椿の花言葉は怖い?花の色別に異なる花言葉の解説や裏花言葉の背景に迫る

他にも、毒虫に刺されたときにエキスを塗れば収まったり、防臭の効果があるとされています。

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椿茶というお茶も存在し、こちらは茶葉と椿葉が9:1で煎じてあるものです。血糖値の上昇を抑えたり、整腸作用や抗菌作用といった、身体の内面からのアプローチにも効果を発揮します。

工芸品を作るための材木に

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長い時間をかけて成長する椿ですが、その多くは伐採され、太い幹の椿はほとんど手に入りません。もしくは、高級品として扱われているため入手が難しくなっているのが現状です。

椿の樹は、耐久性があり木口の割れも少なく、磨けば光沢が出るのが特徴となっています。漆器や判子、将棋の駒などの、工芸品・細工物にも用いられています。

備長炭の代用にもされる椿炭

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椿の樹から作られた「椿炭」は、火力が強いうえに長持ちする、品質の高い炭であるとされています。火花が飛び散らないのが特徴で、火鉢で使用する際にも適しています。

近年、入手が難しくなっているとされる、備長炭に代わる炭としても扱われています。

椿の花が縁起が悪いと言われるワケ

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前述で、欧米では「罪を犯す女」という怖い花言葉が存在するとお話しましたが、日本でも椿は縁起が悪いと言われることもあります。この理由をご存知の方は、少なくないのではないでしょうか。

日本での椿の縁起が悪いと言われるようになった理由と、贈り物といった用途での注意についてご紹介します。

椿の花が落ちる様子は首のようで縁起が悪い

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この例えは、椿の性質に由来します。椿が花弁を散らすことなく萼(がく)を残して、そのままの状態で「ボトリ」と落ちることを、首が落ちる様子に例えたのです。

椿は大きめの花を咲かせるため、地面に落ちた際には実際に音も聞こえてくるのではないでしょうか。

椿の花の縁起の悪さが定着したのは江戸末期

椿が縁起が悪いとされるようになったのは、江戸時代末期であったとされます。この頃、民衆にも園芸を愉しむ文化が広まりました。

もちろん民衆にも愛された椿でしたが、その広がりの中でこのような観念が生まれたのでしょう。

椿の花は病人のお見舞いにはNG

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この噂は“古くから伝えられる”といったものではありませんが、よく知られている噂に属するので、椿と聞いて死を連想する人も少なくありません。そのため、病人のお見舞いには、不向きな花であるとされます。

他にも、鉢物は根付くから良くないとされるので、花を贈る際にはシチュエーションや渡し方にも、注意をした方が良いです。

庭に椿の花を植えると家運が下がるとも

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美しい花を愛でるために、自宅の庭に椿を植えた人もいました。しかし、同じく「首が落ちる」様子から、「跡継ぎがいなくなる」とさらに連想を重ね、家が断絶するという噂もされることとなりました。

競走馬の名前にも使われない

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タカツバキという名の名馬がいましたが、1969年のレースで開始してすぐに落馬し、中止になるという事件がありました。これ以降、競走馬の名前には「椿」という文字は、おおよそ使われなくなってしまいました。

椿の花が「縁起が悪い」という意外な裏話

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「縁起が悪い」と噂された椿ですが、江戸時代末期から言われるようになったことで、それ以前に悪い噂を持っていたわけではありませんでした。また、それに繋がる逸話も存在していません。

椿ばかり植えないように植木屋が考えた

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椿は古くより愛されてきたお花です。園芸が民衆に流行するようになったとき、椿を植えたいと望んだ人は少なくなかったでしょう。しかし椿ばかりが売れてしまっては困るとした植木屋が、他の花木を売るためにこの噂を広めたという説があります。

椿栽培の抑制のため江戸幕府が考えた

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噂の裏話には、こんなものもあります。江戸時代に将軍や大名、公家といった上流階級の中でも園芸が流行し、椿を求める人が多くいました。そのため、民衆に対して出回る椿の量を減らしたいと考え、このような噂を流した、と言われます。

このように、人気がゆえに「縁起が悪い」と言われるようになってしまったという説が存在します。逆に言うとそんな噂をされるほどに、椿は多大な人気を博していたのです。

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