異食症とは?食べ物では無いものを食べてしまう症状
大変珍しい病気で、一般では稀にしかうかがい知れない異食症なる奇妙な病魔を聴いたことがあるでしょうか。この病は本来食として経口を許されていない物体を経口してしまう症状を表しています。よく小さい子供であれば何でも口に入れてしまいがち。
しかし、この病魔は先の年齢でなく大人に成長した段階でも発症しているケースがあるのです。ある文化圏であれば伝統で食物でないものを食べる儀式などはありますが、それとも違います。
ちなみに、ジュースなどの経口の際に氷を食すことはありますが、これも本症状の一端であると考えられています。というのも、本来栄養のないものを大量に摂取してしまう行為は本症状の兆し有りと判断されるからだそうです。
ラテン語ではPICAと名乗るこの病は、カササギを意味しているといわれています。カササギとはなんでも口に運んでしまうことを指しており、この所作から名を冠したそうです。
この異食症と呼び名を持つ疾患は個性的な症状を招き、中には自身で気づかない悪癖の様に患っているケースも存在しているそうです。一般的にはひどい症状が伴わなくとも時には色々な合併症を患う病について、リスクやその詳細をあらわにしていきます。
異食症で食べてしまうのはどんなもの?
考え始めると大変恐れをなしてしまう今回の病気ですが、そもそもどういったものを食べてしまうのでしょうか。そこには共通点があり、それは栄養がない物そして食べるべきではないものというポイントです。
これら本来食べるべきではないものや食べても体には意味のない物を口に運んでしまうという症状がこの病の恐ろしいところなのです。いったいどんなものを口に運んでしまうのか、その一例を紹介していきましょう。
異食症で食べてしまうもの①土・紙・粘土
高頻度で列挙される参考ケースとしてはまず土や紙や粘土といったものです。特に土や粘土を誤経口する症例に関しては特別な土食症の異名まであるほど、代表を飾る異物と認定されているようです。
土や粘土ということで身近にあるモノなのでつい手を伸ばしてしまうことも多いのでしょう。そのため、経口に及んでしまう人も多いのかもしれません。しかし文化圏を探してみると、土や粘土を口に運ぶ文化の方も当然存在します。
例えば土に関して言えば、熱帯地域習慣においては食材という扱いですし、アメリカの一部であれば、粘度を食べる部族の人も居ます。社会的な要因や伝統的な要素として土や粘土を口に運んでしまう人はいるわけです。
では異文化で暮らす多種多様な民族の方も異食症状該当と認定されるのかというとそうではありません。あくまでも文化や社会的要素を排除して考えた場合、明らかに栄養のないものを携行し続ける事態がこの疾患ケースに該当すると判断されるわけです。
異食症で食べてしまうもの②髪の毛
毛髪の類も経口症状の中では同類の異食症状例に該当します。個別名称もたまわっており食毛症と称されます。こちらもやはり身近にある存在、自身の髪になるモノなので手を伸ばしやすいのかもしれません。
こちらに関しては文化や社会的な要素を含めて考えても、どうやら毛髪を食す習慣はどの地域からも報告は上がらなかったようで結果を考慮し定められるようです。そもそも毛髪は体内処理されない仕組みなので食物と認定する要素は持ち合わせないでしょう。
異食症で食べてしまうもの③氷
代表的な経口ケースと言えば氷もその内に該当することが判明しています。コップに残った氷に手を伸ばしてしまいがちな人もいるかと思いますが、実はこの病に侵されている可能性もあるのです。子有名は氷食症と名を冠しています。
しかし、とはいえ氷をがりがりとかじってしまう人が全員この病化というとそうではありません。後述しますが、ある一定の判断基準の元そうでない人と該当する人で差があります。
異食症で食べてしまうもの④そのほかの例
比較的数の多い症例ケースは上記ですが、その他この病において食べられるものはまだまだあります。例えば塗料や石、紐やほこり、布や紙片、人の爪や皮など多岐にわたります。これにはその時の当人の置かれた体調や状態にも深くかかわっているようです。
多岐にわたり、中には糞尿や鉛筆の芯などといった明らかに体への害が判断されるような対象まで含まれるようなので想定以上に突出した病であり、さらに皮や危害や有毒などに限らず合併症などリスクが考慮されることがわかるでしょう。
異食症になりやすい人とその原因は?診断基準も違う?
