宇都宮病院事件とは?職員のリンチ殺人事件の概要と石川院長と病院のその後

精神障害者への人権保護を改善した内容に変わることになりました。これまでの半強制的な入院から、任意入院ができるように変更されました。また本人や家族への十分な制つめいと合意が必要となり精神保健指定医1名の確認と判定が必要で親族誰かの同意が必要となりました。

改正内容②入院患者の権利を明らかにする

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患者の中には適切な判断を自分でできない人も存在します。そのため、本人の意思によらず入院をしなければいけないこともありますが、人権対する配慮は精神疾患者にも必要であり良質な医療を受ける権利と処遇等に対して不満を申し立てる権利は保障されています。

改正内容③第3者委員会の設立

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精神病院に入院する精神障害者の人権を守るため、入院の必要性等を審査する精神医療委員会が設立されています。人権擁護だけではなく、精神障害者の社会復帰を促進し支援する働きもあるそうです。

宇都宮病院事件に関する書籍

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今回の事件に関する書籍は数多く発売されています。今回は、その内の2つについて紹介をしていきます。

宇都宮病院事件の関連書籍①「東大病院精神科の30年」

東大病院精神科の30年 宇都宮病院事件・精神衛生法改正・処遇困難者専門病棟問題

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東大病院闘争時から一貫しての自主管理・自主看護を掲げ、30年にわたる精神医療改革運動の内容になっています。また、東大医師による人体実験が問題となった宇都宮病院事件の日本における精神医療現場での環境は改善されたのかという内容になっています。

宇都宮病院事件の関連書籍②「新ルポ・精神病院」

新ルポ・精神病棟 (朝日文庫)

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二つのリンチ怪死事件を起こした宇都宮病院の内部の日常的暴力・患者の奴隷労働・院長の法人私物化などで次々と明らかになり、実際に潜入し実態を詳細に記述し、また良心的な病院は解放された空間であり、患者の社会復帰を考えた治療法を探っており精神科の未来について考察している本になります。

他にも病院での事件や事故は起きている

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この事件だけでなく、過去にも多くの病院での事件や事故は起きています。ここでは以前病院で起きた事件や不祥事などについて紹介していきます。

新潟精神病院人体実験

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新潟大学医学部の内科医たちが新潟精神病院の150名近い精神病患者たちにツツガムシ病の病原体を注射し8人の患者が死亡するという人体実験事件になります。新潟大学医学部の内科医は治療のひとつと主張していましたが、精神科医は関与しておらずカルテの記載もなかったそうです。当時国会でも大きな問題として取り上げられました。

近藤病院女性暴行事件

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1968年、以前この病院の患者であった暴力団員が病院の経営権を握ったことにより、女性患者を次々と暴行を受けた事件になります。またこの事件で近藤病院は健康保険の水増し請求も発覚し問題となりました。

栗岡病院暴行事件

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入院患者13人に対して院長がバッドで殴打したことにより死亡事故が発生。死亡した患者は1人と言われていますが、2名だったとも言われています。なお、実際に殴打したのは看護職員で院長は暴行を指揮していたともいわれていますが、実際に患者を殴打したのが誰か真相ははっきりしていません。

安田病院暴行事件

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1969年に看護職員3人が患者を暴行しその結果患者が死亡した事件になります。1969年は他の病院でも様々な収賄や患者の詰め込みをごまかすなどの不祥事や、集団脱走により2人が死亡、火災により6名の患者が死亡するなどの事件が相次いで起きた年になります。

精神疾患者との向き合い方と偏見のない世の中へするには

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統合失調症等の精神疾患を持っている人との付き合い方は難しいと感じる人も多くいると思います。しかし、家族や周囲の人が正しく接し向き合うことができれば、決して難しいことではありません。

精神疾患者との接し方

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精神疾患に関しては現在も偏見の目があるのは悲しい事実です。家族は世間体を気にしてか身内に精神疾患を持っている人がいる場合隠そうとする傾向が多くみられますが、これは本人にとっても家族にとってもマイナスとなります。理由としては家族が病気を受け入れていないことそのため本人も自分の存在を否定されていると感じてしまうからです。

特に統合失調症は難しい病気であり、家族も受け入れるのに時間がかかるかもしれませんが特徴等を理解することで上手に向き合うことが出来ます。本人ができること、できないことを把握してあげてできることは本人に行ってもらい難しいことは周囲がサポートしてあげることが大切です。他、コタール症候群という精神疾患に関する記事はこちらをご覧ください。

誰もが平等の世の中になるために

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人は生まれながらにして平等である権利を持っています。身体障がい者・健常者関係なく人は皆平等であるべきです。しかし、日本においては昔からの風習が根強く残っているところも多く、今でも障がい者に対する偏見はあります。

もし、自分だったら自分の身内だったらと変換させ広い視野を持って人と接するようにすれば、自然と偏見は減り人々が平等の世の中になります。簡単なことではないですし、まだいくつもの障壁があるのは事実ですが一日も早く平等な世の中になるよう努力は必要です。

宇都宮病院事件は精神病院の有り方が見直された事件だった

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職員達による集団暴力により大勢の命が奪われ罪に問われたのは2件だけという残酷な事件であり、また当時の精神病に対する国の措置などから劣悪な環境を生み出し蔓延させ患者の人権を無視した法律が問題となった事件になります。

この事件をきっかけとして、精神病院の在り方や精神疾患者への人権等が見直されることになりましたが問題が大きくなりすぎて見直すのは遅すぎる感じますが逆に問題が起きなければ現状で潤滑に動いているということになりその判断は難しいところにはなるでしょう。

患者不審死による違法治療に関する記事はこちら

コタール症候群という精神疾患に関する記事はこちら