シナリオライター虚淵 玄が創作し小学館サンデージェネックスで人気を博したアニメシリーズ。パチンコやパチスロになるほど注目を集めている。アンダーグランドな社会での暴力的で卑猥な表現が頻出するが、そこには多くの海外スプラッターなどを参考にしていると思われるシーンも多い。なかにはスナッフフィルムそっくりな場面もあります。
作品②「8mm」
1999年にアメリカで発表された映画。ニコラス・ケイジ主演。あるセレブの死後に金庫から女性が殺されるシーンを写した8mmフィルムが発見されます。そのフィルムがリアルかフェイクかを調べるのがニコラス・ケイジ扮する探偵。ポルノやスプラッターに詳しいマックスの力を借りて真実を暴き出すストーリーです。
作品③「殺しのVTR」
1984年に発表されたデヴィッド・リンジーが書いたミステリー小説。警察を舞台とし、スナッフフィルムをモチーフにした推理小説でもあります。凄惨で残酷な描写ももちろんですが、精神分析学などを持ち出した独特で深みのある心理描写にも定評があります。
Contents
トーマス・エジソンもスナッフフィルムを撮影していた?
電気や映画(キネトスコープ、シネマトグラフはリュミエール兄弟)などを発明した発明王エジソン。実は幽霊探知機など奇妙奇天烈な発明も多いのです。そのなかでも、ホラーやスナッフを作り出していたことは注目に値します。画像の歴史はスナッフの歴史であるといってもいいのです。
メアリー女王の処刑
発明王エジソンはホラーも最初に作りました。世界で最初のホラーといわれる「悪魔の館」です。この動画のなかでは奇妙なことは数多く起こりますが、人殺しはありません。でもその前年の1895年、同じ監督の手によって、トリックを駆使した殺人シーンが映像として完成されていました。それがこの動画です。
首吊りの映像
「メアリー女王の処刑」を制作した後に、エジソンは実際に絞首刑にされる男の様子をフィルムに収めています。動画は実際のものではなく、同内容の古いフィルムです。都市伝説などではなく、映画はその生まれた瞬間からスナッフフィルムという要素を含んで発展していたのだと納得できます。
像の感電死映像
首吊り映像を発表したのと同じ年に、エジソンは世界で最初のアニマル・スナッフフィルムを発表しています。それは、大きな像が電気ショックで息絶える記録です。この映像はかなり衝撃的で、モラルに反しているものですからご覧にならなくてもいいですが、人類がこういう残酷なことを見たいという欲望を持っていたことは確かです。
実際の殺人が録画・記録された事件
スナッフフィルムも、リアルに殺人が記録され販売されたとなると殺人事件です。しかもこの手の嗜好や目的を考えれば連続殺人に結びつきます。とても恐ろしいことです。もっと恐ろしいのは、私たちはどこかで怖いもの見たさで、見てしまうことです。けっしてこんな世界に興味を持ちすぎないようにしてください。
ロシアで押収されたスナッフフィルム
ディミトリ・ウラジーミロヴィチ・クズネツォフ.。その名前が世界中で話題となったのは2000年のことです。その男は元自動車整備士。イギリスなど欧州各国のネットワークを持ち、膨大な数を販売。イタリアでは3000本以上押収された。なかには性的虐待も多く、なかには死に至らしめるスナッフフィルムも存在したのです。
レイク・イングの連続殺人事件
1985年逮捕されたレイクとイング。彼らは核シェルターを作り、そこに女性を拉致してはレイプや拷問を繰り返し、飽きると虐殺。その様子をスナッフフィルムに収めていました。死体は埋めるか、スープにして飲んでいたのです。母子ともに犠牲になった人もいます。その数25人。レイクは拘留中に自殺しました。
ウクライナ21
ドニプロペトロウシク・マニアックス。ウクライナのドニプロペトロウシクで起こった事件は世界中でそう呼ばれています。女性や子供、老人やホームレスという弱い立場の人々が21人、次々に襲われて頃ざれた。実行犯は少年2人。事件のあったのは2007年の6月から7月の短期間。しかしその後動画がネットに流出したのです。
殺人が撮影された事件は日本でも!?
