トランス状態とは?様子の詳細や概要、なり方や活用方法を紹介!

アルファ波が多く出ることで人間はリラックスしますが、アルファ波の働きだけでは単なるリラックス状態に過ぎません。そのため、同時にシータ波の増幅も必要になります。また、シータ波には集中力を高める働きもあります。

そのため、2つの脳波が増幅した状態が作り出されることによって、アルファ波のリラックス作用により普段の緊張状態を解き、シータ波によって集中力が高まった状態になります。そのため、リラックスしていて、かつ意識ははっきりあり、通常とは異なる意識状態へと変化し思考や判断をしていない状態が作り出されるのです。

トランス状態の宗教的な例

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見えない何かに乗り移られている状態で神託を告げる、といった描写はホラーやオカルトに興味がある方はフィクションで目にしたことがあるのではないでしょうか。実は、実際の世界でもトランス状態の特性を活かしていると思われる宗教儀式は、世界各国で多くみられます。ここでは、その代表的な例として2つの事例を紹介していきます。

トランス状態の宗教的な例①シャーマン

西アジア地方で多く見られる「シャーマン」について説明します。シャーマンとは、シャーマニズムに基づき、神性な存在や精霊、または死者などの霊的な存在と交流する呪術師のことを指します。また、シャーマンになる方法としては2パターンがあり、それぞれ召命型、修行型と呼ばれています。

シャーマンの交霊方法には、特殊な儀式用のモノを火に注ぎ、そこから発せられた煙を吸う方法があります。その特殊な行為を通して、自分の意識が介在しない状態で超常的な存在と交流しその言葉を伝えます。

トランス状態の宗教的な例②イタコ

日本の東北地方でみられ、主に盲目の女性が務めている呪術師のことを「イタコ」といいます。青森県の恐山のイタコが有名なので、何らかの媒体で名前を聞いたことがある人は多いと思います。イタコは、シャーマンのように妖精との交流は行わず、主に死者の霊を口寄せする呪術者のことを指します。

イタコは、口寄せの儀式を行う際には、儀式用の祭壇を用意してその前で特殊な呪文を唱えトランス状態になることで、自身に霊を降ろし、こちらも自分の意識が介在しない状態で伝えさせる方法で降霊を行います。

祭りは集団でトランス状態になっている?

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時節の折や祝い事の際に催されているお祭りは、誰もが一度は参加したことがあるはず。祭りは、身近に味わえる非日常的な行事であり、参加者全員の意思が高揚しているという特殊な場です。普段は物静かな人でも、ついついはしゃぎすぎてしまうという経験をしたかたも多いのではないでしょうか。

”雰囲気に呑まれる”、または”場酔いする”という言葉もある通り、集団での熱狂は一種の催眠的な要素を持っています。その熱狂的な盛り上がりにより、周囲の人間の興奮状態の相乗効果によって、集団的なトランス状態が引き起こされると言われています。

トランス状態の活用例

正しい手順を踏むことで、トランス状態は日常生活の様々なことに活用することが出来ます。最近では認知度も上がり、医療分野やスポーツ分野でも活用例がたくさんあります。リラックスし、集中力を高める必要がある分野ではすでに取り入れられている方法なのです。

トランス状態の活用例①リハビリテーション

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活用例の1つとして、医療現場での「リハビリテーション」への活用があります。トランス状態における意識状態は、瞑想や禅を行うことで引き起こされるものによく似ています。そのため、怪我をした患部に意識が行き過ぎて、普通の動きがぎこちなくなってしまうことを防ぎ、より自然な状態でリハビリテーションを行うことができるとされています。

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