香田証生拉致斬首事件の全貌と動画の内容|イラクでの足取りや世間の声も

この事件がこんなにも騒がれている理由は他にもあります。それは衝撃的な首切り動画です。ただイラクへ戦争を見に行っただけで斬首刑になった香田証生さんのあの死に方はあまりにむごく衝撃を感じる人が多くいました。一部、その光景を面白がる人もいたようですが、その面白がっている人を批判する意見もありました。

現在のイラク渡航危険度

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2004年に自衛隊を撤退しなかった日本ですが、2009年2月には自衛隊を撤退することになります。翌年の2010年にはアメリカものイラクでの任務を終了、翌年に撤退します。するとすぐにイラクの治安は悪化し始めました。

2017年12月ISILからの解放宣言

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2013年4月にISIとシリアの過激派組織が合併したイスラム過激派組織ISIL(イラクとレバントのイスラム国)は建国を目的としてイラク北部のモースル市やイラク西部の多くの都市を占拠しました。

翌年にはISILの攻撃を受けているイラクを支援しようとアメリカのオバマ大統領がISILに対して空爆をすることを決定します。その後は有志連合の支援を受けイラク軍はISILに対して掃討作戦を行いました。

追い詰められたISILは占拠したモースル市やその他、自分たちが支配地を失います。2017年12月にイラクはISILからの全土解放と勝利を宣言します。

テロリスト分子は今なお活動中

しかし、今もなおISILの分子グループが活動していると考えられていて、バグダッド市内などで起こっている自爆テロはISILの犯行によるものだろうと言われています。それは、あるテロ事件をISILと繋がりのあるメディアがISILの犯行だと断言したり、テロを実行しようとしたと思われるISILの分子グループを逮捕したり、ある殺害現場からISILの旗を警察が押収したことがあったためです。

現在もレベル4継続中

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現在のイラクは危険レベル4が継続中です。危険レベル4とは退避勧告を発出していることです。ここにいる人は退避し、渡航はやめて下さいという指示です。2004年のこの事件の頃と比べると各国から支援があり危険度が低くなっているようにも見えますが、まだまだ拉致殺害も変わらず起こり危険な場所です。

香田証生とKLACK事件

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香田証生拉致斬首事件があった2か月後の2004年12月26日に東京ベイNKホールにてヴィジュアル系雑誌のロックイベントが開かれました。出演アーティーストは13組、観客は5000人ほどのイベントで、KLACK事件が起こりました。では、どんな事件だったのか紹介します。

V系バンド「KLACK」

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2003年から活動しているビジュアル系バンドで過激な歌詞やパフォーマンスを行っていました。2004年4月のライブの時には1曲終わったところで警察に止められます。その後ファーストシングルのジャケット撮影を北朝鮮で行おうとして失敗します。11月にはファーストDVDに収録された北朝鮮渡航の映像が話題となりクレームが殺到します。

KLACKのライブで斬首映像公開

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そしてKLACK事件が起こります。2番目に出演したKLACKのライブは始まる前にグロテスクな映像が流れますとアナウンスが入りました。するとスクリーンに香田証生さんが拘束されている画像が映り、演奏が始まるとスクリーンに斬首映像が流れて観客5000人が見ることになりました。このことを知らされていなかった主催者側でしたが後日、謝罪文を出します。しかしKLACKからはコメントは何もありませんでした。

ヨルダンのアンマンにあるコーダホテル

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香田証生さんがヨルダンのアンマンにあるクリフホテルで働いていたサーメルさんは、香田証生さんにイラク行きのバスを手配してあげた人です。サーメルさんは香田証生拉致斬首事件を自分のせいだと心を痛め忘れないために香田証生さんの名前を入れたコーダホテルを2007年8月に作りました。

サーメルさんとは

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パレスチナ人のサーメルさんは19歳の時にヨルダンのアンマンにあるクリフホテルで働き出します。オーナーはヨルダン人でパレスチナ人のサーメルさんを奴隷のように扱いました。23歳の時に孤独を感じていたサーメルさんに旅行客の日本人は礼儀正しく温かい言葉を掛けてくれたことによりサーメルさんは日本人を好きになりました。ホテルに戻った日本人に「ネスカフェはいるか?」と言ってはコーヒーを入れてくれる優しいサーメルさんでした。

サーメルさんと香田証生さん

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香田証生さんがクリフホテルに滞在したのは1日でしたが、イラクに行くと言う香田証生さんをサーメルさんは危ないから行かせたくなったので手配して欲しいと頼まれたバスのチケットもギリギリまで手配しませんでした。最後には香田証生さんの熱意に負けてバスのチケットを取ってしまったことによってイラクに行き殺害されてしまったとサーメルさんは後悔しています。

書籍「香田証生はなぜ殺されたのか」とは

香田証生さんはなぜ殺されたのか

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貧乏旅行作家の下川裕治氏によって執筆された書籍は様々な人に読まれています。特に旅行好きの人が読んで意見をネットに述べています。その書籍の内容は下川氏が香田証生さんの旅の行程を辿り、香田証生さんような旅行者の実状や心性を描いたものでした。下川氏はこの書籍を執筆するにあたり、行き当たりばったりの旅に惹かれてしまう旅人の謎を探りたかったと思われます。

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