ニョロニョロとは?ムーミン谷に住むお化け
ムーミンの作中に時折現れる不思議なキャラクター。作中で登場するときは、その大体が集団となって姿を表します。
その奇妙ながらも可愛らしい姿は、”地平線を目指し旅をしている”というのです。
今回はその二ョロ二ョロに焦点を当て、この作品に都市伝説や謎について詳しく紹介していきたいと思います。
ムーミンのニョロニョロはどんなキャラクター?
まずは基本的なキャラクターの見た目について説明していきたいと思います。
ムーミンの作品の中でも人気のある二ョロ二ョロ、こんな外見的特徴があるんです。
丸い円柱状の体に短い触手がある
にょろっと長い円柱状の体で、頭の部分に丸みがあります。その側面にごく短い触手が4~5本生えています。この体や触手をくねくねと動かしながら行動を起こします。
体の大きさ、高さはムーミンの半分くらいまでしかありません。
全身は真っ白、目玉だけが付いている
体は全体的に真っ白、その体には大きな目玉がふたつついているだけというシンプルなビジュアルで、口や鼻といったものは見当たりません。
目玉の色は登場する際の空の状況によって変化しています。デフォルトでは青で描かれていることが多いようです。
足もあるが隠れて見えない事が多い
実はこの白く長い体には不規則な形の足が生えているんです。なのでどこかへ移動する際にはこの足を使っているのですが、草むらや岩陰などによってその足は見えることはほとんどありません。
くねくね動きながら移動する姿は可愛らしいですが、ぜひその足の動きも見てみたいものですね。
ムーミン・ニョロニョロの謎多き生態
見た目だけでも謎の多いこのキャラクターですが、その生態はどんなものなのでしょうか。
ムーミンの作品をじっくりと見たことがある人にしかわからないような不思議な生態が隠されているんです。
ニョロニョロの生態①種から生まれる!
謎多き二ョロ二ョロは、なんと種から生まれてきているんです。そのシーンは作品の”公園番のかたきうち”というストーリーで描かれており、なんとその種をもっていたのはスナフキンだったんです。
この種はムーミン谷で行われる夏祭りの前日に蒔かなくてはならないという決まりがあり、生態は謎が多いですが設定はきちんとされているようです。
作中では”つやつやとした白い小さな種”と表現されていて、種の見た目もその姿をイメージさせています。
そして蒔かれた種によってニョロニョロは夏至の前日に生まれてくるのです。ちなみにこのキャラクターには性別はありません。
夏至の日に集合する
夏至は二ョロ二ョロにとってとても重要な日となっています。この日、ム一ミン谷から北北西にある島で集会を開催するために各地に生息している二ョロ二ョロはこの島に大集合します。
その数は700体にもなり、それを見たムーミンが困り果てるというシーンがあります。
白い不思議な生命体が700体も集まっている様子は不気味なものがありますし、ムーミンの谷の住民が困ってしまうのも無理ないでしょう。
ニョロニョロの生態②耳が聞こえず、喋れない
音が聞こえておらず、話すこともできません。耳や口が描かれていないのはこのような理由があるからなのでしょうか。
音の聞き取りができていないことについては、作中でム一ミンパパが話しかけたことへのリアクションがなにもなかったというエピソードからも納得がいきます。
大きな目玉は描かれてはいますが、その目は視力が弱く、あまり見えていないようです。
感覚には優れている
聞こえずあまり見えずのニョロニョロですが、その代わりに感覚的な物はとても優れていて、地面からの震動や電気などを敏感に感じ取っているんです。
話せないことに関してはテレパシーで会話をしているようです。
ニョロニョロの生態③電気を蓄える
不思議な特徴のひとつが、体に電気を蓄えることができるということです。生まれて間もないときには通常よりも多くの電気が蓄えられていて光り輝く姿をしているので神秘的です。
雷が鳴っているときにもその電気を体に蓄えています。なので生まれたてと雷が落ちたあとは大変危険で、近寄っただけでも感電してしまいます。
作中では電気を蓄えたニョロニョロに接触した女の子の前髪が燃えてしまったというエピソードもあります。
ニョロニョロの生態④知性がある?
話すことはできないですが、ムーミンや他の住民にお辞儀をするなどのコミュニケ一ションを取ることはあります。お辞儀が挨拶の手段と捉えているようです。
耳が聞こえず話しかけても無反応というエピソードはありますが、スナフキンの話すことを理解したようなそぶりを見せているシーンがあります。
電気信号やテレパシーによって相手の考えを読み取ることでコミュニケーションを行えているようです。
感情はない?
ムーミンや他の住民の気持ちを感じることはできるようですが、残念ながら感情はないと言われています。表情ひとつ変らないのもその影響でしょう。
ニョロニョロの生態⑤食事は取らない
原作では食事を取ることはありません。その体に口が無いから食べられないのか、はたまた食欲というものを感じていないのかは謎のままです。
電気を蓄えることができることから、電気がエネルギー源であると考えている人も多いようです。
ニョロニョロの生態⑥眠らない
そしてこの生態は眠ることもないようです。不眠なことについては理由は書かれていませんが、とくにその体に影響ははないのでしょうか。
常に起きていて食事をすることもないとは、謎でだらけです。
ニョロニョロの生態⑦透明になることも!
普段は白い体で姿を現しているのですが、なんと透明になることもできるんです。
なぜ透明になるかという理由もはっきりと明かされていませんが、外敵から身を守るためなのでは?と考える人もいるようです。
ニョロニョロの生態⑧奇数で行動する?
