小林薫死刑囚の生い立ちや性格は?奈良小1女児殺害事件の概要と裁判も

彼は早くに唯一守ってくれる母親を失い、幼少期より家族からも孤立し、否定されて育ってきました。生涯通して家族にも社会にも否定され続けたことが、これほど彼の人間性に影を落としてしまったことは間違いありません。

その結果、これほどの身勝手な事件を引き起こしてしまったことは悲劇としか言いようがありません。

小林薫の人物像④母親への愛情に飢えていた

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法定中に涙を流す人が後を断たなかったという被害者の遺族の証言の時にも、普段と変わらぬ様子を貫いた彼ですが、法廷で母親の話になると、涙を浮かべるという場面があったようです。やはり生涯の中で唯一守ってくれた存在である母親に関しては、愛情への深い渇望があったように感じられます。

小林薫は反社会性人格障害と診断された

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小林死刑囚は、反社会性人格障害と診断されていました、反社会性人格障害とは、サイコパス、またはソシオパスとも呼ばれ、それぞれ先天性と後天性で区別されています。サイコパスの特徴としては、「社会的規範に順応できない」、「人を騙す、操作する」、「カッとしやすい、攻撃的である」などがあります。

彼には、幼児を「騙して」誘拐をおこない、幼児に手を噛まれたことをきっかけに「カッとなって」殺害に及ぶなど、サイコパスと同じ特徴が供述からも見られます。これらの特徴を踏まえ、サイコパスとは「良心をまったく持っていない状態」と言われています。

サイコパスについての記事についてもまとめられています。また、サイコパスと呼ばれる人達が残した言葉についても紹介しているので、こちらの記事もご参照ください。

小林薫が起こした「奈良小1女児殺害事件」の概要

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彼が起こした事件である「奈良小1女児殺害事件」を時系列に沿って解説していきたいと思います。事件全体の流れや経過、彼の実際の行動に迫っていきます。

彼は実際にどのように女児を殺害したのでしょうか。また、どのように逮捕に至ったのかをご紹介します。

小林薫の起こした事件①2004年母親の携帯に誘拐メールが届く

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11月17日の夜、小林薫死刑囚は被害者の有山楓ちゃんの携帯電話を用いて、被害者の母親にメールを送っています。「娘はもらった」という内容とともに被害者の画像を添付しています。GPS機能付きの携帯電話でしたが、そのメールの後、携帯電話の電源を切っているか、GPS機能をオフに設定していたようです。

小林薫の起こした事件②翌18日少女の遺体が発見される

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翌日の18日、少女の自宅からおよそ6キロ離れた側溝で遺体が発見されました。手足に擦り傷が残っていたり、歯が数本抜かれているなどの暴力行為の痕跡が残っていましたが、司法解剖をおこなった結果、水死と判明しました。肺に溜まっていた水は汚れていなかったので、水道水での溺死と想定され、風呂場か洗面器に顔を押し付けて水死させたと判断されました。

被害者の衣服には、毛が付いており、この毛を調べてみたところ、B型とAB型の血液型のものだとわかり、重要な手がかりとして記録されています。

小林薫の起こした事件③目撃証言と防犯カメラで容疑者浮上

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少女が実際に車に乗り込むところを見たという目撃証言や、連れ去られた現場付近の監視カメラの情報から容疑者の情報が浮上していきます。当時、マーチの車が怪しいと報道されていました。

しかし、実際に警察がマークしていたのは、カローラⅡでした。その理由としては、通学路付近でゆっくりと走行を続けていたり、Uターンを行っていたりと、挙動不審だったことが理由だったそうです。

小林薫の起こした事件④「次は妹を狙う」と犯行予告も!

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12月14日には、再び被害者遺族の携帯電話に、犯人の携帯電話からメールが届きました。内容は妹をターゲットとするという事と共に、被害者の画像を再び一緒に添付して送りつけていました。

当時では残酷すぎて報道されることはありませんでしたが、被害者の体はひどく痛めつけられており、この犯人の行動が残虐で人間がする行為ではないとして死刑に繋がっていく理由となってしまいます。

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そして携帯電話のメールは、送信元と受信先の情報が、双方の携帯電話会社の通信記録に残るので、警察がこれらの通信を分析した結果、犯人の特定に一気に近づくことになります。

小林薫の起こした事件⑤「誰でも良かった」と供述

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逮捕後、被害者の女の子を狙った理由については「一人で歩いている女の子なら、誰でも良かった」としてその場の思いつきの犯行であることを供述しています。また、携帯電話で撮影し、両親にメールしたことについても、「殺したことを親に知らせたかった」と供述しており、彼の異常性を際立たせています。

小林薫は逮捕前に周囲の人に写真を見せびらかしていた

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彼は、11月下旬から廃盤店近くのスナックに頻繁に通うようになりましたが、12月下旬には、店の女性従業員に被害者の女の子とみられる写真を見せていたようです。入手先を問われると、インターネット上で、どこからともなく送られてきたと話していたとか。

また、事件について問われると「事件の話を聞くと吐き気がする」と発言をしていたり、「ほんまかわいそうや。早く捕まればいい」と表情を悪くしていたとか。

小林薫が起こした「奈良小1女児殺害事件」の裁判の行方

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彼は逮捕され、結果的に死刑が言い渡されるのですが、その裁判の流れや経過を詳しく解説していこうと思います。同時に、彼の裁判に臨む気持ちはどのようなものだったのでしょうか。ここではそれらについても解説していきます。

小林薫は殺人・強制わいせつで起訴される

小林薫は殺人だけでなく、強制わいせつなどの複数の罪で起訴されています。すべてあわせて8件にも上る数でした。これら8件には前述した2004年9月のわいせつ行為や、新聞配達員の傍らに行っていた女性用衣類の窃盗罪も含まれています。

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