完治することはない病気ですが、投薬や塗り薬によって症状を少なく抑えることができます。ですが、ハーレクイン魚鱗癬は見た目に現れてしまう症状なので、差別や偏見など辛い思いをしている患者はたくさんいます。
ハーレクイン魚鱗癬の最長記録ネリー・シャヒーン
現在ハーレクイン魚鱗癬にかかった患者の中で最も長生きしているのは、31歳のネリー・シャヒーンさんです。呼吸器疾患により平均寿命が22歳と言われているこの病気ですが、医療の発達により寿命が延びています。
アンバサダーを務めるハンター・スタイニッツ
ハンター・スタイニッツさんは、ハーレクイン魚鱗癬のアメリカ人女性です。学校のクラスメイトは、彼女の病気について全くの無知であった為、感染を恐れたり、嫌がらせなどを彼女に行いました。
悩んだ彼女は母親に相談すると、病気の説明をして受け入れてもらうべきだと諭します。大学生になった彼女はハーレクイン魚鱗癬を正しく知ってもらおうと、アンバサダーとして活動を続けています。
2人の子どもを産んだステファニー・ターナー
世界で初めて子供を産んだハーレクイン魚鱗癬の女性がいます。妊娠は母体の免疫を下げることがあり、また飲み薬も制限されるためこれまで出産した患者はいませんでした。
しかしステファニー・ターナーさんは21歳の時に健康な男の子、翌年には女の子を出産しました。今でも感染症への対策や皮膚のケアを続けている彼女ですが、家族で幸せに過ごしています。
トライアスロンで優勝したライアン
ハーレクイン魚鱗癬は肌の硬化のスピードが速いため、毎日の皮膚のケアはすべての患者にとって日常と化しています。そんな中、体を鍛えトライアスロンに挑戦しているライアン君という男の子がいます。
彼はプールや海でトレーニングを重ね、トライアスロン選手となりました。ハイカロリーな食事を取り、肌に突き刺さる海水を泳ぎ切り、二度目のトライアスロンへの挑戦を行っています。
インドで生まれた女児の母は「呪われた子」と発言
2016年にインドで2人目のハーレクイン魚鱗癬の女児の患者が報告されました。目と口は赤く腫れあがり、耳がないように見える動画が公開され、一目見ようと野次馬が母親の家に押しかけました。
母親は地元の新聞社の取材に対し、この病気は呪いによるものと話しました。
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ハーレクイン魚鱗癬は検索してはいけない言葉?
ハーレクイン魚鱗癬という言葉は検索してはいけないとネット上で囁かれています。病名である言葉なのにどうしてでしょうか。
画像検索の結果に注意が必要
検索してはいけないとされる理由に、検索結果で出てくる画像がショッキングであるためとされています。また、ハーレクイン魚鱗癬に関連して出てくる画像も病気や奇形のものが多く出てきます。
「snake baby」で検索すると動画が見られる
「snake baby」と検索すると、様々なヘビの赤ちゃんの画像に交じって真っ赤な目をした赤ちゃんの画像が出てきます。
You Tubeでも動画が載っていますが、あまりにも痛々しい赤ちゃんが写っています。しかし大きくなるにつれ、順調に成長している男の子の病状の説明が流れハーレクイン魚鱗癬への理解を求めています。
ハーレクイン魚鱗癬を検索した人の反応
珍しい病気のため、好奇心で検索する人もいるでしょう。その人たちの中には稀に心無い発言をしている方がいます。
ブラックジャックにハーレクイン魚鱗癬の回があった、かわいそうだというコメントも見ることができます。
今の医療では完治することのない病気、それでも毎日病気と闘っている人にできることは、差別や偏見の目を向けない、病気を理解することです。
ハーレクイン魚鱗癬と同じ希少な難病
ハーレクイン魚鱗癬と同じく、世界にはまだまだ知られていない希少な病気が存在します。その中から今回は二例紹介します。
アイカルディ症候群
これまで世界で400人ほどしか症例がない病気です。この病気も染色体の異常で、男の子は致死率が高く予後は不良です。主な症状はけいれん発作なので、抗てんかん薬の内服などの対処療法を必要とします。
アレキサンダー病
新生児から60歳までの幅広い年齢層で発症します。遺伝子異常でおこり、子供に異常が遺伝する確率は50パーセントとなります。日本には約50名ほどの患者が存在し、精神や運動能力の発達の遅れが生じることがあります。
奇病と呼ばれるハーレクイン魚鱗癬!遺伝子異常による奇形児とは
妊娠中になんらかの原因で胎児に形態の異常が発生し、産まれた子供のことを言います。遺伝的な原因と、環境的な原因に分かれ、後者は二次性奇形や外因性奇形とも呼ばれます。
多指症、合指症なども奇形とよばれていますが、出生後の外科的処置で充分に機能することができます。一歳前後で手術することが多く、足りない皮膚は足から皮膚移植をします。
妊娠中の胎児奇形
妊娠中に実施される超音波検査と、希望者のみ実施される羊水検査の導入が進み胎児奇形が妊娠中に発覚するケースが増えてきました。
告知する医療者にとっても、胎児の両親にとっても難しい判断を下さなければいけません。ですが胎児治療の技術が進み、出産時には健康に生まれてくる赤ちゃんもいます。
ハーレクイン魚鱗癬の治療法発見を待つばかり!
今現在、特効的な治療法はないと言われているハーレクイン魚鱗癬ですが、大学病院などでもさまざまな研究がなされています。魚鱗癬の原因となる病因遺伝子が10個発見されているのです。
研究が進み治験を重ねて、安全性が高く効果が強い特効薬ができることを願うばかりです。
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