日本でもテレビのニュースに殺人が写されてしまったことがあります。年配の方に聞いていただければ、覚えているでしょう。大変ショッキングなニュースでした。また最近ではニュースで自粛するような映像もSNSなどによって流出してしまうこともあるのです。この傾向はますます加速されると予想できます。
豊田商事事件
昭和60年6月18日。普通にニュースを見ていた全国の一般市民の目前に、豊田商事会長の永野一男宅に窓を割って乗り込む犯人、カーテンに飛ぶ血しぶき、運ばれる永野会長の姿、とリアルな報道が流れました。NHKニュースでは「子供には見せないで」と慌ててアナウンス。詳しくはこれらの記事も参考にしてください。
豊田商事事件については、こちらの記事に詳細がありますので、こちらもぜひご覧ください。
シージャック事件
ぷりんす号シージャック事件とも呼ばれる、1970年5月12日から13日にかけて瀬戸内海で発生したフェリー船のっとり事件です。殺人や強盗を繰り返した猟銃を持つ少年2人がフェリーに逃げ込み、船を乗っ取りました。警察が主犯格の少年に発砲し殺害することで、乗客を助けたニュースはTVで放映されました。
名古屋・栄殺人事件
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記憶に新しい2019年5月29日、名古屋の繁華街栄で、男性が胸を刺され頭からも出血していると119番に通報。後にこの男性は死亡が確認されました。しかし、この惨劇をSNSで拡散した人がいて不謹慎だと炎上しました。最近こういった内容の投稿や炎上が増えてきています。
日本人が異国で出会った女性を殺して食べる。センセーションを巻き起こした事件は、フィルムというカタチではなく、執筆という映像よりさらに主観的な描写で記録されています。まずは事件について知りましょう。
タイで盛んな死体文化を発見
アチャーガム、191、ブアンラン・カーオ.。何のことでしょう。これらは、タイに存在する死体雑誌です。事故死、殺人、水死、ありとあらゆる雑誌が並ぶ雑誌なのです。そのため死体がでると人々はこぞって写真を撮影して売るということです。タイには死体パンも存在します。生と死、輪廻思想が一般的な仏教国がなせる不思議な文化です。
古来からあるリアルな死の記録
人は必ず死にます。それは等しく誰にとっても1つの恐怖です。どんなものなのだろうと考えます。立派な人が亡くなれば立派な死に様だといい、自分もそうありたいとも思います。記録に残したいとも思います。もしかしたら、こんな思いもスナッフフィルムが作られ続ける1つの要因かもしれません。
デスマスク
写真や映像の技術がなかった時代には、人類はデスマスク、つまり死んだときの顔を残すことで死を記録していました。古くはツタンカーメンやシーザー(カエサル)などから始まり、17世紀にはかなり一般的になりました。死者を弔い記憶に残すため、記録や法医学のため、また、死体の身元を捜すためにもデスマスクは作られました。
もちろん趣味嗜好で作られたデスマスクもあります。骨相学や考古学、考古学では現在にいたっても作られているようです。もしかしたらスナッフフィルムともなるとリアルすぎって残酷にすぎますが、恐ろしも荘厳な死だからこそ記録したいという欲求は、古くからあるのかもしれません。
夜と霧
アンネ・フランクの「アンネの日記」と並び評される人類が忘れてはならないホロコーストの記録です。ただし「アンネの日記」は子供でも読めますが、こちらはちょっと。大量殺戮、貨車で運ばれる死体の山、人の皮膚で作ったランプシェードなど、ホロコーストの現実を記録している1冊です。
死に様はいつも話題になる
記録したか否かは別として誰かが亡くなると必ず死に様は話題になります。弁慶の立ち往生ではありませんが、俳優の緒方拳さんは、閉じさせようとする目を見開き、最後の10分間は虚空を睨んだまま逝ったといいます。樹木希林さんにも逸話があります。
終末治療の際、医者が同席している浅田美代子に席をはずすようにいうと「あなたは女優なのだから、全部見なさい」といって自分が治療される姿を見せたといいます。他人の生き様、死に様は常に多くの人の興味の対象になるのです。
残虐なシーンが及ぼす悪影響
連続幼女殺害の宮崎勉事件や少年が連続猟奇殺人を起こした酒鬼薔薇事件などの例を挙げるまでもなく、猟奇的な殺人事件が起こると必ず、どんな環境で育っていたかとか、周囲で動物虐待の事件がなかったか、が取り上げられます。では、残酷な映像が及ぼす影響とはどんなものなのでしょう。
暴力や非行に走りやすくなる
専門的には脱感作効果という言葉があります。つまり、幼いうちから残虐なシーンを見ると、残虐さに対する抵抗がなくなってしまうのです。暴力的な環境で育てば暴力に対する抵抗がなくなり、暴力的な大人になってしまうのと同じことです。実際に暴力的な映像を多くみている子供のほうが、やられたらやり返す、倍返し、という意識を持つようです。
ネガティブな気分に陥る
残酷な映像やニュースを見る。それも被害者の感情に移入できればできるほど、人はネガティブな気分に陥ってしまいます。いわば躁鬱の状態を作り出してしまうのです。例えばテレビでも東日本大震災の映像を流す場合に「津波の映像が流れます」などと字幕で注意喚起しています。見るだけで心の傷が大きく広がる人も多くいるからです。
PTSDのような症状も
大地震や殺人事件が深く心に傷を与えることはお分りでしょう。これと同じことが残酷な映像にも言えるのです。強いストレスとなりPTSD(心的外傷後ストレス障害)のようになるのです。例えば怖い体験をしたときに、20年前に見た映画の残虐なシーンを思い出すこともあるのです。
スナッフフィルムは恐怖の映像!殺人動画は身近に存在する
スナッフフィルムが娯楽や趣味を目的としている以上、「死に対して真摯に向き合う」というモラルと良心を持って接したいものです。SNS全盛の現在、ふいに猟奇的な殺人動画が向こうから急に入ってくることもあります。流す人のモラルも問われますが、受け取る側の平常心や冷静でいる心構えも必要なのかもしれません。
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