地面の様子がほかの場所と異なり、水が地面からプツプツと染み出ていたり地面が柔らかくなった場合には、スピードを緩めて棒などで周囲の地面をつつきながら歩きます。そして一刻も早く底なし沼があるであろうエリアから離れることが大切です。沼は一目見てわかるものではありません。そのためぬかるんだ地面には近寄らないようにしましょう。
単独で森林に入らない!助けを呼べるように複数で入ること
沼での転落事故では、1人で沼に転落し、そのまま誰にも助けを呼べずに亡くなってしまうケースが多いです。万が一沼地に転落したら、1人で這い上がるのは難しく、誰かの助けは必須です。もちろん落ちないことが何よりですが、万が一の場合に備え、森や湿地帯、干潟などには2人以上で入りましょう。
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「底なし沼」にはまってしまった時の脱出方法について紹介
底なし沼にはまっても、どのように対処したらよいかわからず、そのままパニックになってしまう事態がとても多いのです。そしてパニックになるとそのまま体が沈んでしまい最悪の事態を引き起こします。万が一沼に転落した際に備えて、正しい知識を持ち合わせている必要があります。
底なし沼から脱出する方法①荷物を捨てて体を軽くする
底なし沼に落ちると、自分の体重は上から下方向にかかります。そして体重が重いほど早く沈んでいきます。そのため万が一沼に転落したら、まずは自身の体を軽くするのが大切です。下半身は泥の中でも上半身は泥の上に出ていますから、リュックサックやバッグなど、はずせるものはすべて外します。
底なし沼から脱出する方法②体を横に倒す
底なし沼から抜け出そうとする際には、体を真上にあげようとしてしまいがちですが、人間の体は接着剤で固定されたように硬い泥の中から垂直に自分の体を持ち上げられるほどの力は持っていません。どうするかというと、全力で体を横に傾けるのです。
身体を横に倒すと、顔も泥に近くなり上半身も埋まってしまいそうですが、それまで足の裏のみにかかっていた体重が分散してかかるため、垂直に埋まっているよりも沈みにくくなるのです。この時大切な点は、決して慌てず少しずつ体を横にしていくことです。
底なし沼から脱出する方法③片足ずつを抜いていく
身体を横にしつつ、足を泥から抜く作業を行います。底なし沼からの脱出は、いかに足を泥の中から抜くかにかかっています。うまく体を横にできたら、体重が分散されて足にかかっていた圧力が小さくなるため、垂直に沈んでいた時よりも足が抜きやすくなります。
底なし沼から脱出する方法④木の枝などに掴まる
自分の筋力のみで底なし沼から脱出するのは、メジャーリーグのスラッガーであっても困難でしょう。そのため、体を横に倒す前に、自分の周囲に木の枝などがないか確認します。何か物に掴まれば、自分の体を持ち上げやすくなるためです。掴むものが見つかったら、可能であればその方向に身体を倒して、手が届くようにしましょう。
底なし沼から脱出する方法⑤上着やバッグを手掛かりにする
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もし棒やツルなど、掴むものがなくてもあきらめてはいけません。先ほど身体から外したリュックサックやバッグなどを使うのです。泥から手を出したら、リュックやバッグを地面に固定します。そしてリュックやバッグに全体重を預けて、下半身を泥から抜くのです。
リュックやバッグを地面に固定する際には、手の届く範囲に丈夫な木の棒があるとベストです。木の棒をしっかりと地面に食い込ませ、その棒にリュックの持ち手の部分をひっかけます。棒が地面にしっかりと食い込んでいれば、思い切り力をかけても、固定していたリュックが外れるリスクを減らせます。
「底なし沼」にハマった人を救出する方法・注意点
底なし沼に落ちたら、なによりもすぐにSOSです。そして一緒に同行していた人の助けを借りて一刻も早く脱出したいところですが、救助方法を間違うと、助けに来た人も沼に落ちるという最悪な展開になってしまいます。二次被害を防ぐためにも、底なし沼から人を救出する際には、正しい救助方法を守る必要があります。
手を差し伸べるのは危険!ジャケットやロープを渡す
まず最もやってはいけないのが、要救助者に手を差し出して、そのまま沼から引き抜こうとすることです。片手ではもちろんですが、両手でも沼にはまった人を引き抜くのは不可能で、助けに来た人が落ちるだけです。沼から人を引き抜くには、少なくとも自分の全体重をかける必要があります。
