免田事件は最悪の冤罪事件|死刑判決から再審無罪となった事件の結末と現在

地元に帰るが居づらくなり転居

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一度は死刑判決まで至ったこともあり、結婚後に待っていたのは喜びだけではありません。免田事件に課せられた数々の隠蔽工作によって、その後の進展はありません。殺人事件自体の捜査が行われていないことが、警察の犯してしまった大きなミスでしょう。そのことで真犯人の特定がされていないことから、あってはならない噂はついて回るのです。

賠償金をもらったこともあり、地元に帰るものの、その場に止まることはできないことになります。その場に居づらくなって、転居を余儀なくされてしまうのです。噂に中で耐えることより、別の市に引っ越し妻を守ることを優先した姿が見て取れるかも知れません。

毎日釣りをして暮らしている

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免田事件によってできなかったことが多すぎると、何から手をつけて良いか迷うこともあり得ます。34年の年月の間必死に戦ってきたこともあり、ゆっくりしたい気持ちがあったのではないでしょうか。生活は一気に平凡になり、待っていたかのように毎日のんびりしていたのです。後には有意義に毎日釣りをして日々を過ごしているとされています。

免田事件はのんびり、という言葉からかけ離れた年月だったため、まさに待っていた時間だったかもしれません。また何をしたら良いだろう、と思わせるほど年月が過ぎていたことも伺えるのではないでしょうか。ようやく落ち着いた生活を送れるようになりますが、簡単に終わりません。社会全体からの偏見は避けられないことも確かだからです。

現在は死刑制度の廃止を世界に訴える活動をしている

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自由の身になったとはいえ、それだけで全てが解決したわけではありません。このようなことが起こってはいけないことも、一つに言えるのではないでしょうか。免田事件を経て、フランスやニューヨークなどにも趣き死刑制度廃止の活動を、同じ考えを持つ人と共に行なっています。そこには新たな出会いがあり、共に実体験からあり方を主張しているのです。

偏見が避けられない中、行動をすることも必死に訴えていたのではないでしょうか。死刑制度の訴えは今でも言われていますが、当時から行われていたことが伺えます。免田事件について日本のみならず海外に向けて発信することで、冤罪ということがあることに、より関心を深める意図があったのではないでしょうか。死刑制度を廃止する訴えは、日本のみならず海外でも言われている事柄だからです。

免田事件の賠償金はいくら?使い道は?

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拘留期間が長いこともあったこともあり、当然支払われる金額もあります。免田事件での賠償金ですが、拘留期間が長いことで高いのは当然であり、もらえることが特別ということではありません。31年7ヶ月という期間を考えると、あまりにも長い拘束期間だったのではないでしょうか。支払われた金額は、今の時代に換算すると大きな金額であることは伺えます。

31年間の人生をお金で判断することは難しいことであり、人生のほとんどが奪われ、更には時効になってしまい迷宮入りになった本来の事件を踏まえると、支払われる金額があるのは当然です。ではいくら支払われどのように使われたのでしょうか。受け取ることに賛否があったとも言われていますが、支払われた金額を受け取ることは当然のこととも捉えられます。

当時としては破格の9071万2800円

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今時点で計算すると、想像もできないほどの金額が支払われています。31年間以上の期間を計算することは難しく、お金に変えられることではないことも言えるでしょう。免田事件では考えられない年月とともに支払われた金額も、長い期間拘束されたということもあり破格の金額でした。今でも大きな金額ではありますが、当時ではあり得ない破格の支払いに再び世間での声が響きます。お金に変えられないとされるも、あまりの破格さにありもしない噂は後を絶ちません。

長い年月働いていたらどうでしょうか、きちんと受け取っていた給料があったでしょうか。奪われた時間の方が大きいことが見て取れるかもしれません。本来の殺人事件の真犯人が見つからないまま時効になったことも踏まえると、司法に裏切られた代価とも捉えられるでしょう。

免田さん本人が「あの人は今」で使い道について語った

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本来あるべきのことが奪われた生活が続いたのです。失った時間を公表するため、また自身の生活状況を発信するためメディアに姿を現します。本人が出演した番組に「あの人は今」がありますが、そこで語られる内容が現実でしょう。長きに渡り何もできなかったこと、自白について、世間からはまだ偏見の目で見られることを語っています。

番組の中では賠償金の使い道についても語られていますが、そこで語られたことこそ現実と言えるのではないでしょうか。実際働けなかった期間が長いこと、受けられることは少なく、反対に使い道についての内容にこそ本当の意味が含まれているのかもしれません。

半分は支援団体に寄付

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受け取った金額の全額を使って遊んでいたわけではありません。死刑制度の廃止のために動く資金にも活用したことでしょう。それだけではなく、半分は支援団体に寄付し、弁護団に謝礼として渡したことも明かされています。

免田事件をみると年金がないことで、残りに人生に不安もあったことが伺えますが、半額を寄付する行為はそれだけ感謝の意味が込められていたのではないでしょうか。老後の心配より、支えてくれた周りに対しての配慮が見て取れます。それだけ支援団体や、弁護団への感謝の気持ちが大きかったことが見受けられるのではないでしょうか。

残りの半分は生活費

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2009年になり年金の受給がない中、今までに払えなかった年金の納付を行います。そのため、残りの金額の全てが安泰というわけにはいきません。決して贅沢が許された生活ではないことが、言えるのではないでしょうか。賠償金の残りの半分は、生活費として暮らしているのです。

免田事件の賠償金とは本来受け取るべき妥当な金額であるにも関わらず、偏見の目で見らえることは十分おかしな話ですが、生活が楽ではなかったことなど考えになかったのではないでしょうか。後の事を考えると決して贅沢ができるはずもなく、生活費として残るのみであることが伺えます。更に偏見の目で見られることで引っ越しもあったことから、生活は厳しかったのではないでしょうか。

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