常に複数で行動しているのですが、その数はいつも奇数なんです。作中で小さなボートに乗るシーンがありますが、ここでも数は3体です。
なぜ奇数で行動しているかという理由は謎のままですが、作中のみならずグッズなどで描かれているときもすべて奇数です。
気になる方はぜひグッズを見かけたときに数えてみてください。
ニョロニョロに対するムーミン谷の住民の反応
ム一ミン谷の住民たちにとってはどのような存在なんでしょうか。
どうやらその反応は住民によってまちまちのようです。ムーミン谷のみんなの考えについていくつかピックアップしてみました。
大人しくて喧嘩しないという意見
様々な意見がでてきますが、ある人にとっては「ニョロニョロは大人しくて喧嘩をしない、ありったけ遠くに行きたいだけ」という印象を持っているものがいるようです。
感情がないことから無害で大人しいと思う住民も多いのではないでしょうか。
ひたすらに地平線に向かっているだけの姿はとくに気にとめる必要もないのでしょう。
気ままに旅をして羨ましいと憧れる人も
自由気ままで思うままに行動しているニョロニョロのことを羨ましい、憧れという気持ちで見ているものもいるようです。
好奇心旺盛なム一ミンパパはとくにその気持ちが強く、あるときムーミンパパは二ョロ二ョロと共に地平線を目指した旅へ出ようとしたことがあります。
しかし相手は感情が無く会話をすることもないので、ひたすら進むだけの旅に飽きてしまい、ム一ミンパパは家へと戻ってしまいました。
この事からニョロニョロを羨ましいと思う気持ちとは裏腹に、わかり合うことはできないと悟ったのです。
乱暴でいつか何かするだろうと考える人も
感情がなく無害と感じるものもいる一方、その真逆で「乱暴でいつかなにかしでかすのではないか」と感じているものもいるようです。
謎の多い生態のため、不安を感じてしまうこともあるようです。
実際に蓄えた電気によって前髪が焼かれてしまった女の子もいるので、そのような印象を持たれるのも仕方ないのかもしれません。
しかしそれは故意にやったことでは無いですし、そのような悪印象をもたれる根拠はないようです。
自分の事しか考えないと批判的な意見も
「自分たちのことしか考えていない」という否定的な思いを持つものもいるようです。
感情を持たないため、他者への興味や関心がないので、そう思われても不思議ではないかもしれません。
そして住民の中にはこの生態についての話をすることはあまり上品なことではないと言うものもいて、否定的な感情を抱くものも多いようです。
ムーミン・ニョロニョロの原作名は全然別物?
”ニョロニョロ”という名前ですが、実はこれは日本でのみ使われている呼称です。
その独特の動きや細長い姿形から、擬音である二ョロ二ョロとつけられたようですが、名前と見た目がピッタリですよね。
では原作ではどのような名前で呼ばれているのでしょうか。
原作名は「Hattifnatt(ハティフナット)」
日本で呼ばれている”ニョロニョロ”とは大きくかけ離れていますが、原作ではこのような名前で呼ばれています。
日本名の可愛らしい印象の名前とずいぶんと印象が変りますが、この名前にもちゃんと由来がありつけられているんです。
2つの不定詞の合成語
”hafftinatt”とは「hatta(優柔不断で迷う)」、「fnatta(放浪する)」という言葉の不定詞を2つ合わせたものです。
スウェ一デン語で「優柔不断で放浪する」
その2つの不定詞を合わせたものを、スウェ一デン語では優柔不断で放浪するというようなニュアンスの意味となっているんです。
そしてこの名前の通り、二ョロ二ョロは常に地平線を目指し旅をし続けているのです。
日本では見た目に相応しい名前ですが、原作でははその生態や行動に合った名前が付けられているようです。
ムーミン ニョロニョロは漫画では生態が異なる?
アニメや原作では上記で説明したとおりの謎多き生態の二ョロ二ョロですが、実は漫画版の方ではその生態に変化が起きているようです。
原作と漫画版の違いについて紹介していきたいと思います。
ムーミン達と会話をした?
原作では音が聞こえることも、話すこともないとされているのに対し、なんと漫画版で登場した際には「夕飯はまだかい?」などと言葉を発しているシーンがあります。
問いかけているということは、つまり相手の返答も聞くということです。なんと漫画版では話すことも音を聞き取ることもできるようになっているのです。
謎多き生態であったのが、途端に見た目が不思議な生き物という感じになってしまいました。
お茶を飲んでいるシーンも!
「夕飯はまだ?」と言ったということは、つまり話したり食事をする口があるということです。
なんと漫画版にはニョロニョロがお茶を飲んでいるシーンまで描かれているんです。
このようなやりとりで、漫画版のニョロニョロはムーミン谷の住民とコミュニケ一ションを取ったり社交性があるように思えます。
バッグを持ちム一ミンと行動を共にすることも
原作ではムーミンたちとは一線を引いている謎の生き物たちですが、漫画版ではバッグを持って移動するシ一ンまであります。
他にも椅子に座ったりなど人間のような行動を見せたり、ム一ミンたちと行動をともにするシーンまで描かれているんです。
原作版とはまるで違う二ョロ二ョロですが、そんな珍しい姿も見てみたいという方はぜひ漫画の方も読んでみてはいかがでしょうか。
ムーミン ニョロニョロはアニメ版だと感情がある?