エドガーアランポーの生い立ちとは?怪奇と幻想に満ちた代表作品を紹介!

語り手の友人であり、現在は隠居し静かな生活を送っていたルグランという男性が、ある昆虫を入手するところから物語はスタートします。主人公には、その昆虫が奇妙な模様を持つただの虫にしか見えませんでした。

しかし、ルグランはその秘密に気が付き、数週間の後に主人公を呼び出します。なんと、その虫に隠された秘密とは海賊キッドが隠した財宝の在り処だというのです。2人は連れ立って、暗号の示す地へ赴くのでした。

エドガーアランポーの代表作③ウィリアム・ウィルソン

ウィリアム・ウィルスン

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この物語は、モルグ街の殺人などとは毛色の違う、語り手の独白のような形式でストーリーが進んでいきます。語り手は「ウィリアム・ウィルスン」という偽名を名乗り、自分に降りかかった不幸について書き記します。

ウィリアムは、彼の人生においてずっとある人物が伸び付きまとっていると記します。その相手の名は「ウィリアム・ウィルスン」。空恐ろしいことに、名前どころか2人のウィリアムは進路も行動も全てを同じにします。

そのもう一人のウィリアムの執拗な行為によって、語り手のウィリアムの人生は散々なものとなりました。ついに耐え切れなくなった語り手のウィリアムは、ある思い切った行動に出るのでした。

エドガーアランポーの代表作④黒猫

黒猫

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この作品は、今までのミステリ色の濃い作品とは違って、かなりホラー色の強く感じられます。物語の主人公は動物をこよなく愛する一人の男性で、その男性が飼っているうち1匹の猫がストーリーの起点になります。

動物を慈しみ、妻と動物たちと平穏に暮らしていた男性。しかし、男性は次第にアルコールに依存するようになり人が変わってしまいます。そんなアルコールに依存する男性に、更なる不幸が襲いかかります。

その不幸とは火災でした。その火災をきっかけに、男性は一気に狂気の坂道を転がり落ちていきます。最初は、あんなに大切にしていた動物たち、そして次いでは大切にしていた猫、そして最後は愛する……。

エドガーアランポーの代表作⑤アッシャー家の崩壊

アッシャー家の崩壊

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アッシャー家の崩壊も、代表作のモルグ街の殺人等と同様に、主人公の視点によって物語が綴られていきます。また、この小説の幻想的な世界観は、後のゴシックホラーへ多大な影響を与えたと言われて負います。

主人公はある日、旧友であるアッシャーから一通の手紙を受け取ります。中には、妹と2人で大きな屋敷に隠遁しておりアッシャー家特有の病によって精神を病み、その治療の手助けをしてほしい旨が書かれていました。

最初のうちは、音楽を楽しんだり、読書を共にしたり穏やかに過ごす3人。しかし、旧友の妹の死と、主人公が一冊の本を読み聞かせ始めたことをきっかけに様々な怪奇現象が発生するのでした。

エドガーアランポーは小説以外にも詩や書評を多く残した

ポー詩集 (新潮文庫)

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怪奇小説や幻想小説以外にも、エドガーは様々な分野で文才を発揮しています。雑誌の編集者を務めていたこともあり、目的によって文体を変えることを得意としたようでストレートな批評文は読者にも好評でした。

また、エドガーアランポーは数々の美しい詩を残しており、それらを編集した詩集の出版にも精力的に活動していました。詩においては、エドガーは文法や内容の整合性よりも「美」を意識して創作していたようです。

エドガーアランポーと江戸川乱歩の関係とは?

出典:wikipedia

「D坂の殺人事件」や「少年探偵団」など、大人向け幻想怪奇小説から子供向け小説まで手広く執筆した奇才である江戸川乱歩。日本人である彼も、如実にはるか異国の人であるエドガーアランポーの影響を受けています。

江戸川乱歩のペンネーム自体も名前をもじったものであることから、その影響力は容易に察することができます。作品としては、処女作である「二銭銅貨」で顕著に「黄金虫」の影響をうかがい知ることができます。

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