日教組とは?左翼の集まり?設立背景や物議を醸す問題・現在の組織率も

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1970年代までの教育は「詰め込み教育」と言われ、問題解決までへの疑問の欠落が批判されていましたが、それに対して「ゆとりのある教育」を提唱。授業削減や一斉テスト廃止などが行われました。

しかし、元々専門家の危惧していた学力の低下が問題になり、近年になってゆとり教育の見直しが図られました。

日教組による道徳教育の排除

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小中学校で多くの人が経験する道徳の授業ですが、彼らはこの授業を否定的に見ています。

教研集会では、国の基準で選択される教科書を用いる事に対して「国の定める価値観を押し付けることによる人格誘導」等の批判が続出しました。

日教組による反日教育

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日教組の教員は反日教育を行うと言われています。実際に大阪の公立中学校で「日本はかつて悪いことをしてきた」という自虐的な歴史を教えるようなプリントが配布されたことがあります。

日教組による自衛官の子どもいじめ

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自衛官を親に持つ児童が不当な扱いを受けたこともあります。かつて日教組に属する教員が警察官と自衛官の子供に対し「彼らの親は悪人」と吊し上げを行いました。

他にも自衛官の息子であることを理由に教師から虐められて登校拒否になったり、内申書の評価を下げられていたりしたという事実も発見されました。

校長を自殺に追い込んだ事件もある

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過去に文部省が国歌の斉唱指導を強めていた時期があり、同時期に広島県のとある学校の卒業式の当日に校長が自殺するという事件が起きました。

自殺の経緯としては国歌斉唱を求める文部省と反対する日教組の教職員との対立に悩んでいたと見られています。

また、広島県は文部省に是正されるまで教職員の組合等が中心の解放運動が盛んに行われていた地域であり、1970年から12人以上の教育関係者の自殺があることから政策と現場の摩擦が激しかったと考えられています。

物議を醸した日教組の活動【社会編】

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次は日教組の社会に対する活動を見ていきます。政治的な影響力も高い左翼団体が社会に与えたものと、その反響を確認しましょう。

戦後の日教組のストライキ問題

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日教組はが文部省と教育政策の方針で度々衝突してきたことはお話しました。その衝突で用いた手段の中にストライキがありました。

代表的なものとしては、査定昇給制度を導入することへの時限ストや、46協定の一部を削除することに対しての時限スト等があります。

ちなみにですが教職員は地方公務員に分類されており、地方公務員のストは地方公務員法で禁止されています。

法で禁じられる選挙運動を行う

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また、法律に違反すると知りながらも選挙活動を行ったこともあります。教員が選挙活動を行うことは教育公務員特例法並びに公職選挙法で禁止されています。

組織の加入者が多い学校では、学校のコピー機やプリンターを使用して選挙活動で使う文書を作成していたことも明らかになっています。

中山成彬の発言に対する物議

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2008年に国土交通大臣に就任した中山成彬氏が「日本の癌」「組織出身の児童は頭が悪くても教師になれる」等の発言をして強く批判しました。

このことで中山氏はマスコミや与党からの批判を受け、国土交通大臣を辞任することになってしまいました。中山氏は日教組に対する発言については「事実であり撤回する気はない」と語りました。

日教組の岡本泰良の不倫報道と資金流用

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委員長の岡本泰良氏が2016年の10月にホステスと食事の後、ホテルに入ったというニュースが週刊誌から報道され、更にこの時タクシーチケットの私的利用等が明らかになりました。

「組合の委員長が不倫など許されることではない」として、このニュースは大きく取り上げられました。

日教組の現在

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日教組が社会にや教育に対して与えてきた影響はここまで解説してきたことの他にもまだあります。ここで、過去ではなく組織の現在に目を向けたいと思います。

2019年現在の組織率は過去最低

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組織率とは、労働者全体の中での組織労働者の割合を指す言葉です。組織への加入率は年々下がり続けています。設立した当初は約86%と非常に高い加入率を記録していました。

