ウナギの様に脊椎を持ちませんが、軟骨からできた我々にとっての背骨のような「脊索」が背中に1本通っています。3億年も姿を変えていません。脊椎動物の中でもかなり原始的であることが推察され、私たち脊椎動物の発生の起源を知るカギを握っているともいわれています。こういったことがわかるのも生きた化石のおかげでしょう。
ヌタウナギの目は退化している
彼らの目は退化していてありません。同様に顎も持っていません。3億年もの長い間目や顎を持っていないというのも驚きですが、一体いつ目が退化したのかも興味をそそりますね。
ヌタウナギは酸素がなくても心臓が動く
彼らはなんと心臓を3つも持っており、酸素がない環境に陥ってもそのまま数時間は心臓が動き続けるというのです。酸素の代わりに蓄えた脂肪を使っている可能性があるようです。
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生きた化石と呼ばれる生物⑨ハイギョ
魚のハイギョも生きた化石としてかなり有名でしょう。ハイギョが目覚める瞬間などはテレビで目にすることもあるでしょう。どのような魚なのかご紹介します。
ハイギョは1億5000年前から姿を変えていない
化石では現存しているハイギョよりも種類は多く280種ほどいたことがわかっています。そのころには海水で暮らすものや淡水で暮らすものがいましたが、現存しているハイギョはすべて淡水性で6種のみとなっています。
海水性のものはすべて絶滅してしまったことを思ってもはるか昔に大きな地殻変動や環境の変化があったことがうかがえます。
ハイギョは他の魚にない肺を持つ魚
彼らの特徴は何といっても「肺」を持っているということです。そのため、ほかの魚にはない「鼻」も持っています。夏の乾季には泥の中にもぐり、エラ呼吸をやめて肺呼吸で「夏眠」をとります。再び雨季が訪れるとエラ呼吸に戻り、泥の中から目覚めます。
このようにエラ呼吸と鼻呼吸のどちらも行うことができるため魚類と両生類が分岐した証拠を持つ魚であるとも考えられています。生きた化石の生物的価値がうかがえる点といえるでしょう。
ハイギョは観賞魚として飼育も可能!
ゆらゆらと体と特徴的な細長いヒレが揺蕩う様子が美しく、観賞魚としても一部の人たちからは人気を集めています。近年その個体数が減少していましたが養殖技術が確立したため養殖した個体であれば観賞魚として購入が可能になりました。
ハイギョについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください
生きた化石と呼ばれる生物⑩オオサンショウウオ
作家井伏鱒二の小説にも登場するサンショウウオですがこちらも生きた化石の2つです。大雨の後などにオオサンショウウオが橋の欄干に現れた、といったニュースを時折耳にします。日本では昔は馴染みのある生き物だったことがうかがえます。
オオサンショウウオは3000万年前から姿が変わらない
彼らの祖先となった種は恐竜がいたような古い時代から生息していますが(1億7000万年前からほぼ同じ姿であるといわれています)、彼らが今の姿になってからは3000万年であると言われています。
オオサンショウウオは最大の両生類
生きた化石のオオサンショウウオは魚ではなく両生類に分類されます。また最大の両生類です。日本固有のものの体長は50~60㎝ほどで、中国の種となると体調は1mを超えます。
野生のオオサンショウウオは絶滅の危機
彼らは日本でしか見ることができない貴重な固有種です。近年の森林伐採や河川の汚染などで彼らの住む場所は追われてしまい、絶滅の危機に瀕しているのが現実です。中国ではサンショウウオや食用として人気があるため積極的な養殖がおこなわれておりその数は増えていると言われています。
生きた化石と呼ばれる生物⑪レッサーパンダ
魚類を中心にご紹介してきましたが次に紹介する生きた化石は私たちの哺乳類の仲間、レッサーパンダです。あのかわいらしく親しみのある動物が生きた化石とは驚きます。
レッサーパンダは数千万年の間同じ姿をしている
彼らも今の姿になってから数千万年同じ姿であるとされています。現在野生の個体は絶滅危惧種に指定されており世界中の動物園を中心とした施設で保護活動が行われています。
レッサーパンダは熊やアザラシ、パンダの祖先?
ジャイアントパンダやアライグマなどといったあらゆるクマの祖先と同じ祖先を持ち、それらはどれもレッサーパンダに似た形態をしていると推察されています。確かに彼らの手はクマやパンダののような手をしています。
レッサーパンダが日本の妖怪、鵺であるという噂も
古事記や平家物語に登場する妖怪「鵺(ヌエ)」がレッサーパンダではないかという説もあります。平家物語では「サルの顔、タヌキの胴体、トラのような手足をもち、尾はヘビ」という記述が残されており古くからレッサーパンダがいたとすればこのような記述が残されているのは大変興味深いです。
生きた化石と呼ばれる生物⑫ニホンヤマネ
ハムスターのような小さな体とフワフワの毛、そしてつぶらな瞳がかわいらしい「ニホンヤマネ」も生きた化石の1つです。森の妖精と呼ばれる生きた化石についてご紹介します。
山梨県清里町には日本で唯一のヤマネ資料館である「やまねミュージアム」があります。実際の生きているヤマネが展示されているわけではありませんがその生態などが詳しく解説されており保護活動の拠点にもなっています。
ニホンヤマネは約5000万年前から生息し姿を変えない
天然記念物であり絶滅危惧種でもあるヤマネは生きた化石でもあります。ヨーロッパでは5000万年前の地層から日本では2000万年前の地層からそれぞれ化石が発掘されており恐竜たちが滅びたあとの時代に誕生し、現在まで同じ姿でいます。
ニホンヤマネは森の妖精と呼ばれる天然記念物
前述しましたが彼らはその小さく愛らしい姿から森の妖精と呼ばれています。森で出会うことができれば確かに幸せが訪れそうなかわいい見た目をしています。しかし年々その数は減少の一途をたどっており、日本では天然記念物に指定されています。
ニホンヤマネが民家に?可愛いと話題
そんな珍しいニホンヤマネがなんと民家に現れたと話題になりました。大分県の民家で住民が寝る支度をしていたところなんとその布団からコロンと現れたというものです。
生きた化石と呼ばれる生物⑬ハネジネズミ
ニホンヤマネ同様、かわいらしさが目を引くハネジネズミも生きた化石の1つになります。手のひらに収まるような小さな体に象のような細長い鼻が大きな特徴となっています。
ハネジネズミは2300万年前から同じ姿をしている
彼らもこんなに小さな体をしながらも2300万年も昔から姿を変えずに過酷な環境を生き延びて生きた化石となりました。現存するものは全部で19種です。