爪や皮などをかじってしまうということから氷といったつい経口しがちなものまで該当する本病ですが、その原因は何なのでしょうか。さらに、かかりやすい人も存在し診断基準も疾患者によって異なるとの状況ですが、一体どういうことなのでしょうか。
異食症にかかりやすい人と原因①子供
症例対象にはまず子供が代表的に挙げられます。子供に多いのが土や体毛を興味本位から口に運ぶケースのようです。土遊びなどで目につくものを口に運んだり、体毛をむしりとって口に入れてしまうケースは少なくないようです。
これらの原因は主に精神的なストレスが原因と考えられています。ただし何でも口に入れてしまう傾向にある子供は異食症の判断を明確に行うには難儀なようで、後述の病理判断基準のもとで正確な判定が行われるようです。
また、子供が食べるものとしては氷汚挙げられます。こちらは小さい子供だけでなく思春期を迎えるような子供も口に運んでしまう傾向があるようです。これは鉄欠乏性貧血に傾向が強く現れる時期であるためと判明しています。
また、この貧血に関しては成人してもたびたびなることがあるようで、氷食行動を発言させてしまう状態に陥るようです。氷の冷涼感や硬さのほどよい食感といった様々な要素が異食衝動をちょうどよく刺激し促進させてしまうようです。
異食症にかかりやすい人と原因②妊婦
本ケースもかかりやすいといわれる代表的な例になります。時期的関係も判明しており、お腹に赤ちゃんがいる妊娠中の身に発症するとのことで、出産後には劇的に症状は沈静化するようです。
治療もさほど気にする必要はなく、自然に治ることがほとんとのようですが、ただし口にするものによっては治療が必要なものもあります。先ほども同様に氷などはいいのですが、土や石や時には生のジャガイモなども誤食するケースがあるようです。
なぜ妊婦がこのような傾向に陥りやすいのかというと、妊娠中は鉄や亜鉛不足を招くことが起因します。赤ちゃんへの栄養を作り送り届ける仕組みが母体に悪影響として表れ亜鉛や鉄分不足を招くのです。
その結果、先述した鉄欠乏性貧血が起き始め、体が無意識のうちに不足がちの栄養を補おうと異食に走るということなのだそうです。さらに、その他にも妊婦さん独自で起きる体調の変化も影響します。
妊婦はお腹の子供に酸素を送るために、自身の脳へと運ばれるはずの酸素供給量減少が生じます。その結果、満腹感を感じにくかったり体温調節がままならないことが引き起こされます。これが異食症状の足掛かりになってしまうのです。
もちろん体調の変化に合わせて精神的なストレスも大きく悪化割るためにこういった行動に出てしまうケースも多いようです。これらの理由によって妊婦さんもかかりやすい体質になっているという訳です。
異食症にかかりやすい人と原因③認知症
類型的な症状の中には認知症所持者も発症可能性大とわかっているようです。併存リスクのある病気は多岐にわたりますが、中でもこの認知症のケースは眼前の物が食物か否かを認識できるかがかなり劣っている状態となっています。
そのため、例え土や毛髪といえどもただの食事だと認識し行動に移してしまうことがあるそうなのです。原因としては認知症の中でも中度以上に当てはまってくると、味覚障害や認識障害を引き起こします。
そのことが原因となり異食症状が併発するという流れになるようです。もちろん全ての人が発症する訳ではありませんが、よく食事をとったことを忘れるといったような感覚で生じるケースは多いようです。
異食症にかかりやすい人と原因④脳腫瘍
本病に侵されやすいケースには脳腫瘍ができてしまっている人も挙げられます。脳を患部に発生した腫瘍の影響で、正しく信号が送られなかったり、あるいは腫瘍の影響で正しい判断が行えないないといった状況となり奇行に及ぶケースがあるようです。
異食症にかかりやすい人と原因⑤精神的な障害・遅延
当ケースの疾患を背負っている人も本症状に身を犯されやすいと研究されています。たとえは自閉症などがその一例に挙げられるそうですが、精神的ストレスが引き金となる病気が本症状を誘発させているようです。
原因としては、色々な症状によって感情欲求の抑えがきかなくなるということが最大の原因となっているようです。合併症誘発を促したり異食行動誘発などのリスクも高いようです。
異食症にかかりやすい人と原因⑥栄養障害
栄養の偏りが体内で発現してるケースなど栄養障害状態になっているケースもかかりやすいといわれています。これは、栄養が偏り必要最低限な栄養すらも足りないことで、本奇行により不足栄養を補てんしようと動いた結果だとされています。
鉄分やビタミンなどの欠乏症などからこれらの栄養を摂ろうと行動に出てしまうようですが、ほとんどが栄養供給に適さないものになるので、何度も繰り返し症状に悩み苦労が絶えないケースに発展することもあるようです。
異食症にかかりやすい人と原因⑦寄生虫の感染
害虫感染もこの異食症状発生の原因の一つとして該当するといわれます。感染経路は数多存在し様々ですが、異食行動中の土やそのほか異物を体内に取り込んだ時が感染原因といわれており、恐ろしい悪循環が待ち構えているケースのようです。
感染がひとたび起こると、主に鉄分不足などが露呈し始め、その結果土や毛髪や氷を口へと運んでしまう奇行に走ってしまうそうです。こういった原因も代表的な例となっていますが、上記の原因よりも発生の可能性は多少低いようです。
異食症の判断基準とは
万人が本症状の発症リスクを抱えていることが分かりましたが、しかし異食行動が散見されるからと全てが異食症状認定され奇行に該当認定を受けるのかといわれればそうとは限りません。
例えば子供であれば幼いと何でも口に入れてしまいがちです。その兆行は万人経験あるもので、これらを本症例と決めつけるかは判断の難しいところです。そのため、この病を判断するにはある既定のルールが設けられているようです。
それが「DSM-5」と「ICD-10」といわれる診断の基準です。これらに基づき医療機関や医師によって多少異なるものの判断がなされることになっています。例えば、「DSM-5」に関しては、異食期間は1カ月以上経過がみられるものと定められています。
また、文化や社会的な見方も含めて考えた時にどのように判断するかが明記されているようです。また「ICD-10」の場合でも年齢規定が記され、書面では2歳以上がボーダーとなっているようです。
また、妊婦については妊娠期の母体に発症するものについては自然に治る傾向も強い酔うのです。そのためこういった症状の判断基準でどの時期なのか、体長はどうなのかという点も争点になるようです。
異食症の合併症は?治療しないと危険!
