「グリーンリバー事件」はゲイリー・リッジウェイが起こした連続殺人事件
1982年に全裸の状態の女性の遺体がグリーン川に遺棄してあるところが見つかったことを皮切りに次々と被害者が見つかったものになります。犯人はアメリカとカナダの2か国で犯罪を行ったと言われています。
アメリカ・カナダ合わせての被害者の数は延べ100名を超えていると言われています。またこの事件は長年の間犯人が特定できず未解決になるのではと恐れられていました。
猟奇的な事件を起こす犯人によくみられるパターンとして、生い立ちや家庭環境が複雑であったりするケースが多いですが、この事件の犯人も同じように複雑な生い立ちや家庭環境が影響していたのでしょうか。
グリーンリバー事件と呼ばれるこの事件の犯人は一見普通の大人しいそうな優しい男性でした。このような事件を犯した犯人の生い立ちや家族の事犯人の心理状態などについて見ていきます。
遺体をグリーンリバーに捨てることから呼び名がついた
被害者には共通点がありました。それは、被害者の殆どが売春をしていた女性であること。そして売春婦でない被害者は家出をしている事でした。水中や川沿いに遺体が集中していたことから、グリーンリバー事件の名称がつけられることになり、犯人逮捕へ向けて大がかりな組織体制が組まれることになりました。
そして、被害者となったのは大半が売春婦であり、遺体を全裸にすることから売春婦や女性に対して大きな嫌悪感を抱いている人物ではと言われていました。
また、遺体を川の周辺に遺棄する等人に見られてもおかしくない場所に堂々と遺棄していたことや、長年の間犯人がつかめなかったことから猟奇的なシリアルキラーであり、犯人に対して遺棄現場となったグリーン川と殺人鬼のキラーを意味する言葉を合わせて呼称がつけられました。
犠牲者は100人を超えるとも言われているグリーンリバー事件
この凶悪で猟奇的な連続殺人事件の犠牲者となったのは、アメリカで48~49名の女性カナダで60名~61名を殺害しており事件は1982年から90年代に集中していましたが、2001年まで犯人が突き止められなかったことから、グリーンリバー事件はアメリカ史上稀に見る凶悪な犯罪だったと言われています。
犯人が長年の警察の捜査が実り逮捕となりましたが、まだ全ての犠牲となった女性たちの遺体は発見できておらず実際の犠牲となった人数は明確には判明していません。また、事件は1982年から1984年に集中しており、事件が途絶えてから真犯人を見つけることができるまでに実に長い年月を要してしまったグリーンリバー事件になります。
犯人ゲイリー・リッジウェイは殺人と強姦を繰り返し行っていた
迷宮入りが危惧されていましたが、警察はついに犯人を突き止めることになります。事件の真犯人として逮捕されたのはゲイリー・リッジウェイという当時52歳の物静かな男性でした。全米を震撼させた殺人犯がこのように物静かな男性だったことに世間は驚きを隠せませんでした。
1982年に売春をしていた16歳の少女と出会った事が皮切りとなり、その後数年に渡り性行為をした後に殺害して犠牲者を川の近くに遺棄する行為を繰り返し行っていました。また時には殺害した女性を屍姦していたそうです。
仕事は30年間トラックの塗装業に就いており、仕事ぶりは実にまじめでまた親しみやすい性格をしていたそうです。しかし、一方で宗教にのめり込んでいる一部もあり休み時間などには聖書を音読していたとの話もあり変わった一面もあったようです。
ゲイリー・リッジウェイは2001年に逮捕され現在も服役中
グリーンリバー事件は長年逮捕さることなく殺人犯のゲイリー・リッジウェイは通常の人たちと何ら変わりのない、普通の生活を送っていました。しかし、2001年についに決定的な証拠が見つかり逮捕されたことになりました。
逮捕された後の裁判の際に自分が殺害した人数について100名以上の女性を殺害したと供述したそうですが、実際の人数は犯人自身も把握しておらず裁判でグリーンリバー事件の被害者として実際に認められたのは48名で、この48名に対しての殺人での裁判と判決になりました。
後にもう1人の犠牲者が発見され49人対する罪となりますが、被害者は他にも大勢いるとされ死刑を求刑しない代わりに未だ発見にいたっていない女性たちの遺体捜索の協力と既に48名の殺害を認めるという司法取引がおこなわれ終身刑の判決となり現在も刑務所に服役しています。
犯人「ゲイリー・リッジウェイ」の生い立ちや家族、異常な性欲
