コチニールカイガラムシを知らずに食べている?昆虫が原料の着色料の用途や安全性

人気商品にコチニールカイガラムシが使用されていると知って、まさに混乱と困惑のコメントが満載です。

見た目がいかにも虫らしいのも悪評の一因のようですが、下記特集のようにかわいい虫であればそれはそれで問題視される気もします。

コチニール色素の現在は?切り替えが進んでいる?

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発症例が少ないとはいえアレルギー報告があること、また健康被害を抜きにしても、人々に与える抵抗感が大きいとして、現在コチニールカイガラムシは別の食紅への切り替えがすすめられています。

たとえば次の商品は、こういった形の変化を遂げようとしているのです。

スターバックスはリコピンの使用へ切り替え

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スターバックスには以前から、コチニールカイガラムシのような虫由来の食紅を使用することに不安の声が寄せられていました。健康上問題はないものの、消費者への配慮として、スターバックスは今後リコピンという植物由来の顔料に切り替えていくことを発表しています。

カンパリもコチニール色素の使用を中止

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カクテルに多用されることで日本にもよく馴染んだリキュール・カンパリですが、ルビーのように澄んだ赤色を出すのにコチニールカイガラムシが使用されていました。

ですが10年以上前に他の食紅に置き換えられています。今後も安全に問題なくお楽しみいただける食品のひとつです。

三栄源エフ・エフ・アイは低アレルゲンコチニール色素を開発

三栄源エフ・エフ・アイが開発した、アレルゲン物質を極限まで排除した新しいコチニール色素のおかげで、ここ十数年新しいアレルギー症例は報告されていません。

よって国産の食紅で問題が起きることはまずないでしょうが、海外産は同じ精度とはいかないため、今後も注意が必要です。

コチニールカイガラムシはどんな虫?生態は?

ここからはコチニールカイガラムシの生き物としての生態を勉強していきましょう。

日本では生きた状態でお目にかかることはめったにありませんが、養殖という形で人類と何千年も共に歩んできた彼らは、友と呼んでも大げさでないくらい身近な存在なのです。

コチニールカイガラムシの別名はエンジムシ(臙脂虫)

その身体から抽出される濃い赤色から、別名臙脂(エンジ)虫と呼ばれることもあるコチニールカイガラムシ。

臙脂色の染料は多々ありますが、虫が使われたものを生(ショウ)臙脂と呼び分けることもあります。日本には中国を経由して輸入されました。

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