日本にも数多く生息するカブトエビですが、水田と切っても切れない関係でした。水田の泥の中で眠った卵は水田に水が張られたときから10時間ほどで孵化が始まります。そこからあっというまに生体となり誕生から10日もすれば産卵を行います。
産卵した卵は乾燥に強く水が抜かれた田んぼの泥の中で次にまた水が張られる時までじっと耐える力があります。乾燥に強いためカブトエビの飼育キットなども手軽に販売されているほどです。
カブトエビが生きた化石ではないという説も?
見た目は3億年もの長い間変わっていないと考えられていますが、その本体であるDNAの配列や生殖様式は時代によって変化していることが近年明らかとなりました。そのため完全な生きた化石とは呼べないのではないかという声も上がっています。
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生きた化石と呼ばれる生物④ミツクリザメ
4種目の生きた化石のご紹介はゴブリンシャークと聞けば思い当たる方もいるでしょう。ゴブリンシャークを別名に持つミツクリザメも生きた化石とされる魚(サメ)です。
ミツクリザメには古代のサメの特徴が残っている
1億2500万年以上前に誕生したとされるこちらの生きた化石・ミツクリザメの特徴は何といってもその長い鼻。厳密には長い鼻の様に伸びたこの部位を「吻(フン)」と呼びます。この飛びでた吻には微弱電流を感知することのできるロレンチーニ器官が集中しているのですがこの形態が古代のサメの特徴ととてもよく似ています。
古代サメの特徴を現在も色濃く持っているということは古代から生きていたことも証拠にもなる上、彼らがそれほど変化(進化)せず現在まで生き残ってきたという証明にもあります。
ミツクリザメの噛みつく瞬間が衝撃!
長い吻ばかりが目立ちますが、驚くのは捕食の瞬間です。吻の先端よりもずっと後方に口があるため口を開けるとアゴが飛び出すような見た目になります。このような恐ろしい姿からゴブリン(悪魔)シャークと呼ばれるようになりました。
ミツクリザメを発見したのは日本人?名前の由来とは
ミツクリザメを最初に発見したのは日本人で名前を箕作佳吉(みつくりかきち)といいます。このミツクリから名がつけられました。四方を海に囲まれ、深い海溝も持つ日本では昔から深海生物の遭遇は多くあったのでしょう。
生きた化石と呼ばれる生物⑤ゾウギンザメ
こちらの生きた化石はまだ有名ではないですが、ゾウギンザメも生きた化石の1つとなります。生きた化石中の生きた化石ともいえるかもしれません。その理由をご説明しましょう。
シーラカンスより生きた化石?進化が遅いゾウギンザメ
このサメのDNA解析を行ったことろDNAの進化(変化)の速度は極めて遅くそのスピードは4億年近く姿を変えずに存在しているシーラカンスよりもさらに遅いというのです。はるか太古の昔から姿を変えずに今も生きているとすれば驚きを隠せません。
見た目や泳ぎ方がユニークなゾウギンザメ
確かに長い歴史を経ても姿を変えていないだけあって私たちが知るサメとは一線を画すユニークな生態を持っています。ミツクリザメようのに長い吻を持ち、ここにロレンチーニ器官をもちます。
象の鼻の様にも見れることからゾウギンザメと呼ばれるようになりました。また、見てすぐわかる特徴がその泳ぎ方です。大きな胸ビレをパタパタを羽ばたくように動かして海の中を泳ぎます。
ゾウギンザメはまだまだ謎の多い魚!
DNA解析を終え、その驚異的に遅い進化スピードが明らかとなりましたがまだまだ謎に満ちた魚です。このサメのことがわかるにつれて生物学的にも何か新たな知見が発見されるだろうということで注目を集めています。
日本では唯一サンシャイン水族館で生きて泳いでいる姿を直接見ることができます。繁殖にも挑戦しているということで赤ちゃんをいつか見ることができるかもしれません。生き物ですから展示されていなことも当然あり得ますのでどうしても見たい方は確認の上ぜひお出かけしてみてくださいね。
生きた化石と呼ばれる生物⑥オウムガイ
こちらの生きた化石はなんともユーモラスな姿をしているためアニメなどでもよく登場していますね。この何とも不思議な姿をしているオウムガイについてご紹介します。
オウムガイは5億年前から姿が変わっていない
南西太平洋からインド洋といった熱帯の海に生息しており、サンゴ礁が発達しているような環境を好みます。水圧に耐えうるのは水深800mほどまでですので大体水深150~300m域で目撃されることが多くなっています。
オウムガイはどうやって泳ぐ?
ふわふわと海中に浮かんでいますがそもそもなぜ浮かんでいられるのか?と思いませんか?実は彼らの殻の中は小さな小部屋に細かく分かれており、そこにガスが充満しています。このガスによって浮力を得ているようです。
気になる泳ぎ方ですが、複数の触手の中にクチバシのような、ホースのような口を持っており、ここから水を勢い良く吐き出してその反動で海中を進んでいます。
オウムガイは貝ではなくイカやタコの仲間
一見貝の仲間にも見えますが、タコやイカの仲間に分類される生きた化石です。しかしながらタコやイカのように素早く泳げるわけではなく、生きたエサを捕食する能力は低いため様々な魚の食べこぼしを主な餌としているようです。
このような泳ぎがそれほど得意でなく海を揺蕩うような生物が現在まで生き残ったという点が非常に興味深いです。
オウムガイは現在進化中の生き物?
この貝の化石は古い地層からも発見され、生きた化石だと考えられていますが実際の化石に残らない部分が現在と同じであるという証明は困難です。化石として残る箇所は変化しておらずとも触手の数やその動かし方などは実は緩やかな進化の中で変化しているため、生きた化石と呼ぶことに異論を唱える人もいます。
生きた化石と呼ばれる生物⑦トリノアシ
続いては東京湾の深海にも今もひっそりと息づいている生きた化石「トリノアシ」のご紹介です。トリノアシといいますが海底に生息し、ヒトデなどが分類される棘皮動物の1種です。植物のようにも見えますが自分で移動することができます。
トリノアシは5億年前から姿を変えていない
こちらの生物も5億年前に地球上に誕生して以来同じ姿であると言われています。深海にひっそりと息づく植物のようです。化石の発見場所から考えるに誕生当初は海の浅瀬に生息していましたが生存競争に敗れたことで深海へと追いやられていったと推察されています。そこでひっそりと生き延びたことで生きた化石と現在呼ばれるに至りました。
トリノアシは植物にも見える不思議な見た目
「冠部(かんぶ)」と呼ばれる花のように見える部位を持ちます。その冠部の下にはジャバラ状に見える関節から成る柱状の茎のような部位が伸びています。このような見た目から「トリノアシ」と呼ばれるようになりました。
トリノアシの冠部は取れても再生する
冠部に生存するために必要な機能というのはすべて詰まっています。にもかかわらず、この冠部が取れたり食べられたりした場合なんとまた冠部が再生するというのです。私たちが脳を失っても再びまた脳が生まれてくるようなものです。実に驚きです。
生きた化石と呼ばれる生物⑧ヌタウナギ
人気バラエティー番組「鉄腕DASH」などでよく登場する魚、ヌタウナギも生きた化石の仲間です。ヌタウナギと「ウナギ」の名がついていますがウナギの様に脊椎は持たず全く別の種になります。