徳を積むとは?意味は?
『徳』という字には、「立派な行い・優れた品性」「優れた人格者」「恩恵・恵み・神仏などの加護」「富・財産・儲け」といった意味があります。徳を『積む』という言葉になると、『立派な行いを継続する』となり、限定的な意味合いになります。
善行を重ねること
仏教の教えによる徳を積む方法は、「毎日、自分の幸せのために善行を重ねること」です。徳を積むことによって、時々行ってしまう不徳を許してもらうこともできます。神道の教えによる徳を積む方法は、「人や世の中のために善い行いをすること」とされています。
仏教の教えの1つ
仏教には、「生前に立派な行いを継続させて徳(功徳)を積むと、次の輪廻では良い境遇に生まれ変わる。しかし、悪い行いを継続させて業(悪業)を積むと、苦しい境遇に生まれ変わる。」という、因果論や輪廻転生の考えに基づいた教えがあります。この教えの中に「徳を積む」という考え方があります。
現代では「運がいい」という意味でも使われる
現代では、ゲーム用語の1つとしても使われるようになりました。確立によってキャラクターを引き当てるシステムで、自分の希望するキャラクターを引き当てるために、善行を重ねて日常を過ごす場合に使われます。また、「徳を積んでいるから引けた」など、確立論を覆すような運の違いを表現する場合に使われています。
徳を積むことで人生がプラスになっていく?
徳は積む(貯める)ことができます。そして、徳は『良いこと』に変化して自分の元へ戻ってきます。徳が変化する種類には、お金などの「財」だけではなく、「人間関係」「勉強や仕事」「健康」「運」など、様々な種類があります。
徳を積むと魂のレベルが上がる?
精神世界では、「魂にはレベルがあり成長していくもの」「魂のレベルは魂の波動と連動して上がる」という説があります。その中でも様々な見解があり、「魂の波動を上げる方法に徳や善悪は関係ない」とする考え方や、「徳を積んで徳の量が多くなると、魂の波動も上がる」とする考え方などがあります。
徳を積むことで金運アップや人間関係改善ができる?
徳が「宝くじの大金」として戻ったきた人の9割が破産してしまう理由は、戻ってきた以上の徳を積まなかったために徳切れになってしまい、徳が戻ってこなくなってしまったためです。自分の意思で『良いこと』の種類や使う時期を選ぶことはできないので、戻ってきて無くなってしまう量と、積む(貯める)量のバランスが重要になります。
徳の量は雰囲気に現れます。徳の量が多い人は、周囲の人を安心させる様な安定感のある雰囲気を持っています。静かで穏やかですがエネルギッシュです。徳の多い人の話声には、自然とみんなが耳を傾けます。騒がしい所の遠い席でも、穏やかな声が聞こえてくるのです。徳が戻ってくる影響だけではなく、人柄も人間関係には効果を発揮します。
自然と人生がプラス方向へと進む?
徳がたくさん積まれて(貯まって)いると、たくさんの『良いこと』が自分の元へ戻ってくるので、運が良い状態になります。戻ってくる量よりも多くの徳を貯め続けていくと、幸運状態が続きます。運が悪いと感じている人は、徳切れの状態になっている可能性があります。
恋愛にもいい影響が?
