大津いじめ事件の全貌!加害者の現在やその後の影響、学校の問題点とは

生徒間では事実を認識しており、先生たちの対応の悪さもアンケート結果によって明るみになったわけですが、では学校側の認識はどうだったのかというと、驚愕の事実でした。これがあったために、教師の対応は被害者を助けることにならなかったのです。

学校側の認識は、いじめが起きているという認識ではなかったと言います。過去にはトイレで暴行を受ける被害者を見つけた女子生徒が担任に助けを求めたことがあったそうです。しかし、それにもしかるべき対応は取らなかったことが明るみになっています。

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どうやら、それらの暴力行為は、あくまでも生徒間同士の喧嘩程度の物でありいじめではないという認識。放っておけばいいと考えていたようなのです。これは学校側が主張しています。

そして、その主張に合わせて自殺の原因は、いじめではなく家庭環境が原因だとも発言をしたのです。彼らの認識の甘さ、そして被害を出してしまった後の対応のずさんさと思慮の浅さが垣間見えた瞬間です。

教育委員会も事実を調査せず隠蔽した

認識の甘さには多くの人が驚きひどいと感じる物でしたが、その認識の甘さは教育委員会にも存在しました。先述でふれたアンケート結果をもとに、さらに事実を知りたいと遺族の希望があり、2回目のアンケートが行われることになります。

そして、そこで学校側と教育委員会側で驚愕の対応が行われるのです。そもそも2回目のアンケートの結果には、「葬式ごっこ」や「自殺の練習」といったいじめを示唆するより具体的な内容が明るみになったのですが、学校側は事実調査を行わなかったのです。

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さらに、教育委員会への報告内容は新たな情報は確認できなかったということで報告を完了させていたのです。それに加え、後日アンケート結果を拾い上げていない学校側にも非難が殺到し、言及された学校側は見落としていたためと発言をしています。

正しい情報が教育委員会に伝わらなかったこともあり、事実確認が行われることなく、どちらにも隠ぺい体質があるという事実だけが発覚するのでした。

加害者生徒に聞き取り調査をしていなかった

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教育委員会が係る事実には聞き取り調査を行わなかった事実も明るみに出ています。なんと、加害者側にも人権があると主張して、事実調査を3週間ほどで打ち切り、正しく事実確認を行わなかったのです。つまり隠蔽しようとしたのです。

被害者が無くなっている状況がありながら、正しく事実を調べようともせず、加害者の人権というお門違いな主張を交え隠蔽しようとする姿勢に、批判が殺到したといわれています。

担任の森山進は事件後に長期休職

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自殺に追い込んだのは、加害者はもちろんですが担任の先生にも責任があることは明白です。しかし、担任である森山進氏は、事件後長期休暇を取り、その後の保護者説明科にも出席することなく逃げ続けたといわれています。

当然、市教育委員会や第三者委員会などの聞き取り調査もあったのですが、これにも満足に応じることはありませんでした。また、2013年3月には職場復帰を果たしています。

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何の責任も取らず、のうのうと復帰するその態度にもちろん批判もありましたが、その時点で遺族に謝罪や追悼の言葉もなく、事件をまるでなかったことの様に扱う態度だったそうです。

加害者生徒・関係者の処分

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加害者の処分については当然行われました。しかし、その内容には全てに納得のできる物ではないとの声も多数上がっています。

処分内容に関しては、校長には「学校の体制づくり」における指導や監督を怠ったこと、隠蔽を図ったことなどで減給10分の1の懲戒処分が科せられました。また、教頭2名は文書訓告、学年主任は厳重注意という処分になりました。

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さらに、教育長・教育部長に関しては減給処分対象でしたが、この二人は直前に退職。そのため、この減給処分は課せられなかったといわれます。もちろんこれには、遺族は不満を表明しました。

また、加害者側の生徒にももちろん処分が下されます。生徒二人は保護観察処分、もう一人は関与の度合いがすくないとして、不処分となったのです。遺族が浮かばれる処分になったとは言い難いですが、このような結末で事件は終わりを迎えます。

大津いじめ事件の裁判と判決

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被害者が亡くなった以降、事実の調査が満足とは言えないながらも行われ、その結果裁判が起き、判決も下りました。その裁判の様子と判決内容について調べていきましょう。

法廷で加害者は「ゲーム、遊びだった」と発言

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開かれた法廷では、いじめと自殺の因果関係を調べる質問が行われたようで、その口頭弁論の数は20回以上にも及んだといわれています。沢山の傍聴人が訪れこれまでにないほどの関心の高さがうかがえたといわれています。

そんな中、加害者は実に信じられない言葉を発します。それはいじめの認識がないことだけからくる発言とは思えないものでした。加害者らはいじめの認識を否定し、「ゲーム、遊びだった」と主張したのです

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加害者が主張するには、被害者の様子はいじられ役であり嫌がった様子ではなかったという意見だったのです。その発言から、周りも彼らの言う意見と今回のいじめの認識に大きくずれがあることに気づき始めます。

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