しかし、先述したような社会的に問題視される行動を重ねた結果、現在の加入率は2019年現在で約23%と過去最低を42年連続で更新しています。

2019年教研で「めぐみ」上映に消極的発言

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日本と北朝鮮の関係を話す上で切り離すことのできない問題が北朝鮮の日本人拉致ですが、学校ではこの問題を生徒に教えるために、「めぐみ」という実際の拉致被害者を題材にしたDVDを上映します。

ところが北九州市で行われた教研集会の中、外国籍の生徒に対する教育の分科会で鳥取県の高校の教員がこのDVDの放映に批判的なレポートを提出しました。

レポートの内容によれば「在日のコリアンをいたずらに傷つけ、日本人生徒の北朝鮮に対する感情を悪化させる」として、DVDを昨年上映しなかったことを明らかにしました。

Twitterでは「#日教組解体」のワードが

上記の拉致問題に対する消極的、または反日的とも取れる日教組の対応にネット上でも怒りをあらわにする人が多く、Twitterでは「♯日教組解体」のハッシュタグをつけての批判が上がっています。

日教組の体制見直しが求められている現状

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加入率の低下が続いている現状、組織の健全化が求められています。「北朝鮮に媚びている」等と批判されている現状の教育に対するスタンスの見直しを求める声が多く上がっています。

日教組の関係者を指す上で、よく「売国奴」などという呼称が使われますが、正しく意味を把握しているでしょうか。解説している記事がありますので合わせてお読みください。

日教組から分離した「全教」について

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日教組の歴史を話す中で、組織から「全教」として分離した団体があることはお話しました。こちらの団体について組織の違いなどを解説していきます。

「日教組」と「全教」の違い

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教職員の待遇向上や、民主主義を根本とする教育の推進等は同じ点ですが、違うのは教員を聖職者やただの労働者ではなく「民主的教育労働者」と定義している点です。

教員を労働者であると同時に教育専門家であるとして、「労働者」と「生徒のために働く」という立場を一体にして一つの教師としての責任を負っていくという考え方です。

組合員の政治活動を自由とする点も挙げられます。当然法に触れない範囲の活動でですが、個人でいずれかの政党を応援することを否定せず、日教組のような特定の政党を支持することを誤りとする事も大きな違いです。

全教の活動について

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全教の特徴的な活動としては、教育のための署名活動です。全国で3000万人という目標を署名ごとに掲げており、30人学級や教育費の軽減など、12年で2億7000万もの署名を達成しています。

また、部落差別については既に解消されているとして、これらの活動には否定的なスタンスを示しています。この点ではより左翼的、というような意見もあります。

他にも教員の多くが過労死ラインを越えて勤務している事態を解消するべく教員の増加を求める会見などを行ったりしているようです。

日教組に関する書籍

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関連する書籍も何冊か存在しています。これまでの歴史について取り上げているものや、政権との関係について解説しているものがあります。少しだけ紹介します。

日教組関連書籍①森口朗『日教組』

日教組 (新潮新書)

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森口朗氏の著書で、日教組の設立当初の目的やそれから組織の辿ってきた歴史を見ながら、思想の変遷や取ってきた行動について書かれています。

惜しむらくは2010年の書籍なのでごく近年の事柄については書かれていないことです。

日教組関連書籍②阿比留瑠比『民主党と日教組』

決定版 民主党と日教組

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こちらは阿比留瑠比氏の著書で、特に政治との関係について取り上げて解説しています。

北海道教職員組合から不正に資金を受領していた「北教組事件」から始まる政治と金の問題関係について書かれていることから、かなり後ろ暗い部分にまで踏み込んで説明されています。

日教組の在り方も含め今こそ教育は見直されるべき

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かつて児童の教育だけでなく教職員の地位向上や待遇改善を目指して設立されたはずの日教組。長い歴史から時が経つにつれてその理念は歪み、政治的な癒着まで持つようになってしまいました。多くの人が望む今こそかつての理念に戻り、本来の目的である労働の環境健全化を目指して多様な意見を取り入れ動いていくべきなのでしょう。

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