ヨナグニサンはモスラのモデルになった世界最大の蛾!幼虫も大きい!

大きいのだから、外敵も少なく自由に餌場を確保できのびのび長生きしそう、と思う方もいるかと思いますが、実はとっても短命です。セミは長い時間を幼虫として過ごすため、成虫の寿命は非常に短いなど納得できる理由付がありますが、何故ヨナグニサンは長く生きることができないのでしょうか。

ヨナグニサンの寿命は長くても1週間ほど

なんと、その命の猶予はわずか1週間程度しかありません。その間に、パートナーを探して交尾、産卵を行わなければならないという超ハードスケジュールな生き方をしています。個体数も決して多くはないため、異性を選り好みしている余裕はなさそうです。

成虫になると口が退化するため食事ができなくなる

ヨナグニサンが長生きできない理由は、ずばり「食事ができないから」なのです。幼虫から成虫へ育つ過程で口は退化してしまい、繭から出てくることには完全に失われています。そのため、幼虫の頃に蓄えておいた栄養しか消費できません。

蛹から成虫になるだけでも非常にエネルギーを使うため、成虫になる頃にはほとんど体内には栄養が残されていません。非常に近くで撮影された動画に映っている姿の、中でも頭に注目すると、つるっとしていて幼虫の頃あった口部がなくなっているのが判ると思います。

大きさ自慢はヨナグニサンだけじゃない?シンジュサン

ほかにも体格自慢の蛾で日本国内に生息している種類があります。それは、シンジュサンという種類の蛾で、「シンジュ」というのは真珠ではなく、神樹と書きます。これはニワウルシの別名で、名前の通り幼虫はその葉を食べて育ちます。

体長10センチを超えるシンジュサン

シンジュサンは、ヤママユガ科に属する大型の蛾です。翅を広げると15センチほどのサイズになり、蛾の中ではかなり大型の種類になります。翅は薄茶色をベースにしたシンプルなカラーリングですが、黄色い三日月形の模様がアクセントになっています。また、ルーツになっているヤママユガについては、こちらの記事で紹介しています。

幼虫はとってもカラフル!

成虫の姿は非常にシンプルなカラーリングであるシンジュサンですが、幼虫の時代はとってもカラフルです。鮮やかな黄緑色をベースにした体に、先端が水色になっているトゲが生えています。また、足の先っぽは黄色と水色のツートンカラーになっていて、とってもユニークな姿をしています。

ヨナグニサンの飼育はできない?絶滅してしまう可能性も?

geralt / Pixabay

小動物よりも大きい虫好姿に魅了された虫好きな方なら飼育して触れ合ってみたい!と思う方もいるはず。しかし、それは叶わぬ夢。実は、ヨナグニサンは準絶滅危惧種にも指定されている貴重な生物なのです。

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