オールナイトニッポンの一企画でニートや引きこもりを支援する人気ラジオ番組「ハート温泉」で戸川純さんと月乃光司さんがパーソナリティーを務めていました。惜しまれつつも2008年12月には最終回を迎えてしまいますが、書籍+CD化されています。ゲストに遠藤ミチロウさんを迎えた人生相談がメインになっています。
2017年戸川純の芸能生活35周年番組が生配信
YouTubeLiveで2017年2月14日の19~24時までたっぷり5時間に渡り生配信された戸川純歌手生活35周年バレンタイン5時間スペシャル「戸川純全歌詞解説集」重版記念番組!「疾風怒濤きょうは晴れ」はゲストトークやライブもありのスペシャル番組です。22年ぶりにメディアに登場した歌手・戸川純さんをぜひご覧ください。
Contents
戸川純の人柄と現在に与えた影響とは?
11歳の頃大人になるのを辞めたと語るあまりにもピュアな感性を持った戸川純さんは、それでも文学的に高い水準の歌詞を書くことで高く評価されています。そしてその世界に入り込んで歌う歌手なので歌やCMなどで奇異の目で見られてしまい勝ちですが、安っぽいウケ狙いで取り組んでいる楽曲は1曲もないので聴いてみて下さいね。
独特な歌唱スタイルは「ビョウキ」とも
何でもかんでも自分に理解できないと揶揄するのが好きな人が多いので仕方がないですが、素直に唄っていても「ビョーキ」に見える歌唱スタイルで、より一層一般人の意識に深く記憶を植え付けてやる事に成功した歌手とも言えるでしょう。
戸川純は「元祖ヤンデレ」の呼び声も高い
戸川純さん自身の作詞による「好き好き大好き」の中のサビにある「愛してるって言わなきゃ殺す」やヤプーズの「肉屋のように」で歌われる「滴る生き血に飢えるわ」の歌詞に代表されるような過激で猟奇的な表現のおかげで元祖ヤンデレキャラとも呼ばれているようです。
戸川純は不思議ちゃん?
素のままでも独特な雰囲気を持ちCMでも元祖不思議ちゃんとも呼ばれますが、元々繊細で神経質なところがある性格なので他の人とは少し違う世界に住んでいる感じです。普段の受け答えは普通なんですがやはりふと独特の「間」が空いている時は別世界に行ってしまったかのような印象を受けます。
戸川純はコスプレを広めた人物でもある?
その楽曲作品に寄り添った世界観を表現するために昭和モダンの着物スタイルや、30年代のレトロクラシックなモガスタイル、黄色い通学帽に赤いランドセルの小学生コスチュームなどをしていたので、元祖コスチュームプレイとも言えるスタイルですね。
戸川純の歌手活動【1980年代】
多くのみなさんは戸川純さんと言うと有名な「おしりだって洗ってほしい」のTOTOのCMや、女性の生理をモチーフとした楽曲「玉姫様」や鬼気迫る歌唱の「レーダーマン」などで認知したと思われますが、歌手活動は少し遡る80年代初頭の大学在籍時から行っています。
上野耕路にスカウトされ「ゲルニカ」加入
テクノパンクバンド8 1/2の追っかけだった戸川純さんは8 1/1解散後に結成されたハルメンズのゲストボーカルを担当ししていましたが、ハルメンズもまもなく解散してしまいました。その後上野耕路さんと太田螢一さんに迎えられ「ゲルニカ」が結成されプロデュースにはYMOの細野晴臣さんが大抜擢されその後も楽曲提供を受けています。
1983年「ヤブーズ」結成、ライブも開催
戸川純さんのタレント活動が忙しくなってしまい、ゲルニカとしての活動に専念できなくなってしまったためゲルニカも活動休止になってしまいます。そして戸川純さんのソロ歌手活動が落ち着いた時を見計らいハルメンズのドラマー泉水敏郎さんらとヤプーズを結成し、現在に至るまでヤプーズのボーカリストとして活動しています。
1984年に「玉姫様」でソロデビュー
1stソロアルバムとして発表された「玉姫様」のタイトルチューン「玉姫様」作詞・戸川純、作曲・細野晴臣で1984年2月6日の「夜のヒットスタジオ」に初出演しました。巨大なトンボの羽根を背負い鬼気迫る歌唱で日本中のお茶の間に多大なるインパクトを与えた瞬間です。ちなみにライブ盤「裏玉姫」はカセットのみでリリースされプレミアものです。
戸川純の歌手活動【2000年以降】
2000年以降はメディアへの過度な露出は控え、本格的なアルバム制作や著名アーティストとのコラボ作品の制作、ラジオ出演などに精力的な歌手活動をされていました。
2006年にアルファレコード時代の作品がデジタル化
1982年のゲルニカ「改造への躍動」1984年のソロアルバム「玉姫様」ライブ盤「裏玉姫」戸川純ユニットによる「極東慰安唱歌」ソロ名義の「好き好き大好き」「東京の野蛮」などが高音質デジタル・リマスタリングされ紙ジャケット仕様で、また映像作品2作のアルファ時代のコンテンツが復刻販売されました。
2011年5月11日に再販売している
映像作品を除くアルファ時代のCD7作が、さらに最新の最高音質であるBlu-specCDとして2006年と同様に紙ジャケット仕様にて再発売され話題になりました。
2008年にベストアルバム発売
7月9日に「TOGAWA LEGEND SELF SELECT BEST & RARE 1980-2007」発売。全24曲収録で代表曲「玉姫様」や「諦念プシガンガ」「昆虫軍」「蛹化の女」「遅咲きガール」などハードでポップなエキセントリックなナンバーが目白押しの歌手・戸川純ファン垂涎のアルバムとなっています。
