その顔料の名は「青色1号」、食品にもよく使用される目の覚めるようなブルーです。
原材料はタール系
青色1号はタール系顔料です。かつてコールタール(石炭を熱で分解したときに生まれる物質)から作られていたためそう呼ばれていますが、現在は石油由来のナフサという物質から化学合成により生み出されています。
石油なんて食べていいの?!と驚かれますが、異常な量を摂取しない限り健康上の問題はありません。
使用用途はゼリー、アイスなど
コチニール色素はいちごオレやカンパリに使われましたが、ブルーの食品といえば、夏に涼しげなサイダーゼリー、ブルーハワイのアイスやかき氷、またカクテルなど目で楽しむドリンクにも多用されています。
以前コンビニで発売されて話題を呼んだスライム肉まんも青色1号による着色食品です。
脊髄損傷に対して回復効果あり!だが副作用も…
青色1号は顔料として安全なだけでなく、動物実験を行った結果、損傷した脊髄への回復効果まで認められました。
今後は医療面での活用も期待されますが、深刻な副作用として、細胞が青色に染められてしまうことも確認されています。つまり「怪我は良くなるけど身体が青く染まっちゃう!」と…。
こんなにある!意外な原料を使った商品
また着色料に限ったことでなく、世の中は意外なものを原材料とした商品で溢れています。
人間のくらしを豊かに彩ってくれる生き物たちに感謝すべきですが、何より驚きなのは、これらの素材からこういうものを生み出そうという発想の柔軟さですね。通常であれば決してこのような使い方をしようとは思わないものばかりです。
鳥の糞を使った化粧品
日本では昔から美白・美肌効果があるとして、乾燥させ粉末状にした鶯の糞を洗顔料やパックに利用してきました。
使用感が良く効果も高いことから長年婦人たちに愛用されてきたものの、近年鶯が鳥獣保護法によって捕獲禁止となり、また養殖しても大量生産できず、今となっては非常に入手困難な高級化粧品になってしまいました。
猫の糞を使った飲料
インドネシアに生息するジャコウネコがコーヒーの実を食べると、未消化のまま糞と一緒に排出されます。その実を焙煎することにより、何とも甘やかで香り高い最高品質のコーヒーが出来上がるのです。
いちごオレと虫が霞むレベルの衝撃ですが、その豊かな風味は高い評価を得ており一杯数千円するものも珍しくないほどです。
鯨の結石を使った香水
結石といえば病気が生み出す苦痛の石ですが、ひとたびそれが鯨にできると一気に貴重な素材に早変わりします。
加熱によって馨しい芳香を放ち、香水の原料として重宝されています。しかしその性質上養殖は不可能であり、偶然にしか入手できないため、大変に高価であり1kg200万円でやり取りされることもあるとか。