そこで、自分の着ている服の袖やロープを相手に掴ませます。自分はロープや袖の片側を握り、体を地面にしっかりと固定させて、転落防止措置を施します。そして全体重をかけてロープや袖を引っ張り、相手を泥から救助しましょう。
丈夫な倒木を渡すことで手がかり・足がかりに
要救助者が沼の中心部に落ちている場合などでこちらからロープなどが届かない場合は、倒木を沼に渡します。救助者には、その倒木を使って脱出してもらうのです。その際には体重をかけても折れない丈夫な倒木を選びましょう。
丈夫な木の幹の選び方
近くに運よく木の幹が転がっていても、すぐにそれを沼に投げ入れてはいけません。投げ入れる前にきちんと耐久性を精査する必要があります。一般的に、木の幹の内部が空洞であったり、叩いてみてコンコンと高い音がするようであれば幹が腐り始めている合図です。このような幹を沼に入れても、圧力がかかると簡単に折れてしまう可能性があります。
対照的に、耐久性がある木の幹は、幹に空洞ができておらず、ポロポロと木の皮が剥がれ落ちることもありません。また、色も濃い茶色で、幹内部が空洞でないため、しっかりとした重さがあります。このようにして、救助にきちんと使用できる素材かどうか判断する知識も必要になってきます。
大型動物がハマってしまった場合は車とロープを使う
人間だけでなく、シカや牛、砂漠ではラクダも底なし沼にはまってしまう事故があります。救助してあげたいところですが、大型動物は体重数百キロにも及ぶため、人間を救出するときのようなパワーではとても太刀打ちできません。
そこで動物を救助する際には、頑丈なロープで動物を固定し、ロープの端を車に括り付けます。そしてそして車で引っ張って救助するのが有効です。しかし車など、車両で引っ張る際にも注意点があります。
車がぬかるみにはまらないように!
それは、車が自重でぬかるみにはまってしまうというトラブルです。底なし沼の周辺は地面が思いのほか柔らかいため、案外簡単にタイヤが泥に沈んでしまいます。対処法としては、タイヤと泥の間に丈夫な板を挟み込んで脱出したり、ジャッキアップをしたりする方法があります。板やジャッキは車内に載せておくとよいでしょう。
大型動物にはむやみに近づかないのも大切!
大型動物を底なし沼から助け出した後、動物に近づこうとする人がいますが、これはおすすめできません。野生の動物はとても警戒心が強く、あまり人間の前に姿を現しません。日本であればシカなどの野生動物は、人間を見るとすぐに逃げてしまいます。しかし、底なし沼から助け出すという場面は、人間と野生動物の距離が非常に近くなる場面です。
そのような場面では、動物の警戒心はMAXになります。沼から引き揚げたとたんに人間に危害を加える可能性もゼロではありません。そのため、ペット感覚で近寄るのはとても危険なのです。獰猛な肉食動物でなくとも、野生動物は人間とは別の世界に住んでいる生き物という認識を持っておきましょう。
自分も「底なし沼」に飲み込まれないように注意!
底なし沼で人や動物を救助する際に多いのが、救出する側も沼にはまってしまうという二次被害の発生です。底なし沼での救助活動は、無理をした瞬間に救出する側が落ちてしまいます。例えばロープや服の袖で救助する際に、少しでも地面がぬかるんでいて落ちそうだと感じたらすぐに中止します。自分も沼に落ちるのは何としても回避しましょう。
「底なし沼」が実在する場所とは?~日本編~
ここからは、実際に底なし沼が存在する場所を紹介します。まずは、日本国内に存在する底なし沼から紹介します。北海道から鹿児島まで様々な場所に沼地は存在しています。地域住民が使う公園内など、憩いの場にある沼地もあります。
日本の底なし沼!その①浮島の森・蛇の穴(和歌山県)
1つ目は、和歌山県の浮島の森にある「蛇の穴」という沼です。縄文時代は海だった場所で、今ではもちろん陸地ですが、古代の湿地帯が残っており、底なし沼には最適な環境になっています。周辺は公園のようになっており、橋がかけられていて散策も可能です。しかし絶対に橋の下には降りてはいけませんよ。
その理由は沼の深さです。地元の人が実際に調査しようと棒を差し込んだところ10mに達してもまだ着底しなかったという結果が出ています。ここまで紹介した通り沼はどれだけ浅くても危険です。10mがどれほど危険なのかは、説明せずともお分かりいただけると思います。
