この時点で早期に発見できていれば、まだ最悪の結果を変えることができていたかもしれませんが、発見できずそのストレスから脳が回復不可能なほど損傷を進んでいたのだそうです。
早急に病院に搬送されましたが、ここまでの状態から意識も戻らず翌日に亡くなられました。正しい対応さえ取れていれば、決して防げなかったわけではないはずですが、それだけ当時の行動がずさんで怠っていたと考えられるわけです。
四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件は行き過ぎた行為だと訴訟へ発展
捕らえられた時のダメージは本人に危害が及んだことはもちろん、男性所持品が破損している事実などからもわかる通りです。これを受けて、遺族側は警察官の対応が行き過ぎたものだと主張し、5700円の損害賠償訴訟を訴えます。
異例の事態に異例の訴訟となったのです。しかし、これに対して県警察はこれまで紹介してきた通り、一般的な措置だたと主張します。もちろんこの時の遺族の主張は、一般的な措置で人の命が落とされていいはずがないという考えだったのでしょう。
引き続き裁判で争うという形になり、2010年には訴えの一部を容認し880万円の支払いが命じられることとなります。遺族の主張はここでやっと少し実が結ばれたことになりなったのです。
四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件の裁判所の判決内容とは
訴訟を起こして一部認められたとはいえ、遺族はまだ納得がいかず最終的な判決が下るまで訴えを行っていきました。採取的な判決内容について紹介しましょう。そもそも、遺族が一部訴えを受け入れてもなお納得がいかなかった理由が、死亡との因果関係です。
捕らえた際の違法性は認める物の一度目の支払い時点では、その行為と死亡結果には何の因果関係もないと主張し認めなかったのです。あくまでも死に至った理由は、ストレスが理由で、その原因は不当な制圧行為が関係しているのは火を見るより明らかでした。
しかし、あくまでも死亡は偶発的なものであって非はないと頑なに主張したそうなのです。の点を認められないことに対し訴えは続きます。そして、とうとう2011年に名古屋高等裁判所にて警察官の過失が認められます。
制圧行為と男性の死亡の因果関係が認められたのです。これにより、警察には遺族に対して3670万円支払うよう命じられた流れになります。
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四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件で叫んだ女性の狙いとは?
男性遺族と警察官の裁判は以上のような形で終止符を打つことになりますが、しかし操作の中でまだ未解決部分があります。それが女性の存在。特に女性の狙いはそもそも何だったのかということです。
男性がこのような拘束を受ける理由になったのは、女性の叫びがあったからこそですが、女性は何をしようとしてこのように叫ぶ事態になったのでしょうか。その理由は、結論から言うとはっきりとはわかっていません。
しかし、考えられる可能性としては、男性との揉めている映像や状況からすると、おそらく女性が男性の財布ないしはキャッシュカードを盗もうとしたところ、男性が気づいて抵抗したために、男性側を泥棒に仕立て上げて逃げようとしたのでしょう。
女性が見つかっていないので確証がなく、当時の状況から考えられる一つの可能性でしかありませんが、その後姿を隠しているところや調べが進んでも一向に姿が捕らえられなかったことを考えると、この可能性は大いにあり得るでしょう。
警察官の制圧術はとても強い
最終的な裁判ではやっと捕らえた行動と死亡の関係がやっと認められることとなりましたが、果たして警察官の制圧術というのはどれほどまでに協力というのでしょうか。
四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件以前にも同じような制圧死も…
実は過去にも行き過ぎた制圧術のあまりに、死に至った事件がありました。それは2013年に鹿児島県で起きた事件になります。当時その現場では、喧嘩が起きており、それを仲裁に入った警察が当人たちを制圧するために取り押さえる行動をとったとされています。
しかし、その際に胸腹部圧迫となって体に過大な負担が生じ、それが原因で死亡しました。今回と同様に、力でおさえつけた必要以上の制圧によってこのような死につながったと考えられています。
ちなみに、この時テレビ番組の密着取材が同行しており映像を撮影していたために、男性が捕らえられるところから亡くなる一部始終が映っていたそうです。残された者としては、これを証拠採用するよう主張しますが、裁判では認められず当初は認められませんでした。
しかし、その後も遺族側の訴えにより、異例として証拠採用となり裁判が行われることとなったそうです。その結果、今回制圧を行った警察官2名には業務上過失致死罪で30万円の罰金が科せられることとなりました。
警察官が叩き込まれる逮捕術って実際どうなの?