徳を積むために立派な行いを継続していると、「自然と周りに気を配れるようになる」「心が美しくなる」など、魅力的な人柄になっていきます。その上で、積まれた徳が『運』や『人間関係』として戻ってくると、「運命の出会い」や「恋愛・結婚」「恋人関係・夫婦関係」など、異性との関係にも良い影響を与えます。
自分のことで精一杯になっていると、チャンスや縁などに気が付かないこともあります。徳を積むことで、平常心を保つことができるようになります。徳が戻ってきた時には、「思いがけない人と縁があった」「身近なところに良い話があった」「些細なことから話が進んだ」など、チャンスや縁に気が付ける人になっているでしょう。
徳を積むとなぜ幸せになれるのか
たくさんの善い行いを継続した「徳を貯めた量が多い人」は、「徳の高い人」とも呼ばれます。徳の高い人は、たくさんの徳が戻ってくるため幸せになれるでしょう。それだけではなく、立派な行いを継続する人柄に惹かれて集まった人達による、『善意のお返し』によって、幸多き人生を送ることが出来るでしょう。
運気がアップする
徳の高い人は、たくさんの『運』も戻ってくるため、「最も良いタイミングでチャンスが訪れる」「常に自分に合ったタイミングで物事を進めることが出来る」など、幸運状態が続きます。自分の意思で『良いこと』の種類を選ぶことはできませんが、心の働く方向に戻ってくる仕組みになっています。
自ずと他者から評価される
徳の高い人は、徳を積む過程で素晴らしい品性や人格を得ているため、誰に対しても偏見を持たずに平等に接します。他人の悪口を言うことなく、徳を積むために善行を重ねていくと、周囲の人々に誠実さが伝わり、とても高く評価されます。自然と、徳の高い人の周囲には人が集まってきます。
心に余裕が生まれ、人としての器が成長する
人は、日常生活の些細な出来事に執着して思い迷うものです。徳を積んでいく過程で、執着心の要因となる感情が少なくなり、日常生活への感謝の気持ちが多くなっていきます。心に余裕が生まれ、些細なことで思い迷うことが無くなり、人としての器が成長していきます。
徳を積む為に心掛けたいこと「陽徳・陰徳」とは
徳は、「上下」にわかれており、見返りを求めない善行を『上徳』、見返りを求めた善行を『下徳』と呼びます。『上徳』は積む(貯める)ことができますが、『下徳』は偽善と見なされるため積む(貯める)ことができません。『上徳』には、「陰陽」の2種類があり、他の人が知っている善行を『陽徳』、他の人が知らない善行を『陰徳』と呼びます。
人から感謝される「陽徳」
人から「感謝される」「褒められる」など、他の人が知っている善行は『陽徳』として積まれていきます。他の人が知らない善行でも、後々「表彰される」など、他の人が知った時点で『陽徳』に変化します。『陽徳』は「1代で終わる徳」だとされています。
人知れず行う善行「陰徳」
他の人が知らない、「感謝されない」「褒められない」善行は『陰徳』として積まれていきます。他の人が気が付かない善行も、神様はしっかりと見ていて、きちんと積まれていくのです。『陰徳』は「3代先まで続く徳」だとされています。
「事業で成功を収めた人」「社会で出世をした人」「幸運な人生を送った人」などの家系図を作成して詳しく調べると、父母や祖父母が『陰徳』を積んでいた家系が多く見られます。本人の努力だけではなく、父母や祖父母が積んだ『陰徳』が戻ってくることによって、子や孫は幸福な人生を歩めているのです。
陰徳を重ねる事でどんどん徳が高まる?
