許永中とは?フィクサーと呼ばれた男の生い立ちや現在!【イトマン事件】

皇族や政財界のパイプはだいぶ暴かれてきていますが、もちろん表の部分です。

許永中はそこで早くも頭角を現し1975年には休眠会社だった大淀建設の買収に成功し、社長の座についています。その後山口組の宅見勝とも親交深めていきました。東邦エンタープライズを設立します。

許永中がイトマン事件が世の中を騒がせたのは平成3年のことです。大阪に拠点を構える伊藤忠商事に絡む闇の金で数千億円が闇世界に流れたとされる戦後最大の経済事件でした。バブル時代の証ようなストーリーです。

許永中が関わったイトマン事件とは

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許永中が関系したイトマン事件は伊藤萬が不動産取引に失敗し、巨額の赤字を出したという情報を握った許永中が、巧みに伊藤萬に入り込みイトマンに損害を与えた事件です。

伊藤萬から闇ルートに金が流れるトリックを作り出し、多額の金が闇ルートに流れました。まだそのルートは解明されていません。

許永中はイトマン事件のフィクサーとして逮捕されます。しかし、彼は無罪を主張します。イトマン事件では許永中自身が命を狙われていると言い、追ってから逃れるために、逃亡してしまいます。

伊藤萬が創業した会社「イトマン」

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明治から続く伊藤萬は大阪にある中堅の企業で、当時は不動産取引で巨額の赤字を抱えていました。赤字の補填に急ぐあまり闇社会とつながりを持ちます。

ゴルフ場開発や絵画の取引などで巨額の資金を闇ルートで海外に流出させていました。ロートレックの買取りは世間を騒がせました。しかし、大物政治家が絡むという闇ルートはまだ解明されていません。

伊藤萬がイトマンになるまでには、映画さながらの展開が待っていました。許永中は敏感にも伊藤萬の窮状を察知します。実は許永中ではなく大谷の指示によるものだと闇社会では当然の事実だと言われています。

多額の借入金を抱える伊藤に投資を持ちかける

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金額の借金に喘ぐ伊藤萬に話を持ちかけたのが許永中です。許永中は当時雅叙園観光の債権者でした。不動産売買で多額の借金を抱えて喘いでいる伊藤萬に甘いビジネスの話を持ちかけて行きます。

雅叙園観光は、雅叙園とは別の会社です。バブル真っ最中のことで、負債を抱えた会社にとって、それほど奇異な儲け話しではなかったのです。伊藤萬は東証1部大証1部に上場している中堅どころの会社でした。

経営悪化にともない、住友銀行の役員の河村良彦を社長にに迎え総合商社に移行している時でした。許永中の話しにまんまと乗ったのはまさにバブルのなせる技でした。

法外な価格の美術品676億円を売る

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伊藤寿永光は、雅叙園観光に融資していた200億が焦げつき焦っていました。融資先はコスモポリタンや大阪府民信用組合理事会長です。資金繰りのために、住友銀行の磯田や河村に接近します。

伊藤寿光は伊藤萬の常務におさまりました。住友銀行から伊藤萬を介して融資を受けるようになります。許永中はイトマンの再建処理に関わり、河村に美術品や絵画、貴金属などの投資話しを持ちかけます。

伊藤萬は許永中の会社の話しにのり許永中が持っていた絵画を676億円で買取りました。絵画はあり得ないほど、高価で買い取られています。許永中は後ほど、あまり儲かってはいないと言ったそうです。

そのほかにゴルフ場開発も投入させる

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絵画は鑑定評価書の偽造をし、2倍から3倍以上の価格が設定されてしました。河村と伊藤はこれを承知で伊藤萬に買い上げさせ、多額の損害を与えました。その金はどこに流れたかは解明されていません。

また伊藤と許永中はイトマンに対してゴルフ場開発や、地上げ屋をやらせて、多額の資金を投入させました。イトマン事件はバブルを背景にしています。この時代に暗躍したのはバブル期に生まれた経済ヤクザの存在です。

特に手腕を発揮したのは、宅見組組長の宅見勝です、地上げや株の売り買いで、時勢に乗って行きました。宅見は一流企業を相手に面白いように収益を上げました。許永中を上手く使っていたと噂されています。

3000億円以上の資金が闇社会に消えることに

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イトマンは360億、全体では3000億以上の資金が消えました。闇ルートは解明されていない?資金は住友銀行からイトマンを介して暴力団等闇社会に消えていったといいます。

住友銀行は5000億の損失を計上しています。またイトマンの河村は、同社の定例会議で、解任されています。

戦後最大の疑獄事件リクルート事件の詳しい情報はこちらから

すでに河村を除く役員会で、解任が決定していましたが、定例会の席で解任されています。どんな人脈が絡んでいったのでしょう。

またマスコミ工作として流出した資金もありこれは裁判で明らかにされています。当時批判的に報道していた日経や新潮社に対しても資金の流出がありましまた。

しかし、どのようなマスコミ対策をしたのかは明かされていません。許永中自身が手にした金は、大した額ではなかったといいます。確かに金は許永中の手を通って闇社会に流れたのです。

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許永中を取り巻く闇社会の人間は、実に多彩な人間でした。表と闇を使い分けている面々です。

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