だれも望まない事件が起こる中で、人間が行使できる制圧術がどれほど危険なものなのか疑問に感じている人も少なくないでしょう。実際どれほどの危険がありどのようなものなのでしょうか。
そもそもこういった制圧術や逮捕術というものは、相手を破壊する格闘技と違い捕らえることに重きを置いた体術だそうです。捕らえる立場の人間であれば全員習得しているもので、市民や仲間も死傷することなく解決へと導けるようになっているそうです。
技はいくつかあるようですが、全てにおいて共通するのが、人の体の構造上、無理な方向に曲げられたりすることで相手の動きを制限し、それを逃れるように動きを誘導することで拘束可能な体制にすることなのだそうです。
なので、逃れようとすると痛みが走り、それ以上体を動かせないような状態にされてしまうのです。もちろん、これによって死傷者が出ないような動作にはなってるようですが、今回の事件の様に発展するケースもあるようです。
四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件から学ぶ誤認逮捕への対処法
今回の不祥事以降、警察官への不信感が募ったことはもちろんですが、こういった誤認逮捕を受けた際の対処法についても各所で考えられるようになりました。今回のことで学ぶ誤認逮捕への対処方法を紹介していきます。
必ず弁護士を呼ぶ
そもそも間違って捕まるなんて事態が起きないことが一番ですが、どこで巻き込まれるかわかりません。万が一巻き込まれるような場合は、まず真っ先に弁護士を呼びましょう。弁護士は費用が高く、相談することもなかなかハードルが高く感じてしまいがちですが、そのための制度もあります。
それが「当番弁護士制度」です。これを使用すれば、初回限定で無料で協力を頼むことが可能になっています。これを利用するだけでも、状況の説明と整理を行ってくれ、今後行われる取り調べの中でどのように対応を行えばいいのかアドバイスをもらえます。
また、弁護士が噛んでいるというだけでも安心感があり、警察側も不当な圧力や強要が少しでも緩和されるはずです。誤認逮捕が起きたら必ず弁護士への相談は行いましょう。
また、問題が大きくなればもちろん当番弁護士制度だけでなく、正式に私選弁護士を呼ぶことも覚えておきましょう。問題が大きくなるというのは、例えば拘束期間の長期化、虚偽の申告を行ったものが相手方にいるなどのケースです。
これらの場合、個人ではどうにもならないレベルであることが多いので、弁護士に解決のサポートをしてもらうのがベストです。
その分費用が掛かってはしまいますが、私選弁護士へ依頼すべきかどうかも尋ねてみるといいでしょう。もちろん、当番弁護士にそのまま費用を払って弁護を引き受けてもらうケースも可能です。
制度を利用する
上記以外にも、役立つ制度について知っておきましょう。被疑者国選精度についても抑えておくことおすすめします。勾留となった場合、弁護士を選任することができない場合に利用できる制度となり、弁護士に依頼できるようになっています。
ただし、依頼時には一定の条件があり、さらに対象事件でない場合はこの制度は利用できないので、当番弁護士に私選弁護の依頼を行うしかないことを覚えておきましょう。
供述調書のサインは慎重に
サインに慎重を期す理由が、この供述調書が最終的に非常に重要な証拠となるからです。サインを行って初めて完成となるのですが、完成してしまうと滅多なことでは覆せない証拠となってしまいます。
取り調べで行われた内容が供述調書には書かれているので、サインをする場合は慎重に、しっかりと内容を確認度行う必要があります。自白を取ろうと、この書類を使用してきますので、サインの強要などは有るはずないですが、冷静に動きましょう。
誤認逮捕が認められたら賠償金請求を
ここまでは、間違って捕まったケースでの対応ですが、間違いだったときちんと相手に認められた場合の対処法についても学んでおきましょう。先述した事件内容でもわかる通り、明らかに誤った事態にもかかわらずそれを認めないケースもあります。
しかし、認められた場合は次に紹介する対処法を取ることが可能ですので覚えておきましょう。その対処法が賠償金請求です。中でも国に補償金を請求するケースと国賠請求のケース二つがあります。
補償金の請求は、身柄を拘束された後無罪を言い渡された者は、不当な扱いを受けたとして補償金を請求できるというものです。拘束中は働けないので収入が途絶えます。それに対する補償金という意味合いです。
規定はいくつかありますが、拘留や拘禁であれば「日数×1000円~12500円以下」の額を求めることができます。今回の件であれば、この金額が遺族側に払われたことは紹介しました。
しかし、金額面を見ると感じる通り、これで十分補償されたかというと物足りない部分はあると感じる人は多いでしょう。
