スマイリーキクチ中傷被害事件!ネットで殺人犯にされた10年間と現在

驚くことに検挙された人達に一貫性はありませんでした。北は北海道から大分県まで広い範囲に渡り年齢も性別もバラバラでした。中には未成年の17歳、女の中には妊婦まで含まれているとされ、精神の病に侵されている可能性がある人も見受けられたようです。

犯人の一人には一回目の相談で突き止めた大学の大学職員もいたことが明らかにされています。取り調べを担当した刑事は普通の人と言う印象を受けたのが大半で、犯人同士はおろか実際に彼と接点を持つ人は一人もいませんでした。

正義感で中傷したという人も多かった

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中傷犯達の動機は様々でおもしろ半分で書き込んだ1名を除きキクチ犯人説を信じ込んで書いたものが8名いました。しかし、根拠がないことを知らされると段々と根っこの部分を吐き始め、ネットや本に騙されたや私生活の捌け口としての行動と、真の動機も見えてきました。

後に彼も、正義感をかざして書き込む内容ではない、またそれが事実無根と分かるとやっと本当の動機について話し始めたことから「正義感の皮をかぶせて正当化していた」と中傷犯に対しコメントしています。

7人の中傷犯が書類送検

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2009年3月までに7人が警察に引き渡されました。その中には殺人事件をいたずらに茶化し、殺人事件の被害者もターゲットにしていたとの事で発端である事件を知っている人は憤りを隠せませんでした。この7人の容疑はいずれも脅迫罪と名誉毀損でした。

スマイリー中傷殺害事件⑧2009年2月5日一斉にメディア報道

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ここまできてやっとマスコミや新聞、メディアが彼の事件に注目しました。「誹謗中傷のでの犯人一斉摘発」は警視庁によると今までにないくらい日本では珍しい事でした。まだまだインターネットの非難、中傷には関心がなかった日本ですがその裏には韓国で起きた事件も関連していました。

ネット中傷被害は韓国でも問題視されていた

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今回の事件が明るみに出る前に韓国では芸能人が相次いで自殺していること、その原因の一つにネットにおける中傷とであると報じられている出来事がありました。「日本でも起こりうる問題」として取り上げられ大分時間はかかりましたが報道機関で大きく取り上げられました。

現在の韓国でもネット社会でのバッシング問題は深刻化をたどっており、自殺にまで至ってしまうのは韓国の国民性の問題でもあるという意見もあります。完璧主義者で人にどう思われているか気になる国民性、日本も似たような国民性を持つためこれからもっと重要視されることでしょう。

韓国での被害者

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2007年1月に歌手のチェ・ユニンさんが首をつって自殺、2月女優のチョン・ダビンさんも自殺。ネット上で書かれた整形手術疑惑などで精神的に参っていたと明かします。2008年9月にタレントのアン・ジェファンさん、10月に女優のチェ・ジンシルさんも相次ぎやはりインターネットの中での中傷事件として注目を集めました。

韓国の芸能人の自殺も後を立ちませんが、日本のアイドルで自殺未遂をしてなんとか命はとりとめたもののその後大変な出来事になることもあります。自殺するほどに追い詰められた結果の事で、当時は波紋を呼びました。興味がある方はこちらの記事もご覧ください。

コンクリ事件とは無関係を証明、中傷書き込みが激減した

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この報道で警察が改めて彼と殺人事件は関係ないことを発表し、彼への誹謗中傷は大きく激減しました。この後、マスメディアから取材を受けることはありませんでした。思わぬ形で殺人事件が世の人に知れわたる事になり、事件関係者への配慮と売名の為に行ったと思われるのを嫌ったのです。

スマイリーキクチ中傷被害事件⑨不起訴処分の決定

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その後事件に進展は見られなかったが民事訴訟は金額面や時間がかかることで見送り、検察の結果を待つことにしました。2009年11月に事件の進捗状況について確認しても検察側からは耳を疑う言葉が返って来ます。「全員不起訴処分にするつもりです」理由は全員が反省し、すでに彼に謝罪済みと皆が口をそろえて言うとの事。

謝罪を受けていないと彼は誤解を解くため直接面談に向かうも検察側からは心無い言葉しか返ってこず、段々検察に期待はしなくなりました。そして2010年1月に7人すべて不起訴処分が正式に決定したのです。

中傷犯の誰からもスマイリーキクチへの謝罪はなかった

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検察側には中傷犯達は「すぐに謝罪する」等と述べておりそれを鵜呑みにした検察は事の重大さに気付いてない様でした。「キクチが否定すればやらなかったと思う」「インターネットを見なければ問題がない」「謝罪がほしければキクチの住所や連絡先を教えて欲しい」など、最初に相談した時と全く同じ様な対応でした。

判決を受けた今現在でも誰からも謝罪がないとしています。摘発されても反省の弁を述べるだけで許されてしまうのであれば一体どこが彼らに対して事の重大さを理解させることが出来るのでしょう。

「できることはやった」検察の決定を受け入れた

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判決を受けた段階ではすでに検察に期待をしていなかった彼はすでに割り切っていた事から検察側の決定を受け入れました。「自分の無実を証明するためにできることはやった」と彼は語ります。ここまでの時間をかけて得られたものは彼にしかわかりませんが確実に多くの時間を無駄にしました。

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