シリアルキラーとなり全米を震撼させる殺人鬼になったゲイリー・リッジウェイは生まれながらにして殺人者となるべく特質があったのでしょうか。虐待などの複雑な家庭環境があったのでしょうか。
彼の生い立ちや家族などがグリーンリバー事件に何か影響があったのでしょうか。生い立ち・幼少期から青年期になってからそして結婚してからの事を探っていきます。
大きくなるまでおねしょが続いていたゲイリー・リッジウェイ
3人兄弟の次男でユタ州の産まれでしたがその後ワシントン州に引っ越しをしてフロリダで過ごすことになります。一見普通の家族に見えますがゲイリー・リッジウェイは失読症もありまた、知能が平均よりも少し低かったそうで大人しい性格で13歳になるまでおねしょが治らなかったそうです。
IQが低かったことが原因なのか極度の緊張により引き起こされていた夜尿症なのかは判明していませんが13歳になるまで夜尿症が続いていたことはやはり何かしらの精神的な要因が絡んでいたとされています。
そのため、ゲイリー・リッジウェイは社交的とは程遠い物静かで内気で自分の意見を言わない性格だったようです。シリアルキラーやサイコパスにはIQの高い人物が多いと言われていますが、知能に関しては平均以下でしたが特徴などからサイコパス等の特質があった事が伺えます。
そして、幼少期だけでなく大きくなってからも夜尿症が治らないというのは、シリアルキラーなどによく見らる特徴の1つです。他サイコパスと呼ばれた殺人鬼に関する記事はこちらをご覧ください。
父親は暴力的・母親は過保護だったという説も
父親は気性が荒くよく暴行をふるう男で娼婦に嫌悪感をもっておりよく愚痴を言っていたそうです。父親はトラックの運転手をして生計を立てて家族を支えていたそうです。
母親の性格については諸説ありますが、たいていの場合は夜尿症は幼い内に落ち着くはずが、ゲイリー・リッジウェイの夜尿症は大きくなるまでなかなか治らなかったそうです。そんな息子に対し母親はおねしょをするたびに体を洗ってあげていた優しい母だったと言われています。
IQが平均値よりも低かったため、IQの低い息子をとても心配し過保護な母親だったという説がありますがこれには諸説ありますので、実際に過保護だったのかは判明していません。
5人家族で3人兄弟の真ん中父親は少し暴力的で子どもの前で売春婦の愚痴をこぼすという売春婦の話を子どもの前で話すことがごくありふれた家族とは少し違うのかもしれませんが、生い立ちに関してや家族の環境などについて著しい問題があるような感じは伺えません。
ゲイリー・リッジウェイは高校生のころに少年を刺している
ゲイリー・リッジウェイは大人になって初めて犯罪に手を染めたわけではありません。彼に犯罪者としての猟奇的な部分が出てきたのは16歳の時になります。この歳に1度傷害事件を起こしてしまっていました。
6歳の少年を言いくるめて森に連れていき少年の肝臓付近を刺したことがありますが、少年は一命を取り留めることができましたが子どもをどのように森に連れ込んだのかは明らかになっていません。
海軍へ入ったゲイリー・リッジウェイ!卒業後に結婚
ゲイリー・リッジウェイは高校を卒業したあと高校の時から交際していた当時のガールフレンドだったクラウディアと結婚しています。
しかし、海軍に入隊してすぐゲイリー・リッジウェイはベトナムへ送られることになり、そこで娼婦を買いあさるようになりました。海軍として派遣されていたベトナムで娼婦遊びにふけってしまったゲイリー・リッジウェイはあろうことか娼婦から性病を移されてしまったそうです。
避妊をせずに性交渉をしていたそうですので、彼が性病を患ってしまったのは自業自得ともいえるでしょう。売春婦に対して怒りがあふれ出たそうですがそれでも娼婦あさりは辞められなかったそうです。
またクラウディア自身もあろうことか夫であるゲイリー・リッジウェイの友人と不倫をするなどの泥沼の結婚生活となってしまい2人の結婚生活は短い期間で終わりを迎えることになりました。妻と友人2人の人間に同時に裏切られ人間不信になったとも言われています。
母親に対する異常な感情と売春婦への執着
ゲイリー・リッジウェイは思春期の頃、母親に対する2つの感情を頂いていたと語っています。母親に対する怒りと憎悪だけでなく、母親に対して性的な魅力を感じる感情を持ち母親を殺害する姿をよく想像していたそうです。