次に国賠請求のケースですが、こちらは誤認並びに長期間に及ぶ拘束により、職場解雇にあったり個人特定の情報を報道されるなどで風評被害を被った時に講じることのできる請求です。公権力が不当に行使されたことに対しての主張という訳です。
しかし、こちらの請求は極めて厳しいものがあり、相手に認めさせるのは大変な行為になるようです。一人の力では極めて困難といわれているので、弁護士への相談は必須となるでしょう。
警察官が係る不祥事や誤認逮捕
過去に起きた誤って捕まえたと思われる事件はまだまだたくさんあります。今回と同様に、捕らえた時の行き過ぎた行動のほか単純に間違って捕まえてしまい、その後の取り調べなどで被疑者が亡くなるという痛ましい事件も多数あります。その一部を紹介しましょう。
知的障害者身柄確保死亡事件
今回の事態と類似のもので2007年に佐賀県で起こった内容になります。知的障害を抱えた安永さんという方が、捕らえられたその時点で亡くなるという痛ましい物でした。
当時なぜ彼をとらえなければならなかったのかというと、彼が自転車で蛇行運転をしていたことから追跡を始めたことが発端になります。安本さんは警察の追跡を逃れようとして停止中のバイクに衝突転倒。
その後保護しようと快感が近づいたところ彼はが抵抗したのです。そのため、応援に駆け付けた警察を合わせて5人がかりで制圧することとなり、直後うつぶせの状態でけいれんを起こし、呼吸困難の末に彼はなくなってしまったようです。
もちろん、この知らせを受けて遺族は裁判を開きました。不当な制圧ということ、そして裁判と調査を進める中で警察の情報を捻じ曲げようとする姿勢に不信感を持ち何度も訴えかけていったのです。
当時警察は、5名で制圧を行ったことを2名と申告していました。さらに、正当な取り押さえと主張していたのですが、目撃者の証言から当時制圧時に暴行を働いていたことも発覚しているのです。
しかし、警察官の調書にはその事実の記載はなく、不審な点が散見されました。また、彼を制圧時に後ろ手に手錠をかけていたそうなのですが、これもまた裁判が進むまで明かしていない事実であり、警察の対応に対して不審な点が多数みられたのです。
ネパール人取り調べ死亡事件
警察官の不当な行動の末に亡くなった事態としては取り調べ中に起きたこの内容も有名です。2017年に39歳のネパール人を取り調べ中に起きたこの事件。病院に搬送されるも彼は不幸なことに亡くなったといわれています。
遺族である妻は今回のことを受けて調査を行い提訴をすると主張しました。そして調べを行っていると数々の不審な点が見つかったのです。なんと彼は必要性が疑われる特殊な道具で拘束されていたのです。
彼が捕まった罪は、占有離脱物横領の疑いでした。どうやら他人名義のクレジットカードを所持しており、それが遺失物届の出ているものだったことで逮捕に至ったのです。
しかし、逮捕後に日本語がうまく伝わらなかったこともあり、逮捕後の彼は留置室で問題行動を起こすしたそうで、そのため警察は自身あるいはほかの人間を傷つける可能性があると判断し、拘束具を付けることを判断したようです。
そしてこれが不幸のきっかけとなります。彼の取り調べを行おうと翌日に取り調べ室に移動させ拘束具を外した直後、失神し病院に搬送するも息を引き取ったのです。死因はクラッシュ症候群と判断されました。
この病現象は、長時間の体の圧迫により生じる現象で、災害発生時などがれきで下敷きになっている人に起こりやすいといわれる現象です。その結果、ここまでする必要があったのか、不当な高速ではという疑念が持たれることとなりました。
パソコン遠隔操作事件
誤認逮捕という面で言えば、まだまだこんな事例もあります。これは2012年に起きた事例で、犯人が他人のパソコンを乗っ取り遠隔操作を行った事件です。遠隔操作のパソコンから殺人予告などを行ったことで、誤認逮捕者4名を出す事態となりました。
犯人の手口が巧妙だったこともあり、これらの誤認逮捕も仕方がないと考えられたのですが、そこには警察自体の問題も露見することになります。それが、自白を強要させたことです。
何と誤認逮捕4名に自白を強要し、内一人に関しては罪まで認めて冤罪事件にまで発展してしまったのです。残りの3人の供述により、自白の強要と供述内容の偽装があらわになり、警察の不祥事として問題となりました。
2012年逃走による誤認逮捕
2012年に起きた振り込み詐欺でも誤認逮捕者が生まれてしまいました。経緯としては振り込み詐欺が被害者宅で発生後、本物の犯人がその家の周辺で現行犯逮捕されるのですが、そこで犯人と話していたとされる男性も緊急逮捕されたのです。
警察側の逮捕の理由としては、その男性が逃げたためと主張していました。しかし、調査が行われるにつれ、彼が犯人と何ら関係のない人物であったことが分かっていきます。
