吸血鬼ハンターDは、菊池秀行氏の作品である小説です。人間と吸血鬼のハーフである主人公”D”が、人々の安寧を脅かす吸血鬼たちを退治していく物語で、初刊が発売された1983年から現在も連載が続いている超がつくほどの長編作品です。
この作品では、吸血鬼たちは貴族と呼称され、その中でも絶大の力を持つ貴族を「神祖」としています。以前は、このような存在の吸血鬼を「始祖」と呼称されていたようですが、他作品でも影響を受けて同じ呼称が使われるようになったと言われています。
真祖と呼ばれる吸血鬼の特徴
ノーマルな吸血鬼についても、人間より優れた身体能力を持ち、襲われたらひとたまりのない存在ではありますが、上位の存在である真祖はどのような特殊能力を持っているのでしょうか?この章では、多くの作品で共通してみられる特徴の2つに絞って説明していきます。
真祖と呼ばれる吸血鬼①他の吸血鬼を統率する
感染型の吸血鬼であればその感染元、つまり上位の存在にあたる真祖には逆らうことが出来ません。また、吸血鬼は真祖を起点とする血統を重んじた集団体系をとっています。そのため、真祖には逆らうものがありません。
また、真祖はどの血統に属する吸血鬼からも、神に等しい特別な存在であるとされています。真祖の特別性については「BLACK BLOOD BROTHERS」という小説作品や、前述した「ワールド・オブ・ダークネス」の中で詳しく記述されています。
真祖と呼ばれる吸血鬼②物語中で最強クラスの存在
真祖は特別な方法で吸血鬼になっているため、特殊な術が使える場合もあります。また、長い寿命を活かした特技の体得だけではなく、長寿であるほど力が強くなります。魔術を操る真祖が登場する作品もあります。
高い身体能力を活かした物理的な斬撃攻撃である爪での攻撃と、自然界から生み出された存在であるというを持つ「月姫」での真祖は、自身や自然物を自在に作り変えるという凄まじい特殊能力を持っています。
「真祖」が有名な「月姫」とは?
「TYPE-MOON」から発売された同人ゲームに「月姫」があります。同人作品としては異例のコミック化やアニメ化がされている大人気作品です。また、現在でもリメイク版の制作が企画進行しているほどの人気を誇っています。
主人公である高校生・遠野志貴が、アルクェイドと名乗る一人の女性と出会うことから始まる物語で、アルクェイドの出自にまつわるある連続殺人事件から2人は騒動に巻き込まれていく……というマルチエンディングタイプの作品です。
月姫での真祖とは
自然が人間に対抗するための力として生み出された存在です。身体能力も非常に高く、その誕生由来から自然物や自分の形を変えることができ、状況によっては街を一つ作り出すこともできます。吸血鬼であるという設定は、真祖という存在には唯一の欠点があり、それが吸血の要求であるということからきています。
月姫における真祖①生まれたときから吸血鬼
真祖は、自然界が人間の攻撃から身を守るために発生させた、という精霊などに近い存在です。自然から望まれて生まれた存在ではありますが、人間にとって良い存在ではないため隠れて暮らしており、個体数は減ってきている設定です。
月姫における真祖②暴走すると魔王に
吸血衝動に負けてしまい人間を襲い、血液を摂取した吸血鬼は「魔王」と呼ばれ、堕ちた存在になってしまいます。吸血した真祖は、本来の100%の力を発揮できるようになり、人間の能力では絶対にかなわない強力な存在となってしまいます。