何故母親に対して性的な魅力を感じていたのかは生い立ちからはわかりませんが、母親から愛情を注がれていないと感じていたのかもしくは母親の愛情が大きすぎて恋愛のような感情となっていたのか、彼の生い立ちに関しては諸説ありますので真相は不明です。
また、父親が売春婦の愚痴をよく言っていたことが原因なのか、もしくは母親に対する満たされることない性的な魅力が原因なのかは不明ですが 売春婦に異常なまでの執着を持っており、本人もこのことについては認めています。
異常な性欲で所構わず1日に何度もセックスしていた
ゲイリー・リッジウェイは3回結婚をしていますが、結婚をした妻たちやかつの恋人はたちは性に関する欲求は他の人と比べてもゲイリー・リッジウェイの性欲は異常すぎるほどだったと言う話があります。
世の中に性欲の強い人間ももちろん大勢いますが、性欲だけでなく性への執着も異常だったそうです。相手が乗り気でなかろうが拒否を使用が関係ない自分の欲望のままに動いていたそうです。
1日に何度も求めるだけでなく自分が欲求不満に陥ると公共の場所であろうが屋外であろうが関係なしに性交渉を求めたそうです。そのため、お金で身体を売る売春婦に執着し性交渉をしていたのではとの推測もあります。
ゲイリー・リッジウェイと息子マシューの関係
人生の中で3度結婚を経験して複雑な事情等から離婚をしているゲイリー・リッジウェイには、2番目の妻との間に1人だけ息子がいます。しかし、最終的には結婚生活は破綻してしまい離婚をしたときに息子のマシューは母親のほうへ引き取られています.
ゲイリー・リッジウェイは息子のマシューに対してどのような感情を持っていたのでしょうか。自分の父親が暴力的だったように息子に暴力をふるっていたのでしょうか。
始めの結婚は上手くいかずすぐに離婚となり結婚に対してネガティブなイメージを持っていたとされるゲイリー・リッジウェイにとって、子どものマシューはどのような存在だったのか、また子どものマシューから見てゲイリー・リッジウェイは父親としてどうだったのか見ていきます。
ゲイリー・リッジウェイはマシューを溺愛していた
1人目の妻とは泥沼の不倫による離婚劇となってしましたが、2番目に結婚した妻との間に息子のマシューを授かることができ幸せな家族のように思えましたが、不安が上回り最初の結婚と比べると満たされていなかったそうです。
不安を払しょくするように息子のマシューを色々なところに連れていくなど溺愛していましたが、妻との間の違和感を解消することが出来なかったため、離婚となり家族は離れ離れに生活することになりました。
離婚により引き離された殺人鬼ゲイリー・リッジウェイと息子のマシューですが、息子と離れて暮らさなければいけなくなった寂しさからなのかゲイリー・リッジウェイは売春婦遊びが加速していったそうです。
息子から見るといい父親だったゲイリー・リッジウェイ
離婚をして家族が別々に暮らし始めてからも、ゲイリー・リッジウェイは溺愛していた息子と定期的に会っていたそうです。
学校行事にも積極的に参加してくれたりキャンプに連れて行ってくれたり、スポーツに夢中になっていた時に誰よりも応援してくれるなど息子のマシューからすれば優しい父だったようです。
息子のマシューも、一度も怒られたことが無く穏やかで優しい父だったと語っており、100名以上殺害した殺人犯と自分の中での父親が真逆の人間であるため、アメリカを震撼させていたシリアルキラーがまさか実の父親のゲイリー・リッジウェイだと信じられなかったと話しています。
マシューが小学生の時に警察は一度目撃証人などから犯人像を割り出し、ゲイリー・リッジウェイを容疑者としてDNAや噓発見器で調べていますが、マシューは何百人もいる容疑者の中の一人であり父親が犯人であるはずがないと信じていたそうです。
息子からしてみても、自分の父親が恐ろしい犯罪を犯しておりまたその姿が普段自分が知っている父親の姿とは似ても似つかない姿だとすれば受け入れることは難しく、無実であると信じたくなる気持ちは理解できます。
実際にこの取り調べで噓発見器にかけられたゲイリー・リッジウェイは被害者の女性の写真を見せられた際に知らないと答え反応が見られなかったため、警察は犯人ではないとして釈放され殺人犯は放たれてしまいました。
実際には真犯人でありながら、噓発見器の犯のによりシロとされた理由はゲイリー・リッジウェイは犯人の女性の顔や名前を一切覚えていなかったために噓発見器に反応を示さなかっただけであったそうです。