さらに、逮捕時になぜ逃走したのか調査が行われたのですが、どうやら逮捕した警察官が当時私服に警棒という異質な格好をしていたことが原因と発覚します。私服で警棒を振りかざし追いかけてくれば、通常は恐怖心を覚えるでしょう。
犯人と話していたのは、単に道を尋ねられただけであり接点はそれ以外にはないという全くの赤の他人という事実もわかり、警察の誤認逮捕とわかりました。特に大きな罪が発生したわけではありませんが、安易な逮捕理由に周囲の人は愕然としたそうです。
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痴漢冤罪の対策方法
誤認逮捕や冤罪はいつ自分の身に起こるかわありませんが、特に身近なものといえば、痴漢が最も恐ろしく可能性の高い事態でしょう。特に痴漢の場合、冤罪をかけられ始めると無罪を立証することは難しいため、自身でしっかりとその場で否定する必要があります。
そこで、最も身近ながらも、身に降りかかった時に否定が困難な痴漢について、対策方法を紹介していきましょう。
明確に犯行否定をする
他の冤罪でももちろん共通する点はいくつかありますが、まず第一に明確に置換を行っていない旨を告げることです。被害を訴える相手だけでなく、できる限り周囲の人にも気づかれるように否定することが重要です。
大きな声で訴えていれば、もしかするとその現場を見ていた人が証明してくれるかもしれません。
録音する
こちらも基本的な内容ですが、録音することを徹底しましょう。後になって言った言わないと押し問答になる可能性があります。そうなると、こちらが不利になる可能性が圧倒的に高いです。証拠を集めるためにも、しっかりと録音をしましょう。
録音自体が違法行為ではと考える人も居るかもしれませんが、実はこっそりと録音することは法的にも何ら問題はありません。しかし、こそこそとスマホを触り何かをしていると逆に相手は不信感を抱く可能性もあります。
そのため、できれば録音の旨を伝えて堂々と録音することがいいようです。後から相手の言い分が以前いっていた内容と食い違う瞬間が出た時にしッ狩と証拠を残すことができるでしょう。
その場から移動しない
こういった痴漢疑惑で騒がれたときに、駅員さんなどがやってきて邪魔になるなどの理由で言葉巧みに駅から移動させようとし、あまつさえ駅舎へと連行しようとするケースがありますが、これには決して従ってはいけません。
その場から絶対に移動しないようにしましょう。仮に連れていかれてしまった場合、取り調べが始まるわけですが、実は弁護士はその場に入ることができないのです。また、現場の方が事実関係を確認するには都合がいいはずです。そんな移動の要求には応じる必要はありません。
しかし、とはいえ力づくで抵抗して激しく嫌悪感を表すと怪しさ前回です。そこで、きっぱりと逃げるつもりはない旨を伝えて、正々堂々とこの場で話し合おうと主張しましょう。疑いが晴れるまではこの場を動かないのがベストです。
目立つ
可能であれば、目立っておきましょう。これは単に自分がやってないことをアピールするだけではありません。周りの目撃者を引き留めておく必要があり、そのためでもあるのです。
目撃者が離れてしまうと、自分に有利な証言をしてくれる人が立ち去ってしまうかもしれません。また、目立っていると後程弁護士が到着した際に、後で弁護士にだけ証言をしてくれる可能性が生まれます。
周囲の目がる中ではなかなか目立って言えない人でも、弁護士だけであれば証言をしてくれる可能性もあります。恥ずかしい気持ちはありますが、可能であれば行動を起こしておきたいところです。
相手の言い分を固める
弁護士の到着まで、あるいは弁護士を呼ばないのであれば、全ての会話の中から自分で無罪を立証しないといけません。そのためにも、先に相手の言い分を固めていく必要があります。
要は自分よりも先に相手に説明をさせるのです。被害にあったものより、自分が先に説明してしまうと、その状況に合わせて相手も供述を変えて話を合わせられてしまう可能性があります。
例えば、何番列車の座席地という情報を先に発言してしまうと被害者の相手もその発言に便乗し、その近くにいたと思いますといった内容を主張する可能性があります。そうなると後手に回って、さらに無罪を立証することが難しくなります。
小野悦男の無罪釈放に関する記事はこちら
四日市ジャスコ誤認逮捕死亡事件は誤認が生んだ悲しい事件
警察官の誤認逮捕が原因で起きた今回の事件は、逮捕された男性が亡くなるという悲しい結末を迎えました。本人はもちろん残された遺族も大変悲しい事件です。今後同じような事件がないように、された側も対処法をチェックして、今後このようなトラブルがないようにしてほしいものです。
東電OL殺人事件に関する記事はこちら
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