トラバサミは使用禁止の危険な罠!問題点や発見した時の対応をご紹介

トラバサミが登場する作品①でご紹介したデッドバイデイライト(DBD)に登場する『ピッグ』というキャラクターと「逆トラバサミ」は、この映画が基になっています。ゲームでは鍵を使う外し方以外では外せません。

「トラバサミ」は使用禁止「くくり罠」は規制が強化された

出典:環境省

トラバサミ利用が禁止されたのと同じ時期に、規制が強化された猟具があります。くくり罠というワイヤーとバネを組み合わせた猟具です。規制が強化される前は、人間や動物に大きな被害を及ぼす可能性のある罠でした。

くくり罠はワイヤーの輪の中に仕掛けがあり、仕掛けを踏むとストッパーが外れ、ワイヤーの輪が締まる仕組みになっています。仕組みにはバネが使われているため、ワイヤーの輪は素早く締まり獲物を捕らえます。

くくり罠はトラバサミと同様に、「狩猟者登録証」または「捕獲許可証」を取得する必要があり、標識をつけずに設置した場合は違法になります。輪の大きさやワイヤーの太さ、罠につける装置に規制があります。

「くくり罠」はトラバサミと同様に危険な罠

出典:PhotoAC

くくり罠はトラバサミと同様に、自動で獲物を捕らえる仕組みになっているため、獲物の選別ができません。罠の外し方を知らないものは、誰かが気づいて助けてくれるか、足を切断して逃げ出すまで拘束され続けます。

くくり罠はトラバサミほどの威力はありませんが、「締め付けを防止する装置がついていない違法のくくり罠」は、無理に抜けようとして引っ張ると、ワイヤーが際限なく締まるため、足が切断される危険があります。

人間や熊が誤って罠に掛かってしまわないために、輪の大きさは直径12cmまでと規制されていますが、鹿や猪を捕らえたい場合は12cmでは小さいという理由で、規制を緩和している自治体もあります。

「くくり罠」に掛かってしまったら正しい外し方を

出典:PhotoAC

自分やペットが、くくり罠に掛かってしまった場合、正しい外し方を知らずに無理に引っ張ると大変危険です。くくり罠のワイヤーは丈夫で切るのが困難なため、罠の仕組みを知り、正しい外し方で安全に解除しましょう。

くくり罠の外し方は、一般的な形であればワイヤーの途中に筒状の調節装置があり、調節装置のネジを緩めるだけです。緩み防止金具がついている場合は、怪我に注意しつつ、金具部分のワイヤーを手で緩めます。

くくり罠は自作する人もいるため様々なタイプがありますが、基本の外し方は同じです。ワイヤーを締め付けているバネを緩めるとワイヤーも緩む仕組みなため、バネの調節が出来る部品(ネジなど)を見つけましょう。

動物を傷つけにくい「箱罠」と「囲い罠」

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「箱罠」や「囲い罠」は、「トラバサミ」や「くくり罠」とは違い動物を傷つけにくい罠です。捕獲したい獲物を餌付けし、警戒心が薄れた頃に誘引して捕獲します。他の動物が掛かった場合も傷つけずに逃がせます。

「箱罠」や「囲い罠」は、獲物が餌を求めて罠の中に入ると仕掛けが作動し、出入り口の扉が閉まる仕組みになっています。人間が掛かる可能性は低いですが、ペットが掛かってしまうことはあります。

「箱罠」や「囲い罠」は、「トラバサミ」や「くくり罠」と比べると高価で設置に手間がかかります。餌付けによって、他の害獣を引き寄せる危険があるため、餌の種類や量、設置場所を考慮して運用する必要があります。

様々なタイプの「箱罠」がある

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箱罠は板や金網などでできた箱型の罠です。「鼠用の小さい箱罠」や「熊用の大きな箱罠」など、獲物に合ったサイズを使います。大きな箱罠には、キャスターやタイヤがついたタイプもあります。

基本的には1つの箱罠で1頭しか捕獲できませんが、複数頭の捕獲ができる箱罠も存在します。箱罠の設置は「狩猟者登録証」または「捕獲許可証」を取得する必要があり、標識をつけずに設置した場合は違法になります。

「囲い罠」は条件を満たせば狩猟免許が不要

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囲い罠は柵や杭などで周りを囲った罠です。天井の半分以上を塞いでしまうと「箱罠」になります。箱罠よりも囲い罠の方が高価で設置に手間がかかりますが、使い方次第で多くの獲物を1度に捕獲できます。

囲い罠は条件を満たせば狩猟免許がなくても設置・運用できる特例があります。囲い罠の設置・運用を検討している方は、自治体に確認してから設置しましょう。標識は全ての罠に必要なので必ずつけましょう。

トラバサミは動物愛護に反する危険な罠

出典:YouTube

トラバサミは、罠の外し方を知らない子どもや動物が掛かってしまった場合、誰かが気づいて助けてくれるか、足が切断されるまで苦痛が続く非常に残酷な仕組みの罠です。

違法なトラバサミは動物や人間に大きな被害を及ぼす可能性があります。都会の公園や団地の中、森林や山の中で、罠に掛かったまま死亡してしまう動物もいます。手足が千切れてしまった動物もいます。

トラバサミは動物の愛護に反する上、人間にとっても非常に危険な罠です。そのため、世界各国で禁止・規制されています。日本国内でもトラバサミの利用は原則禁止になっているため、使わないようにしましょう。

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