北センチネル島はやらせ?入ってはいけない島の驚愕の真実と現在

結論は、これまで紹介したことは「やらせ」ではありません!北センチネル島はすべて「やらせ」なしの真実です。

なぜなら「やらせ」でここまでやることのメリットが何一つないからです。

北センチネル島の「やらせ」で得られるメリットが皆無

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未開部族をネタにした「やらせ」事件(タサダイ族)は、巨額の金銭が動く、国際的詐欺事件であり、裏で一時的に得をした人間(犯人)がいました。

しかし、北センチネル島は、各国から支援が送られたり基金が設立されたりといった、多額の金銭が動く大きな働きかけはありません。儲けや利益を得る存在がいません。

北センチネル島はインドのイメージアップにも繋がらない

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謎の先住民として興味を引くことはあっても、殺害などの事柄がクローズアップされるので、島の存在が管轄のインドのイメージアップに働きません。

それをネタに観光客を呼び込むどころではなく、逆に周辺を立入り禁止にして、法律によって罰則を設ける徹底ぶりで、観光による金銭的なメリットもありません。

北センチネル島に関しては、20世紀後半以降に限っても、数十年にわたって、やらせをすることのメリットが皆無なので、やらせはあり得ません。

北センチネル島の先住民はなぜ人を殺しても処罰されないのか?

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「やらせ」ではないなら、北センチネル島では殺人事件が起きていることになりますが、センチネル族は何の法的処罰も受けていません。

それこそが、彼らが社会の枠組みの中で特殊な位置づけであることを物語っています。それではセンチネル族が処罰を受けない理由について見ていきます。

罪に問われない理由①北センチネル島に近づくことは法律違反

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そもそもの前提として、現在は前述のとおりインドの法律で、周囲約9㎞(5カイリ)にわたって、北センチネル島は立入り禁止です。

すなわち被害者の宣教師チャウ氏は、島への不法侵入の犯罪を犯しています。事実、チャウ氏を案内した漁師ら7人は、その後処罰されています。

罪に問われない理由②インド政府は先住民族を守っている

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北センチネル島への立入り禁止は、宣教師チャウ氏のような悲劇を起こさないためだけでなく、彼ら先住民を守るためでもあります。

外界と長い間触れていない彼らは、現代人にとってはよく知られた病原菌にも、免疫を持っていない可能性があるため、外部の人間との接触によって容易に疫病にかかる恐れがあります。

インド当局の不干渉の方針は、放置ではなく、住民がこれまでどおり生活を継続していけるようにするための政策なのです。

罪に問われない理由③法律で裁くことは不可能

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こうした理由から、彼らに法律を適用することは難しく、彼らへの捜査や、まして殺人罪で逮捕・起訴などは現実的に不可能と言えます。

インド政府としても、実質的に北センチネル島はセンチネル族による「自治地域」というスタンスを取らざるを得ません。

また人類学の観点から、保護対象のセンチネル族を殺人罪で裁くことは不適切だという意見もあり、現在は彼らが罪に問われることはありません。

北センチネル島はなぜ守られているのか?

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前項で北センチネル島とセンチネル族は「保護」の対象であるということを紹介しました。この項では彼らが保護される理由について、もう少し詳しく見ていきましょう。

北センチネル島を守る理由①病気の問題

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長い歴史の間、独自の生活をしてきたセンチネル族は、現代人が持っている色々な病気に対して免疫を持っていないことが考えられます。

万が一、外部の人間が持ち込んだ細菌やウィルスによって彼らが感染症にかかってしまった場合、あっという間に北センチネル島全体でパンデミックが起こる危険も考慮し、彼らとの接触は法律で禁じられています。

北センチネル島を守る理由②先住民の生活

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北センチネル島の生活は狩猟や採集の石器時代レベルと考えられているので、その中にいきなり現代文明が流入すると、彼らが営んできたそれまでの平穏な生活が崩壊したり争いを引き起こしかねません。

そうしたトラブルを避けるため、保護という名目で北センチネル島やセンチネル族との接触は固く法律で禁じられています。

北センチネル島を守る理由③先住民と訪問者の生命の安全

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保護という名目で接触が禁じられている最大の理由は、彼ら先住民が外界との交流を拒絶しているためです。

もちろん会話や文字によるコミュニケーションが取れていないので、センチネル族の本心は図りかねる部分があることは否めません。しかし、訪問者が激しい攻撃に合うというのは厳然たる事実です。

また彼らに対して現代科学の力を持って危害を加えようとする悪意の訪問者が現れないとも限りません。接触禁止という政策はセンチネル族と訪問者の両方を守るために必要不可欠の政策です。

北センチネル島が外部の人間を拒絶する理由とは?

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北センチネル島の住民が外界を拒否する理由は、コミュニケーションが不可能な現状では、正確なところは不明です。

しかしこの地域の歴史を見ていくと、その理由がおぼろげながら見えてきます。ここでは広くアンダマン諸島のたどってきた歴史の真実を振り返っていきましょう。

北センチネル島が人を拒絶する理由①奴隷にされていた歴史

記録に残る18世紀以前、すでに7世紀ごろには、中国やビルマといったアジアの船乗りたちによって、このエリアの島々とそこに住まう人たちの存在はすでに知られていました。

船乗りたちのは、奴隷売買のために島から先住民を連れ去っていたとも言われています。外部の見知らぬ人間に家族や仲間が連れ去られ二度と戻ってこないという先住民にとっては悪夢のような出来事です。

このことは、アンダマン諸島の先住民の記憶にくっきりと刻み込まれたでしょう。こうした歴史も彼らが外部の浸入を拒絶する理由の1つと考えられています。

北センチネル島が人を拒絶する理由②イギリスとの闘い

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19世紀半ばのインドがイギリス(大英帝国)の植民地時代に、アンダマン諸島は反乱者の流刑地となり、収容施設(監獄)が建設されました。

その建設に、アンダマンのいくつかの部族の先住民が無理やり駆り出されました。先住民たちは同盟を結んで数千人規模で抵抗しますが、近代武装した英軍には勝てず、敗北します。

皮肉なことに反乱した先住民たちの多くはその収容所に入れられました。劣悪な環境の中で感染症が蔓延し数百人の先住民が収容所で無念の死を遂げたと言います。

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