではないのです。
実は、彼らは一生を幼体のまま過ごしています。カエルに例えるならばおたまじゃくしのまま大人になってしまったようなイメージです。この記事では、彼らが成体になった場合の姿や成体にさせる方法、飼い方などを紹介していきます。
尚、こちらの記事は成体についての話題を中心に展開しております。基本的な飼育方法や特徴などについてはこちらの記事を参照してください。
ウーパールーパーが成体になるとこんな姿に!
輸入された当初はさほど人気もなかったのですが、1980年代にテレビで一躍有名になってからは大人気となった彼ら。魅力はなんといってもとぼけたような表情や小さな手足といった可愛らしいフォルムにあります。しかし、冒頭で書きましたようにこちらは成体ではありません。では、彼らは成体になったら一体どんな姿になるのでしょうか。
エラや水かきがなくなる
まず前提として、彼らがもしも成体になった場合は水生生物ではなく陸生生物となります。つまりエラも水掻きも必要ないためなくなってしまいます。因みに顔のまわりに生えていた角の正体はエラで、水の中で酸素を取り込むために必要だったものです。よって、トレードマークだったあの角もなくなってしまいます。
サンショウウオのような姿
全体的な見た目はサンショウウオによく似ています。もともとサンショウウオの仲間で、遠い昔に枝分かれして進化したと言われているため、似ているのも納得です。サンショウウオがそうであるように、陸上で生きるための厚い皮膚と瞼が作られ、儚げな印象がなくなります。
ウーパールーパーは幼形成熟(ネオテニー)
このように、幼体のまま大人になり寿命を全うする生物のことを幼形成熟(ネオテニー)と呼びます。体は幼体のままですが生殖機能だけが発達していくという成長の形で、多くは昆虫などに見られます。同じ両生類であるカエルはおたまじゃくしから変態する生き方を選びましたが、その真逆の生き方を選んだという事です。
幼体のまま成長する
名前だけを聞いて私達が咄嗟に想像する姿は、恐らくほぼ確実に幼体です。子供の体のまま生殖機能だけが発達し、繁殖は出来るように成長していきます。繁殖機能は幼体であっても差し支えなく、子孫を増やすことができます。
寿命を延ばすために成体しない
彼らは敢えて成体しないように進化を遂げてきました。それは陸上で生きていくのが困難であったからと考えられています。小さな手足は陸上を歩き回るのに適さず、肺呼吸の方がより肺に負担がかかります。
実際、成体化に成功しても多くは幼体のままでいるより早く死んでしまいます。飼育下では8年ほど生きるところ、成長させてしまうと5年程度に縮んでしまうとも言われています。そのため野生では一生子供の姿のまま、つまり水生生物でいる事により寿命を延ばそうとしたのです。