カルチェラタンとは?ジブリ映画に登場する建物!
カルチェラタンとは一体なんでしょうか?ジブリファンではない方にとっては、耳慣れない言葉だと思いますが、今回はこのカルチェラタンについて掘り下げていきます!
他にもジブリに関する元ネタについてもっと知りたい方は、天空の城ラピュタの有名なセリフを紐解いた、こちらの記事をどうぞ。
カルチェラタンはジブリ映画「コクリコ坂から」に登場する建物
カルチェラタンとは、ジブリ映画「コクリコ坂から」の主人公が通う、港南学園の男子文化部部室棟の名前で、明治末期に建てられた歴史ある建物のことです。
映画の中で初めの頃は掃除もろくにされていない、近づきがたい雰囲気から女子生徒や、運動部の生徒たちから、すっかり変人たちの「魔窟」と位置付けられていましたが…。
カルチェラタンはフランス語
カルチェラタンはフランス語だそうで、その綴りは「Quartier latin」と書きますが、なぜ一見映画と何の繋がりもない異国の言葉が、男子文化部部室棟の名前となったのでしょうか。
「コクリコ坂から」のカルチェラタン
カルチェラタンが何なのかわかりましたが、映画の中でのカルチェラタンがどんな設定で、どんな役割や意味を持っていたのでしょうか。
物語の中でかなり重要な存在であるこの建物について、時代背景など交えながら考えていきましょう。
カルチェラタンはアニメ版のオリジナル設定
原作では少女漫画らしく、ヒロインの小松崎 海(映画では松崎 海)と、ヒーローの風間 俊の恋愛模様を主軸にストーリーが進んでいきます。
そのストーリーにカルチェラタンとの絡みは全くないどころか、存在すらしません。ジブリ映画の完全オリジナル設定なのです。この建物を登場させることで、映画では淡い恋愛の要素とは別の要素も加わります。
カルチェラタンをめぐってストーリーが進む
原作とは違い、映画ではカルチェラタンをめぐって話が展開されていきます。
カルチェラタンをめぐる騒動に対する態度や行動で、それぞれのキャラの性格や立場が浮き彫りになるという側面もあります。
作中に「週刊カルチェラタン」という新聞も登場
映画の中では、新聞部部長の風間が「週刊カルチェラタン」という学校新聞を発行しています。風間は高校生ながらも、その新聞を最初から最後まで一人で作っているようでした。
この新聞はガリ版印刷で発行されており、鉄筆で原紙に一文字一文字、手書きで新聞の内容を写さなければならないのですが、手を怪我した風間はその作業に苦戦していました。
手間取る風間を見ていた風間の親友の水沼史郎は、この作業を手伝うよう海に頼み、それを引き受けたことから彼らは親しくなっていきます。
「コクリコ坂から」でカルチェラタンはどうなった?
男子文化部の学生達からは親しまれているカルチェラタンですが、老朽化から取り壊しの話があがります。果たしてカルチェラタンはどうなってしまうのでしょうか!?
ここから先はネタバレを含むところがあるので、まだ映画を鑑賞されていない方は、ご注意ください。
カルチェラタン取り壊しに風間と水沼が反対
カルチェラタンの取り壊しの話が持ち上がりますが、それに対して、風間と生徒会長で秀才の水沼が反対運動を起こします。
新しいものに飛びついて、歴史あるもの(カルチェラタン)をないがしろにすることに二人は強く反対します。
風間はこの主張をカルチェラタンの取り壊しに関する討論会で学生に投げかけ、海は彼の言葉に深く心を打たれ、ますます風間に好意を抱きます。
カルチェラタン存続にヒロインの海も協力する
風間と親しくなった海も、カルチェラタンの取り壊しの反対運動に協力するようになります。
取り壊しに賛成する生徒が優勢な中、海はカルチェラタンを掃除することを風間たちに提案し、女子生徒たちまでも巻き込んだ大掃除を開始しました。
カルチェラタンがだんだん綺麗になるにつれ、掃除を手伝った女子生徒たちを筆頭に、取り壊し反対派が徐々に増えていきました。
カルチェラタンは最終的に存続が決まる
学生達の活動むなしく、学校は取り壊しを決めますが、それを受けて生徒会長の水沼と一緒に、海と風間は東京の理事長の所へ生徒代表として訪ね、学生たちによって掃除されたカルチェラタンを見てもらう約束をします。
理事長は約束通りカルチェラタンを訪問し、生まれ変わって綺麗になったカルチェラタンと学生たちの思いを目の当たりにして、カルチェラタンの取り壊しを中止にすることを決めました。
学生たちの熱い思いがついに理事長に通じ、これまでの活動が実を結んだのです。
コクリコ坂のモデルの山手西洋館では「週刊カルチェラタン」が読める!
なんと映画に出てきた「週刊カルチェラタン」が読める場所があるのです!それは映画の舞台の街、横浜にある山手西洋館です。
さらに横浜では、港の見える丘公園で、海が毎朝揚げている信号旗を見たり、風間と海が歩いていた山下公園を歩いたり、横浜特別版DVDのパッケージに描かれている横浜マリンタワーも見れるのです!
興味のある方はぜひカメラを持参して行ってみてくださいね。
カルチェラタンの由来とは?
そもそもカルチェラタンの由来とは何なのでしょうか?前述したようにフランス語なのですが、その単語としての意味や、場所、それがどう物語とつながるのか、考察していきましょう。
カルチェラタンはフランスのセーヌ川の南にある地名
カルチェ・ラタンはパリの左岸、セーヌ川の南にあり、5区と6区に渡る地域で、大学が集まる学生の街として知られている場所です。
名門大学が集う学生街で、どこかアカデミックな空気が漂う場所である一方、植物園やお手頃なグルメ、異国情緒を楽しめるパリモスクなど、いろんな表情を見せてくれるエリアで、観光地としても人気なのです。
カルチェラタンは「ラテン語地区」の意味
「カルチェ」が「地区」、「ラタン」は「ラテン語」と言う意味で、カルチェラタンは「ラテン語地区」という意味となります。
かつてさまざまな民族が集い、ラテン語が共通語であったことから「ラテン語地区」と言う意味の地名となりました。
このことからこの地域には、民族を越えた繋がりのある、温かく賑やかなイメージを受けますね。それが映画に登場する学生たちの繋がりや、ワイワイと楽し気な雰囲気にマッチしています。