発症事例を参照すると恐怖を感じますが、中には異食症状とはいえたかが異物経口だけと軽視し油断する人も居るかもしれません。確かに氷や皮や爪にかじりつく程度であれば、それだけで完結するように思う人も多いでしょう。
しかし、真に恐ろしきはそれだけでもやっかいな異食症状がトリガーとなり引き起こされる合併症にあるのです。これらの病を考慮すると治療の必要性と重要性を感じる物ばかり。
異食症の合併症①胃炎・胃潰瘍・腸閉塞
体内に取り込んだものによっても引き起こす合併症の種類は異なるようですが、一つに胃炎や胃潰瘍、腸閉塞発症リスクも多大にあることが判明しているようです。口に運んでしまう物の中には、消化不良になる物や消化不可の物もあります。
そういったものを体内に、大量に継続的に取り入れてしまうとどうしても胃やそこから続く腸にリスクを伴う可能性は非常に高いです。胃や腸が荒れることはもちろんですが、腸が詰まるなどの場面にもなれば最悪死を招く可能性も十分あります。
異食症の合併症②中毒
当ケースも呼び起こされる可能性ある一例です。中毒症状も多岐にわたりますが経口の種類によって軽いものから重いものまで様々です。通常経口しないものを経口し続けた結果、常に経口していないと落ち着かない中毒症状が起きるということもあります。
異食症の合併症③電解質異常
意味不明と思われるかもしれませんが電解質異常も代表的な一例です。電解質異常とは、本来適切な量を取るべき塩分やカリウムといったものが過剰に摂取され、その結果体液中の濃度が過剰になった状態のことを言います。
この異常が発生すると、さらに心不全や肺水腫などの危険にさらされる可能性も出てきますし、不整脈や手口のしびれなどの症状を起こす可能性もあり、死に直結するケースも存在するので危惧されるべき病気なのです。
異食症の合併症④寄生虫の発生
当害虫発生も命にかかわる要素を孕み危険視される一例です。土など本来経口すべきでないものの中でも寄生虫介在確立が高確率で考えられるものであった場合、この感染のリスクが一気に高まるといわれているようです。
寄生虫感染を一度引き起こすと、通常存在しない異物だった場合生命の危機に瀕する症状を併発する可能性もあり絶命や障害を患うケースもあります。こちらも命の危険生じる可能性が当然考慮できるので警戒はすべきでしょう。
異食症の合併症⑤ビタミン欠乏症・鉄欠乏性貧血
危惧視される発症例を上述しましたが、提示例以外にもビタミン欠乏症や鉄欠乏性貧血を併発する可能性が考えられます。これは、異食行動によって通常食生活やバランスが瓦解することも大きく影響されているようです。
この症状が悪化の一途をたどると、上述した欠乏症起因による異食症状連鎖の可能性も考えられるようになってきます。こういった危険性もはらんでいるので、決して甘く見ていい病気ではないことがわかるでしょう。
異食症の対処法は?自宅や家庭でできる?
危険極まりない合併症の由縁が分かったところでさらに恐怖に感じた人も多いかもしれません。それではその治し方は有るのでしょうか。実は自宅でも対処できる治し方は存在します。
しかし、もちろん自宅での対処法ではすべてを対処しきれるわけではありませんし、改善結果に繋がらないケースは医療機関への対応が必須ですので、そのことを踏まえたうえで自宅でできる治し方について紹介していきましょう。
異食症の対処法①部屋を整える
典型的な治し方としては、部屋や環境面を整えるという方法です。幼児期該当者や認知症該当者は、目につくものを誤飲してしまう事態は避けて通れないケースです。その場合、不必要な物や必要な物でも極力身の回りに配置しないことが対策となります。
例えば部屋に必要のない物品は配置しないことは当然として、必要なティッシュなどもできるだけ引き出しなどの見えないところに配置する対策。また、花などの飾りものなどは手の届かないところに飾るという対策が望ましいようです。
異食症の対処法②食事を小分けにして満腹中枢を満たす
食事回数を小分けにすることで増やしていく方法も治し方の一つだといわれています。小分けにして回数を増やすことで満腹中枢を満たすというのが改善になるようなのです。
満腹中枢に障害があり、常に口に物を運んでいないとお腹がすいてたまらないケースにおいては効果があるようで、奇行に改善傾向が見て取れることもあるようなので、状態を考慮すればこの治し方も検討してもいいでしょう。