トゥアレグ族とは?シルバーアクセサリーも販売?「青い民族」の正体に迫る

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サハラ砂漠での取引を掌握し、時には他の隊商を襲ったりオアシスの略奪を行っていた彼らは好戦的な一面がありました。フランスによる北アフリカの植民地化にも当然強く反発しトゥアレグ抵抗運動を展開し、闘争を繰り広げましたが徹底的な弾圧が行われました。この弾圧から逃れるため多くのトゥアレグ族たちが難民となってリビアへ押し寄せました。

リビアでは戦力として重宝された

好戦的な気性を持つことからリビアでは戦力として重宝されたという歴史もあります。当時のリビア独裁者であったカダフィ大佐もリビア軍に彼らを組み込み重宝しました。

トゥアレグ族「アザワド解放民族運動」に加担

カダフィ大佐によって戦力として重宝されてきたトゥアレグ族でしたがカダフィ大佐が殺害されたことで再び場所を失います。リビアからマリへ流れ込みそこにいたトゥアレグ族たちとマリ北部砂漠地帯アザワドにおける独立を要求する「アザワド解放民族運動」に加担しました。

これまでもマリ政府がトゥアレグ族たちの貧困や訴えを無視し続けてきた不満がここで一気に噴出した形となりました。

2011年アザワドの独立宣言で収束、現在に至る

2011年にはリビアの内戦運動にも加わり独立を主張し続けたトゥアレグ族ですが、その翌年にはマリ軍事クーデターも引き起こし力を見せつける形でマリ北部地域であるアザワドの独立を宣言しその長い混乱を収束させました。

日本にも薩摩隼人と呼ばれる戦闘民族がいました。詳しく知りたい方はこちらをどうぞ。

トゥアレグ族の現在

かつてはサハラ砂漠の貿易を掌握し、女性も含め勇敢で好戦的な民族である彼らは今この現代においてはどのような生活を送っているのでしょうか?トゥアレグ族の現在に迫ります。

遊牧生活に終わりを告げ定住化するグループが増えている

これまでは遊牧を生活の軸としながらラクダで隊商を組み貿易を行い収入を得ていました。加えてその好戦的な生き方を評価され戦士として暮らしてきた彼らでしたが近年の相次ぐ自然災害によりサハラ砂漠の干ばつは急速に進みこれまでのような遊牧生活を送ることは困難となってたのが現実です。

トゥアレグ族の裕福な層から家畜を手放し長年続いてきた遊牧せ活に終止符を打ち、定住化する流れが加速しています。

シルバーアクセサリーを有名ブランドで販売

トゥアレグ族たちは青の衣装をまとうだけでなく、代々受け継がれるシルバーアクセサリーを身に着ける習慣も持っています。アクセサリーは様々な民族独自のものがありますが、彼らのシルバーアクセサリーもその1つです。そのアクセサリーには出身地や出生、氏族などが刻まれており遊牧民であるからこそ自分たちの生きてきた歴史や生まれた場所を持ち歩き大切にしていました。

身分階級には3段階あると前述しましたが、一番下の奴隷のさらに下には鍛冶という身分も存在しており、彼らがこういったシルバーアクセサリーを創り上げています。まさに唯一無二のデザインと精巧な作りが評価されこのシルバーアクセサリーは日本の有名セレクトショップでも販売されています。

トゥアレグ族はバンド活動や映画作成に協力

生ま育った土地を追われ、内戦に身を投じた歴史を持つ彼らは今は武器を捨てる代わりにバンド活動を通じてその強いメッセージを発信し続けています。有名なバンドは「トゥーマスト」です。紛争のさなかに生み出した「砂漠のブルース」と評される音楽は今も彼らのおかれている厳しい状況を訴えるためヨーロッパを中心に各地で演奏され続けています。

ドキュメンタリー映画「トゥーマスト」

そんな彼ら「トゥーマスト」のドキュメンタリー映画も存在します。身に着けているシルバーアクセサリーも見ることができます。民族という幅を飛び越え、自分たちの歴史や誇りを伝える活動を様々な切り口で行っている彼らの姿をぜひご覧ください。

トゥアレグ族モチーフの作品やキャラクター

Falkenpost / Pixabay

サハラ砂漠に暮らし、青いターバンを風にたなびかせ遊牧を行い、時には勇敢・果敢に戦闘に参加する彼らの姿は実にキャッチーであり存在そのものが映画のように感じる人も多いでしょう。そんなトゥアレグ族をモチーフにしたいと思うのはクリエイターなら当然のことかもしれません。ここではトゥアレグ族をモチーフにしたといわれている作品やキャラクターをご紹介します。

劇場版アニメ『ハーモニー』

Amazonで見る

霧慧トァンは13年前に自ら命を絶ってしまった友人・御冷ミァハの存在に縛られながらも世界の平和維持活動を行う監察官です。このトァンが戦地で交渉・取引を行う相手に「砂漠の民」としてトゥアレグ族の戦士アサフが登場します。

クレイジージャーニーで紹介

クレイジージャーニーでも写真家「ヨシダナギ」さんによって紹介されました。この番組によって青いターバンを身に着ける砂漠の民は日本でかなり有名になったともいえるでしょう。

ガンダムにも登場!「トアレグ族」

このクレイジージャーニーの中でVTRを見た出演者から「ガンダムにもこういった青の部隊」がいたよね、とコメントが出て話題となりました。それほど彼らの姿はかっこよく強いストーリー性を感じさせるものでした。

こちらは存在しない未開の民族をでっちあげ巨額詐欺を引き起こしました。詳しく知りたい方はこちら

サハラ砂漠の宝石「アイールとテネレの自然保護区群」も戦地だった

hassan9 / Pixabay

サハラ砂漠の中南部にテネレ砂漠と呼ばれる地帯があります。トゥアレグ族たちの言葉で「何もない場所」を意味します。その言葉の通り、一面砂漠しかありません。しかしその壮大な風景と美しい砂が広がる大地は他では見ることのできない美しさで「サハラ砂漠の宝石」と呼ばれています。

しかし、この美しい「サハラ砂漠の宝石」は彼らが繰り広げた内戦の戦地でもありました。独立宣言を受け内戦は終息したとされていますが今でも危険遺産リストに加えられたままです。日本からの渡航もその危険度から現在も禁止されおり私たち日本人は行くことはできません。

日本から遠く離れた地の内戦がいかに激しいものであったのか、そしてそんな戦いは今も私たちの暮らしにこうして影響を及ぼすほどの規模であったことが想像できるでしょう。

トゥアレグ族よりも強い?世界最強の戦闘民族は?

高い戦闘力を活かし自分たちの活路を切り開いてきたトゥアレグ族ですが、この地球にはほかにも戦闘部族は存在します。世界最強と謳われているのはネパールのグルカ族です。いくつかのネパールの山岳民族から構成される集団でククリナイフと呼ばれるまさに盗賊が持っていそうなナイフを武器に戦います。

彼らもトゥアレグ族たち同様、自分たちの領土の主張とその民族の独立を主張し、グルカランドという自治州を持っています。

砂漠に映える青のターバン「トゥアレグ族」!

一面の砂漠で先祖から受け継がれたシルバーアクセサリーを身に着け、目の覚めるような美しい青のターバンを身に着けるトゥアレグ族。女性の力も強く、貿易を掌握してしまうほどの高い交渉力と戦闘力を誇る彼らの魅力は伝わりましたか?はるか海を越えたアフリカの地にはまだまだ魅力的な人々が暮らしていることでしょう。

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