日本の底なし沼!その②釧路湿原・やちまなこ(北海道)
2つ目は、北海道釧路湿原にある「(谷地眼)やちまなこ」です。全国的に有名な釧路湿原には、転落すれば命を落とす危険な沼がいくつもあります。壺のような形をした底なし沼は谷地眼と呼ばれており、昔は家畜の馬がよく落ちて犠牲になったことから「馬殺しの穴」とも呼ばれています。
谷地眼は、穴の周囲が草で鬱蒼と茂っているため、まず沼を見つけるのは不可能です。ちなみに釧路湿原は、国の天然記念物のため、指定されたエリア外の無断立ち入りは禁止されていますが、それは自然を守るためだけでなく、底なし沼転落防止の意味合いも持ち合わせています。
日本の底なし沼!その③龍神沼(北海道)
3つ目は、北海道の竜神沼です。トリビアの泉での検証の舞台になった沼です。神社のすぐそばにあり、昔は海を隔てた利尻島にまでつながっているという伝説もありました。現在では深さ3m程度で、利尻島とは繋がっていないと証明されましたが、沼の周辺の雰囲気は何とも言えない厳かで、スピリチュアルな空気が漂っています。
日本の底なし沼!その④深泥池(京都府)
4つ目は、京都府にある「深泥池」です。国の天然記念物に指定されており、様々な植物や小動物が生息しています。そして深泥池の特徴は沼の中央部にある浮島です。夏に浮かび上がり、冬には沈むという何とも不思議な浮島があります。
深沼池は最恐心霊スポット!
不思議な浮島がある深沼池は、実は日本でもトップクラスの心霊スポットです。深沼池の近くに結核患者を隔離していた病院があり、その霊が出る、沼の中に死体が埋まっているなど、様々なうわさが流れている沼でもあります。毎年夏になると、肝試しのために多くの若者らが訪れます。
タクシーも避ける恐怖の池!
そして深沼池に関する心霊ストーリーで最も有名なのは、タクシードライバーの話でしょう。ある日の深夜、深沼池の周辺を走っていた1台のタクシーは、道端に女性が手を挙げているのを見つけて、客として車に乗せます。その女性は、消え入るような声で、「深沼池まで」と呟きます。
そして運転手がふとルームミラーを見ると、ミラーに後部座席に座っている女性が見えません。おかしいと思い後部座席を見ると、既に女性の姿はなく、ただシートがぐっしょりと濡れていました。それ以来、多くのドライバーは深沼池を敬遠するようになったと言われています。
そのほかにも恐怖のエピソードが多数!
深沼池には、紹介したエピソードのほかにもまだまだ身の毛もよだつような噂があります。今年の夏の肝試しに深沼池に行きたい!という人は、是非深沼池について色々な知識を仕入れておきましょう。リンク先の記事でさらに詳しい情報を紹介しています。
日本の底なし沼!その⑤底なし御池(鹿児島県)
5つ目の底なし沼は鹿児島県鹿児島郡十島村にある「底なし御池」です。沼の表層は、水が溜まっており池になっていますが、中層、下層帯は泥が堆積しており水の下が沼となっています。現地に行ってみると、人工的な物音は聞こえず、自然の音のみが支配しており、心が洗われるような神秘的な雰囲気がある場所になっています。
「底なし沼」の実在する場所とは?~世界編~
続いては日本を飛び出し、世界にある底なし沼を紹介します。ヨーロッパからアメリカ大陸まで地球上のあらゆる場所に危険な沼は点在しています。そして、イメージでは底なし沼とはあまり縁がなさそうなアフリカ大陸にも無数の沼地が点在しているのです。
世界の底なし沼!その①クイックサンド(アフリカ)
1つ目の底なし沼は、砂漠に点在する危険な沼地で、どこに出現するかは予測不可能です。アフリカの砂漠は常に乾燥しているというイメージがあるかもしれませんが、乾季と雨季があり、雨季の間に降った雨が地中に堆積し、ドロドロの沼を作ります。
実際にサハラ砂漠などを横断しようとしたオフローダーが沼地を見つけられず転落してしまい、そのまま犠牲になったという痛ましい事故も発生しています。砂漠という環境が過酷であると改めて認識させられる事故です。
世界の底なし沼!その②モーカム湾の流砂(イギリス)
2つ目は、「モーカム湾の流砂」です。イギリスのモーレキャンベ湾の海底にある流砂が積もってできた底なし沼です、海にある底なし沼として世界的にも珍しい場所です。干潮時には歩いて底なし沼の部分まで行けますが、地元住民はその危険性を認識しており、沼にはまず近寄りません。