2009年に30周年記念アルバム発売
テイチクレコードより「TEICHIKU WORKS JUN TOGAWA〜30TH ANNIVERSARY〜」として30周年記念アルバムがDVD付きでリリース。LP盤を復刻したような紙ジャケット仕様に加えゲルニカ未発表音源や未発表ライブ音源が満載です。アルファでの代表曲は未収録ですが全ディスク9枚の(DVD含む)大迫力できっと満足する事でしょう。
2012年『蛹化の女〜蜷川実花セレクション』発売
映画「ヘルタースケルター」に挿入曲として抜擢された「蛹化の女」を含む歌手・戸川純の入門者向けベストアルバムです。全身を整形美容によって造り変えたファッションモデル・りりこがトップスターを目前に心身共に蝕まれていくエキセントリックな作品に併せて楽しんでいただきたいアルバムです。
2016年に3つのプロジェクトを始動させる
さらに精力的活動を展開させ3つのプロジェクトを著名なアーティストと共に始動させた2016年。「戸川階段」「戸川純 avec おおくぼけい」「戸川純 with Vampillia」の内容を簡単にそれぞれを説明します。
戸川階段
京都発で世界初のノイズバンドと言われ過激なステージで女性ボーカルが放尿した事が当時の写真雑誌で取り上げられ不本意ながら世間に知られた元祖ハードコアノイズパンクバンド「非常階段」とのコラボレーションアルバム「戸川階段LIVE!」をテイチクレコードからリリースしました。
戸川純 avec おおくぼけい
こちらは後述でも説明しますがアーバンギャルドのキーボディスト・おおくぼけいさんとのセルフカバーを含むユニットアルバム。テイチクエンタテイメントより発売です。
戸川純 with Vampillia
タイトルチューン「わたしが鳴こうホトトギス」に代表されるように等身大の戸川純と言う歌手の本音を上手く引き出したアルバムとなっています。腰を手術してからしばらく声が出なかった時期にVampilliaの真部さんとの共作の歌詞の中にその思いが等身大で入っている事が特徴です。
2018年に戸川純が上海の音楽フェスに参加
この年の9月に中国は上海ラグビーフットボールクラブで行われた音楽フェス「Concrete & Grass Music Festival 2018」に上海のオーディエンスに歓迎され出演した時のライブ映像が11年ぶりの戸川純のライブとして話題になりました。車椅子で時折立ち上がり歌う戸川純さんの歌声に興奮する熱狂の様子が伝わる映像です。
2018年『戸川純 avec おおくぼけい』を発表
徹頭徹尾歌とピアノだけで聴かせるシンプルかつストイックな編成でおくるスタジオ録音盤「戸川純 avec おおくぼけい」をリリース。ソロやヤプーズなどのナンバーをシャンソンテイストで聴かせる、現在のアバンギャルドとポップの間を行き来する貴重な音源です。
戸川純のルーツとなったパンクロックとは
日本では70年代後半イギリスからの戸川純さんも影響された元祖パンクロックバンドのセックス・ピストルズやストラングラーズの商業的成功からパンクムーブメントが起こりました。それ以前からも攻撃的なメッセージ色の強い日本の元祖パンクロックの原点とも言えるべきバンドの存在が徐々に表面化してきました。
現在では考えられない過激なライブ
政治的に過激な内容を含み1stアルバムが発売禁止となった頭脳省察や、暴走族に絶大な人気でトラブルの絶えなかった外道。もちろん8 1/2やS-KENさんの主催した「東京ロッカーズ」ライブシリーズも無傷では帰れないようなパフォーマンスを繰り広げていました。現在はそこまで過激なバンドはいないので安心してライブを観に行ってくださいね。
戸川純と同じく80年代を駆け抜けた女性バンド
厳密に言えば女性ボーカルバンドですが、戸川純さんと同時期に日本のミュージックシーンを盛り上げたバンドはそれこそ星の数ほどあるのですが、それはまたいつかの機会にするとしてパンクよりな女性バンドをいくつかご紹介します。
バンドブームの先駆け的存在
有名所と言えばNOKKO率いるREBECCAであるとか、JILLさん率いるPERSONS、パンク寄りで言えばメスカリンドライブなどバンドブームが始まる少し前のバンドで詩の世界が戸川純さんに近いと言えば1979年から1996年まで女の子4人だけで活動してきたZELDAでしょう。
やすしきよしさんのCM
明治ラッキースティックのCMで「Are you Lucky?」が使用されたことで知名度が高まったZELDAですが、80年代の元祖ガールズバンドとしてもギネスブックに載る事を目標に掲げるほど活動期間の長いバンドでした。元祖とも言えるようなバンドが多く出現し後のバンドブームへと移り変わった激動の年代でした。
元祖ヤンデレ・戸川純の今後も期待!
多くの誤解と偏見の中で自分自身を見失わず今年2019年は芸能生活40周年を迎え、ますます現在も精力的に活動する元祖ヤンデレと呼ばれた戸川純さん。いつまでも子供の時のままのピュアな感性と高い文学的表現で、これからも日本のミュージックシーンを駆け抜けて言って欲しいですね。