バリソーゴンとは?映画のポスターに騙される人続出の反原発映画を紹介!

過去にはTSUTAYAでレンタルされていたこともありましたが、監督サイドに無許可で取り扱っていたため、裁判を起こされた事もあります。

とはいえ、インターネット上で探せば「バリゾーゴン」の映像が残っています。完全な形で見つけるのは難しいようですが、興味を持った方は探してみてください。

バリゾーゴンは反原発映画だった

geralt / Pixabay

エログロのキャッチコピーで客の興味を引き集客を伸ばしていた「バリゾーゴン」ですが、元々は反原発映画として撮られたものです。

過激な言葉で耳目を集める手法は今回に限ったことではなく、渡辺監督の定番の手法でした。

監督のファンにとっては、映画の内容と共に、公開し告知する手法も全部ひっくるめてを作品としてとらえている人も多いのかもしれません。

バリゾーゴンはもともと福島原発反対の自主作製映画

JESHOOTS-com / Pixabay

「バリゾーゴン」のモデルとなった事件の被害者、つまり便槽内で発見された男性ですが、勤務先は福島第2原発でした。

また事件の直前には事故が多発し、操業停止にもなっていた事や、同じ勤務先の先輩が飛び込み自殺したこともあります。このような事から、反原発の映画として監督が自主制作しました。

被害者の死因が原発を巡る対立になっている

ThorstenF / Pixabay

被害者は、覗き目的で侵入したものの身動きが取れなくなり、寒さと窒息により死亡したと警察では発表しました。

しかし当時から侵入目的や経路がよくわからないこと、被害者の人柄を知っている知人からも、この発表に疑問を持つ人が多かったのです。

また事件直前の村長選挙では稀にみる厳しいもので、選挙活動で金銭の授受もあったようです。それを知った被害者は途中で応援演説をやめてしまい、その関係で殺されたのではないか、との憶測もありました。

反原発映画として評価するのは不可能とも

StockSnap / Pixabay

未解決事件を入口にして、興味を持ってもらおうとしたのでしょうが、ポスターや宣伝文句と内容があまりにもかけ離れていたため、見た人の反感を買ってしまいました。

また原発映画を見る心構えのない客にとってはストーリーも回りくどく、反原発映画としての評価は難しくなっています。

stevepb / Pixabay

事実をもとにして映画化するという手法は度々見かけます。事件がセンセーショナルであればあるほど、人々の記憶にも残っており、話題になるからです。詐欺事件といえばこちらも真相はよくわからないままです。

「バリゾーゴン」も最初から反原発映画として作り、宣伝していればまだ評価できたのかもしれません。渡辺監督の手法、といえばそれまでですが、せっかくの映画が残念な結果になっています。

バリゾーゴンの問題点①ホラー映画とは言えない

darksouls1 / Pixabay

問題作といってもいいかもしれない「バリゾーゴン」ですが、どこが問題だったのでしょう。この章と次の章では、具体的に検証してみましょう。まずは、今作はホラー映画とは言えない、という点からです。

バリゾーゴンはどちらかというとミステリー仕立て

705847 / Pixabay

ホラーといえば怨霊や幽霊が出たり怪奇現象が起こったりして登場人物や観客が恐怖を感じるものですが、「バリゾーゴン」ではそうはいきません。

冒頭でこそ死体が出てきますが、どちらかといえば謎を解いていくミステリーに分類されるでしょう。ミステリーには探偵役が必要ですが、こちらでは監督自らが出演し謎解きを行っています。

その手法はかなり強引で、自分の結論ありきでインタビューをし、希望する答えではない場合、相手の意見に食って掛かることもありました。

バリゾーゴンの内容はキャッチフレーズとかけ離れていた

AKuptsova / Pixabay

「女教員は便槽の若い青年の腐乱死体を愛していた」と宣伝文句にはありますが、実際には遺体は腐乱していませんでした。また女性教員も死体愛好などではなく、発見してすぐに通報しています。

さらに遺体が登場するのは導入部分のみ、監督がつくりたかったのは反原発の映画で、観客が事前に期待したような展開ではありませんでした。

NEXT バリゾーゴンの問題点②現実の事件からかけ離れている