もし沼に転落した場合は、大量の流砂で脱出が困難なだけでなく、海という特性上潮が満ち始めたら上半身は海水に飲み込まれます。そのため、顔が泥から出ていても溺死、顔が埋まってしまったら窒息死、長時間沼に埋まっていたら低体温症と、人間が生きられない場所なのです。
世界の底なし沼!その③バイユー・コーンの湿地帯(アメリカ)
3つ目は、アメリカ南部にあるバイユーコーン湿地帯の底なし沼です。2012年それまで何もなかった湿地帯の地面が突如陥没します。そのまま周囲の木々を飲み飲んだ穴は現在でも依然として成長し続けています。研究者も地殻変動の一種としか説明ができず、今後の展開は不明ということです。
バイユーコーン湿地帯の広大な沼地は、現在でも成長し続けているため、深さなどの測定はできていませんが、現在のところ10万平方メートル以上の大きさになっており、もしかすると世界で一番文字通りの「底なし沼」に近い沼になる可能性もあります。
底なし沼に関するコワーイ話
紹介してきた通り、竜神沼や、底なしの御池など主に日本に点在する底なし沼の中には、人々から神聖な場所として捉えられている底なし沼もあります。ここでは、底なし沼にまつわる不可思議で怖い話を紹介します。
①山の中の底なし沼のお話
高校生であるAは、学校帰りに友達と山の中で他愛のない話をしていました。その山には神社や昔人が亡くなったと言われる沼がありました。ある日、いつものようにAと友達が山の中でたむろしていると、1人の老人から山の中にある池には近づくなと怒られます。Aが家族に確認してみるとやはりその池はあまりいい場所ではないと言います。
しかし、Aと友達はその池がどうしても気になり、探すことにします。週末山中を探検していた一行は、ある地点から突然何かが水の中に落ちる「ドボン!」という音が聞こえるのに気が付きます。その音をたどっていくと、突如大きな池が目の前に現れます。しかしおかしいのです。どう見ても不自然なほどに綺麗すぎます。
綺麗すぎる池にある小屋には…
不自然にきれいな池の近くに、これもまた不釣り合いな小屋が建っていました。友達の一人が小屋を開けてしまうのですが、開けて中に入った瞬間に、その友達が沼にはまってしまいます。そうです。綺麗すぎる池の中にある小屋の中だけが底なし沼だったのです。そして、小屋の周りには大量のお札が貼られており、いかにも曰くつきな場所でした。
友達を何とか救出し山から逃げ出した彼らは、その後普段の生活に戻ります。そしてあの池のことを忘れかけたころ、小屋の中のあの沼に転落した友達が失踪してしまいます。まさかと思いあの小屋に行ってみると、お札が新しくなりなぜか扉が開いているのです。そういえば友達は、沼にはまったとき何かに引っ張られていたと言っていましたが…
②釣り堀が底なし沼?
2つ目は、小学生くらいの子供が登場するお話です。友達だった二人は、学校帰りにその昔は釣り堀として使われていたという場所に遊びに行きます。有刺鉄線で頑丈に囲われていた場所で、地元の人でもあまり近づかない場所でした。しかし二人は、有刺鉄線を超えて釣り堀の中に入ってしまいます。
干上がった池は大きな浴槽のようで、二人はためらいなく池の中に足を踏み入れます。しかし足をつけた瞬間、二人は泥の中に沈んでいきます。一人はすぐに脱出に成功しましたが、もう一人は、泥の中に沈んでいく、というより引きづりこまれていくようでした。不思議なことに、沼を捜索してもその友達が見つかることはありませんでした。
禁足地って知ってますか?
この怪談で登場した底なし沼のように、沼や池というのは、神秘的で神聖な場所となっている場所も少なくありません。そのような場所で軽率な行動をとるのは、非科学的ですが今回紹介した霊的な出来事を呼び寄せてしまう可能性もあります。
そしてさらに危険な場所は「禁足地」と呼ばれています。日本にも存在する禁足地は、人間が足を踏み入れてはいけない場所という意味です。以下のリンク先の記事では、日本や海外に存在する禁足地について紹介しています。
軽い気持ちで「底なし沼」には近づかないようにしよう
ここまで、底なし沼にまつわる様々なトピックを解説しました。最後の怪談を信じるかはあなた次第ですが、霊的なものがなくても、底なし沼は人間にとっては危険な存在であり、できることならば底なし沼には近づかない、そして底なし沼があるエリアに行くときは万全の準備を行うという点を忘れないでおきましょう。
深沼池の紹介についてはこちら
禁足地の紹介についてはこちら