2001年頃のFlashアニメーション黄金期から活動を開始し、主にホラー系動画制作でその名を知られ常に第一線で活躍しつつ、現在ではYoutubeや自身のウェブサイトなどで作品を発表し続けている映像クリエイターです。
シュールで不気味な作風が特徴
シュルレアリスムで著名なマックス・エルンストやヤン・シュヴァンクマイエルに傾倒した作風が特徴です。代表作はsm666のYoutubeバージョンである再生回数1220万の「username666」それに次いで139万の再生回数を誇る「DOLL」などが有名です。
怖いだけじゃなく暗喩や示唆にも富んだ動画
2010年頃からは初期のようなシュールな作風からメタファーな作品を多く制作しており、廃墟で撮影した「のろいちゃん」や、改造した空き家と実写のコマ撮りアニメーションを組み合わせた作品を多く制作しています。
動画作りのために自宅も改造!?
動画「ぼくのうちをつくってみた」では自宅を改造しセットとして使用しています。また、空き家となった祖父の家もアトリエとして映像作品「My house walk-throgh」を制作し、インスタレーションとアバンギャルドな表現の実験を行ってます。色彩が初期のFlash作品に代表される色濃いものに戻りつつあるようです。
ぴろぴとはアリが好き?
ぴろぴと氏のYoutubeチャンネルにはペットのアリの飼育日記的な動画「Queen Ant A-chan’s Egg Diary」シリーズが公開されています。あまりにも両極端な動画に思わずほのぼのしてしまいます。YoutubeとTwitterのヘッダー画像もアリをモチーフとしているので相当好きなのでしょう。
ぴろぴとの作品は海外でも大人気!
海外にもその名を轟かせたぴろぴと氏は、フランスで開催された「ショートフィルムフェスティバル」ではシュールな世界観の代表作「DOLL」が上映されており、世界で通用するアンダーグラウンド映像クリエイターとして知られています。
sm666を生み出したぴろぴとの他の作品をご紹介!
20年近くに渡り制作されたぴろぴと氏の作品の数々をYoutube版(一部Twitter)でご紹介します。username666で日本はもちろん海外にまで広く知られることになった、ぴろぴと氏のシュールで耽美な世界観を味わうことが出来ます。
ぴろぴとの作品①「Doll」
2005年に制作された最もよく知られるぴろぴと氏の代表作品のひとつ。女の子が殺され強姦され腐ってハエがたかり死ぬという内容ですゴシックとシュルレアリスムのコラージュは、影響されている寺山修司や表現主義的なイメージが特徴です。自室に大量発生したハエからインスピレーションを受けて制作された陰惨な内容の作品です。
ぴろぴとの作品②「溺れる女」
2007年に制作された画面の枠の中に更に枠を利用するジョセフ・コーネルの作風を彷彿させる作品です。アリの生活をアニメーションにするつもりが何故かホラーエロティック風に変更されました。同じく2007年の問題作品sm666の作中に再生される動画にも使用されました。
ぴろぴとの作品③「ちっちゃなちーちゃん」
ぴろぴと – ちっちゃなちーちゃん@PiroPito pic.twitter.com/RQArnRThl2
— 電子ドラッグ紹介 psychedelic (@ElectronDrug) January 21, 2018
2チャンネルのニュース速報板でも話題になった2006年制作の作品。アンダーグラウンドFlashに関心のない一般客をターゲットにしたイベントで、この動画を上映したために場内は騒然となりハプニング状態でした。アウトサイダー・アートに感化され直球勝負をしかけた意欲作品です。
ぴろぴとの作品④「留守番」
作中で突然雰囲気を変化させる演出にこだわっていた2003年の作品です。耽美的から絵本タッチへの切り替えが極端で興味深いです。このあたりから幼女ものに目覚めたようで、ぴこちゃんというキャラクターが登場し、こちらの絵本風アニメーション作品「ぴこちゃん物語」も制作されました。
ぴろぴとの作品⑤「ありさんのおそうれつ」
「留守番」とは逆のパータンの演出が特徴の2003年の作品です。絵本タッチから耽美的への変化「怖い」がかわいくなるよりも「かわいい」が怖くなる方が嫌だろうな、と考え制作したそうです。1960年の「アンダルシアの犬」1969年の「薔薇の葬列」などの影響を受けた作品です。