日常生活の中で、気づきにくい場所に設置されたトラバサミを発見した場合の対処法や、自分や動物が罠に掛かってしまった場合の正しい外し方をご紹介します。
お店で違法に売られていた時はお店に是正要望を
日本での利用が禁止されている猟具を、店頭に並べて売るのは違法です。トラバサミを店頭で陳列して売っている小売店を発見した場合は、小売店に要望を伝えましょう。改善が見られない場合は警察に通報しましょう。
違法なトラバサミ使用を発見したらすぐに警察に通報
設置されたトラバサミを目撃した場合は、見やすい場所に標識がついているか確認しましょう。住所・氏名などの記載がない標識は、役目を果たせていないため、標識のない罠と同じ扱いになります。
標識がついていない罠(全ての罠が対象)の利用は違法です。違法な利用の場合は、すぐに「警察」や「鳥獣保護員または鳥獣保護の担当者(都道府県・市町村)」に通報しましょう。
野生の鳥獣を違法な利用のトラバサミで捕獲した場合、「1年以下の懲役」もしくは「100万円以下の罰金」という刑罰の対象となります。
トラバサミに掛かった動物を発見したら警察に通報し保護
動物が掛かったトラバサミを目撃した場合、先ずは「警察に通報」しましょう。次に「鳥獣保護員に通報」します。鳥獣保護員の所在が分からない場合は都道府県庁に連絡し、取締りの担当の人に来てもらいましょう。
「証拠を保全」しましょう。動物が虐待された証拠の写真を撮り、トラバサミを証拠物件として警察に押収してもらいましょう。最後に「動物を保護」しましょう。動物病院に連れていき、必ず診断書をもらいましょう。
「動物虐待の罪」で罠の設置主を告訴する場合や、被害を受けた動物の飼い主が「器物損壊の罪」で罠の設置主を告訴する場合には、虐待や損壊の証拠と診断書が必要になります。
トラバサミに掛かってしまったら正しい外し方を
罠に掛かってしまった動物を発見した場合や、自分が罠に掛かってしまった場合、正しい外し方を知らずに無理に引き抜こうとすると大変危険です。正しい外し方を知り、安全に罠を解除しましょう。
外し方を知るには、罠の仕組みを知る必要があります。トラバサミには、刃の付け根部分に「板バネ」と呼ばれる部品がついており、「板バネ」を踏むと刃が開く仕組みになっています。
「板バネ」から足を離すと、もう一度刃が閉じる場合もあるため、「板バネ」を踏んだまま挟まっている部分を抜きましょう。単純な仕組みなので、正しい外し方を知っていれば、安全に罠を解除できます。
トラバサミの由来とその歴史
トラバサミは、獲物に与える威力が強く、長時間苦痛を与える残酷な罠です。現在でも様々な国で利用され、日本国内でも違法な利用による被害が続いています。
トラバサミは「虎挟み」が由来
トラバサミを漢字で記すと「虎挟み」になります。大型動物の捕獲に利用されることが多かったため、「虎」の如く大きな動物を「挟む」という意味の名前になったと考えられています。
世界には避けられなかった獣害事件が数多くあります。様々な被害を乗り越えてトラバサミなどの罠が生み出されました。人食い虎や羆による『世界三大獣害事件』を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
トラバサミは英語で「ベアートラップ」
日本語では「トラバサミ」と呼ばれていますが、英語では「ベアートラップ(Bear Trap)」や「レッグホールドトラップ(leg hold Trap)」と呼ばれています。
熊が多く生息する地域では、熊の捕獲に利用されることが多かったため、「ベアートラップ(Bear Trap)」という名前になったと考えられています。
日本にも熊が生息しています。中でも北海道に生息する羆は体が大きく、暴れる羆はトラバサミでも止められないかもしれません。人食い羆による『三毛別羆事件』を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。