トックリバチとは?生態や不思議な巣の特徴まとめ!毒性や危険性はある?

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トックリバチの獲物はアオムシやイモムシなど、畑にとっては野菜を食べてしまう迷惑な存在です。トックリバチは彼らを狩ってくれる畑の守り役でもあります。

トックリバチの天敵は「ハエ」?!

意外なことに彼らの天敵はなんとハエです。強い虫の代表である蜂なのにいったいどうしてハエが天敵なのでしょうか。

トックリバチの天敵は「ドロバチヤドリニクバエ」!

彼らの天敵となるハエの名はドロバチヤドリニクバエといいます。彼らはトックリバチの巣に自分の卵を忍び込ませ、餌を横取りしてしまいます。

ニクバエのように、他の虫が集めてきた餌を横取りするような寄生の仕方を労働寄生といいます。ハナバチの一部などもこの労働寄生を行います。

トックリバチの仲間「ドロバチ」

トックリバチと同様に、泥や土を材料として巣を製作するドロバチという種がいます。代表的なドロバチとしてはベッコウバチ、スズバチがいます。

巣の作り方や独りで行動をするという生き方、危険度の低さはほとんど同じですが、ドロバチのなかには既存の穴や窪みを巣として利用する種もいます。

トックリバチ以外にも!不思議な巣を作る昆虫

自然界には、他にも不思議な外見をした巣や繭を作る虫がたくさん存在します。彼らの作る奇妙な巣の紹介をします。

巣が独特な形の昆虫①アミクタ

jplenio / Pixabay

アミクタはミノムシの1種で、成虫になるために周りの枝や茎を使って繭を作ります。

その繭はまるで人工的に造られたのではないかというほど綺麗に纏まっており、小さなログハウスのようです。

巣が独特な形の昆虫②トビゲラ

トビゲラは蛾に似た水生の昆虫で、カワゲラ、カゲロウと肩を並べる水生昆虫の代表格です。幼虫は落ち葉や砂粒、カタツムリの殻などを綴り合せてチューブ状の住処を作ります。

身の回りのもので住処を作り上げるという性質を利用し、フランスの芸術家ヒュベール・ドゥプラはトビゲラに金箔や宝石を与えて宝の家を作らせることに成功しました。

巣が独特な形の昆虫③クスサン

ふわふわモフモフした可愛らしい外見をしている蛾のなかまクスサンも、独特な姿の繭を作り上げます。

一般的に蛾の繭といえば糸で隙間なく自分を覆うのが普通ですが、クスサンはまるで飴細工のような質感の網目状の繭に身を包みます。

自然界には、他にもシロアリの蟻塚、トタテグモのドア付きの住処、ジガバチの監獄など摩訶不思議な構造の住処を製作する生き物がたくさん存在します。

いろんな蜂のいろんな巣の形

さて、ここまではトックリバチの巣に関して見てきましたが、他の蜂はどんな姿の巣を製作するのかに関しても紹介をします。

アシナガバチ

蓮の実、もしくは開いた傘に似た姿で、六角形の部屋が露出しているのがアシナガバチの巣です。「蜂の巣」と聞いてイメージされる型では恐らくこれがいちばん有名なのではないでしょうか。

基本的に直径15㎝ほどですが、部屋が100個以上もある巨大なものになる場合もあります。そこそこおとなしい性格ですが、危険なため巣を見つけてもむやみに近づかないほうが良いでしょう。

アシナガバチはイモムシを狩る性質をしており、キャベツ畑では益虫のひとつになっています。また、蜂の子として人間に食べられるのは主にアシナガバチです。

ハキリバチ

ハキリバチはその名の通り植物の葉っぱを切り取って円筒形の巣を製作します。巣には花粉と蜜を混ぜ合わせた花団子を入れて子供の餌にします。

葉っぱを千切ってできたそれはまるでフラワーアートのように美しく、葉っぱを健気に運ぶハキリバチの姿は可愛らしいです。

オオスズメバチ

ミツバチと並んで蜂のなかでもっとも有名な存在で、もっとも危険であるオオスズメバチ。その巣は土色をしたボール状でとても巨大です。

内部はアシナガバチ同様に六角形の穴がありますが、こちらは外側を樹脂の壁で囲んでおり、1箇所出入口が存在します。

彼らの巣は木の中の空洞、床の下、天井裏など目立たない場所に作られます。時には地中に巣を製作する場合もあります。たいへん危険ですので駆除は業者に任せましょう。

ミツバチ

PollyDot / Pixabay

ミツバチの巣は平らな板状をしていて、外壁はありません。コミツバチは1枚だけの板を作りますが、ニホンミツバチ、セイヨウミツバチは複数の板を作ります。

大きなものだと全長1mを超えるほど巨大なものを製作する場合もあります。養蜂場でハチミツのために飼育されていることでお馴染みですね。

六角形の部屋が存在するのはアシナガバチと共通する性質ですが、両者に関係性はなく並行的に同じ性質を得たようです。

アナバチ

La55i3Girl / Pixabay

アナバチはその名の通り、地中に穴を掘ってそこに生活をする蜂です。いくつかの穴を地面に開けますが、それらは全てダミーの穴で、本物は1箇所だけです。

巣を作らないハチも多い

castleguard / Pixabay

蜂といえば巣を作って生活するイメージが強いですが、原始的な種であるハバチ、枯木の内部に産卵するキバチ、他の虫に寄生する寄生バチなど、実は巣を持たない蜂のほうが多いのです。

トックリバチはとっくり型の巣を作る不思議なハチ!

彼らがどんな虫なのかお分かり頂けたでしょうか。見間違いには気をつけて、彼らの巣を見かけたら優しく見守ってあげてください。

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