誰にも知られず、褒められることもなく、ただ善いことを行う『陰徳』は積み重ねるのが難しいため、まったく同じ善い行いをした場合、『陽徳』に比べ『陰徳』の方が多くの徳が積まれるようになっています。
『陽徳』よりも『陰徳』の方が、人の本質的な部分が多く磨かれるため、『陰徳』を積んでいる人は、更に心が美しくなっていきます。人の本質は見た目にも表れるため、『陰徳』を積んでいる人の心の美しさは、周囲の人にも伝わります。
徳を積む為の生き方10選〜行動編〜
徳を積むには、見返りを求めた『下徳』では意味がありません。まずは、「見返りを求めないで善いことをする」ことから始めましょう。「周囲の人に親切にする」「仕事を丁寧に行う」「家族を思いやる」など身近な善い行いを、我慢して無理やり行うのではなく、自然体で行ってみましょう。
①小さな親切を重ねる
周囲の人を思いやり親切な対応を心掛けると、親切にされた人からの「喜び」や「感謝」などが陽徳となって積まれます。小さな親切を重ねることで、少しずつ陽徳が積まれていきます。困っている人を見かけた時には、力添えできることか、話を聞いてみましょう。力添えできることであれば、手助けをしましょう。
②人に平等に接する
誰に対しても、偏見や思い込みを捨てて平等に接しましょう。周囲の評価や噂、性格や行動などの印象、善悪も関係ありません。悪い噂がある人も「環境によって悪い行動をしてしまっただけ」「風評が悪くなってしまっただけ」という可能性があります。まずは、先入観を持たずに、相手の本質や良い所を見つけることから始めましょう。
③笑顔を心掛ける
笑顔は福を招きますので、笑顔でいることを心掛けましょう。笑顔には周囲の人を安心させる効果もあるので、笑顔が多い所に人は集まります。しかし、心の中が穏やかな状態でなければ、自然な笑顔にはなりません。まずは、前向きな考え方になるように努めましょう。少しずつ前向きになってくると、笑顔も自然なものになります。
④人の本質を見抜く目を養う
印象や偏見で人を判断せずに、人の本質を見抜く目を養いましょう。外見のみで判断せず、仕草や挙動、話し方などをよく見ます。そして、行動パターンを把握し、1人きりの時の行動は必ず注視します。注意深く相手を観察し、相手の本質を見抜きましょう。まずは、身近な人を観察してみましょう。
慣れるまでは、相手の本質を見抜くのに時間がかかりますが、続けていけば必ず人を見抜く目が養われていきます。もしも、相手が悪だと判断できる本質だったとしても、それは自分の価値観の中にある悪なので、相手が絶対悪ではないことを踏まえた上で平等に接しましょう。
⑤話をよく聞き、学ぶ
相手の話をよく聞き、話の内容から多くのことを学びましょう。聞き上手になると、たくさんの人が話を聞かせにやって来ますので、その分、自分の学ぶ機会が増えることになります。適当に聞き流していると、話している人には分かります。「話を聞かない適当な人」と思われてしまうと、相手からの信頼を失ってしまいます。
相手の話に興味が湧かない人は、相手を自分に置き換えて聞いてみましょう。そうすると、相手と同じ視点で話を聞くことができるので、話の内容を理解しやすくなりますし、関心を持ちやすくもなります。その上、相手の気持ちも汲み取りやすくなります。自分では想像もつかないような話を聞けることもあるので、無駄とは思わずに聞いてみましょう。
徳を積む為の生き方10選〜メンタル編〜
「徳を積む」とは、立派な行いを継続することなので、なんとなく難しいことの様に感じる人も多いでしょうが、身近なところから始められる簡単な善行もたくさんあります。そして、『徳を積みたい』『徳を積む方法を知りたい』と考えている人は、もう既に最初の一歩を踏み出しています。
⑥前向きに物事を捉える
ポジティブな考え方が自然と出来るようになるために、物事を考える時には、自分の考え方がネガティブになっていないか注意しましょう。考え方が前向きになると、困難が訪れるなど苦境に直面した時に、諦めて投げ出すことや混乱してしまうこともなくなり、落ち着いた気持ちで前へと進む道を見つけることが出来ます。
⑦感情をコントロールする
自分の感情に翻弄されることなく、状況に合わせた感情でいられるように、感情を抑制しましょう。徳の高い人たちも、普通の人と同じような感情を持っています。しかし、怒りを表すことや、弱音や不安を漏らすことがないように、自らを徹底して律しています。常に自然体なので、感情を抑制していることに周囲の人は気が付きません。
⑧他人を思いやり、幸福を喜ぶ
自分を大切にしつつ、他人も大切にしましょう。自分の幸福だけではなく、他人の幸福を心から願い喜びましょう。それが相手に伝わった時に、相手との関係は更に良いものになるでしょう。しかし、関りが薄い人の幸福を心から願い喜ぶことは難しいことです。まずは、身近な人を思いやり、幸福を心から願い喜べるように心掛けましょう。