一般人が聴いても玉置浩二さんの歌は天才的に上手いと感じる人は10人中20人はいると思われますが、毎日嫌と言うほど音楽漬けの業界人が何故そこまで手放しで玉置浩二さんを褒め称えるのかには理由があります。ともかく歌唱力や作曲スキルが「桁違い」と言う言葉がぴったりなくらいにレベルが違う事を紹介します。
理由①他の歌手とは段違いの歌唱力
天武の差や天才と言ってしまえばそれまでですが、玉置浩二さんの歌唱力と言うのはテクニック云々のその上にあります。圧倒的な歌唱センスは幼少の頃からの民謡の鍛錬によるものが大きいとされています。「川の向こうに声が届くように唄いなさい」と民謡教室を営んでいた祖母に教わり、祖父からは腹式呼吸を自然と身に着けていたと言います。
ボーカルストには絶対条件の腹式呼吸を身に着け、さらに口の開け方も注目すべきポイントです。ボイストレーナーは口は小さく開けた歌い方を推奨します。そして特筆すべきはスライドしてのファルセットになっている所です。あの絶妙なファルセットに玉置浩二さんの天才的な歌唱力の魅力が詰まっていると言っても過言ではありません。
理由②圧倒的な作曲センス
そして何より天才ぶりを発揮しているのがその恐ろしいまでの圧倒的なまでの作曲センスです。しかし玉置さんも最初からちゃんと作曲できていたわけではありません。最初はギターコードも知らないのでベース音だけで独学で作曲していたそうです。わかりやすく言うとピアノの左手で弾くルート音にメロディを乗せて作曲していました。
理由③ヒットを生み出すプロデュース力
さまざまなアーティストに楽曲提供を行い、さらにセルフカバーする事によってリスナーに2度楽しんでもらえる事もポイントに置いたプロデュース能力も高評価です。やはり玉置浩二作詞作曲となれば本人に歌ってもらいたくなるのがファン心理ですからね。それでは次はその天才的な作曲スキルを駆使した楽曲を紹介します。
Contents
玉置浩二の天才的な楽曲をご紹介!
安全地帯から玉置浩二ソロ作品まで、桁外れの歌唱力が魅力の玉置浩二さんの天才的な楽曲を紹介します。何度も聴いて聴き飽きた楽曲もその歌詞の意味に思いを馳せるとまた違った趣で楽しむ事ができるのでおすすめですよ。ではやはり1曲めは代表曲として絶対外せないこちらから。
天才的な楽曲①ワインレッドの心
1982年に「萌黄色のスナップ」でデビュー後2枚のシングルをリリースしましたが売る上げが追いつかず、作曲を井上陽水さんに依頼しようと提案された玉置浩二さんは「曲は自分で作る、それが出来なきゃバンド辞めて北海道に帰ります」と1週間自宅に閉じこもり完成させた天才的名曲。もちろんオリコン初の1位を獲得した安全地帯の代表曲です。
天才的な楽曲②悲しみにさよなら
玉置浩二さんの作曲と松井五郎さんの作詞による完成形の楽曲となり、この曲について玉置浩二さんは「安全地帯が目指していた誰もが認める普遍的なメロディがリスナーに受け入れられた証だ」と語っています。1985年の紅白歌合戦に同曲で初出場を果たし、後にキリンビール「秋鮭」のCMソングにも起用されました。
天才的な楽曲③田園
玉置浩二さん11枚目のシングルチューン。フジテレビ系木曜劇場「コーチ」の主題歌にもなり、オリコン集計92万枚を記録したソロ作品最大のヒット曲です。玉置浩二さんはこの楽曲について「田園の歌詞は自分が一番ぐちゃぐちゃになっていた時をまとめた歌、なんにもできなくても生きていればそれでいいんだ、ってほんとに思った」と語ります。
共同プロデュースの須藤晃さんは「自分の代表作を持っている人が一旦売れてから沈滞して、そこから復活するのはほとんど不可能と言う烙印を全部自分の力でぶち壊して、それ以上に売れる作品を作ったパワーは凄い」と語ります。天才天才と簡単には言いますが人には決して見せない並々ならぬ苦労が天才にはあるのでしょう。
天才的な楽曲④夏の終りのハーモニー
「スターダスト・ランデヴー井上陽水・安全地帯LIVE AT 神宮」で初披露された天才同士の名曲中の名曲、安全地帯としては12枚めのシングルとなります。揚水さんは自書で「浩二と歌うっていうんで作ったけど安易なアプローチだったかも知れないですね。でも時間が経過してみると凝らなかったのが逆に良かったのかな」と述べています。
天才的な楽曲⑤I Love You からはじめよう
発売当初は8cmCDシングルで枚数限定として発売されました。「夜のヒットスタジオ」や「ミュージックステーション」で数回演奏されただけですが安全地帯のライブでは定番ソングとなっています。オンビートに乗った天才・玉置浩二さんの力強い歌唱力に勇気をもらった方も少なくないと思います。
天才的な楽曲⑥キ・ツ・イ
TBS系で1989年に放映された小林薫さんと玉置浩二さん主演のテレビドラマの「キツイ奴ら」の主題歌です。BaNaNaのよる非常にダンサブルなアレンジの力強いパーカッションが印象的で、アマゾンズのコーラスとYU・KA・RIのサックスがブラックミュージックを彷彿させ玉置浩二さんの艶っぽいボーカルがマッチする名曲です。
俳優としても天才だった玉置浩二
1986年7月公開の学園ホラー「プルシアンブルーの肖像」で銀幕デビューを飾り天才的演技を披露し、安全地帯の同名主題歌もヒットしました。ちなみに同時上映はチェッカーズの「Checkers in Song for U.S.A.」でした。俳優としても天才ぶりを見せてくれる玉置浩二さんの作品を少しだけ紹介します。
俳優としての才能もピカイチ
「プルシアンブルーの肖像」では人気スターの初主演映画だと言うのに、あえて異例の失語症の用務員役を選んだところが並の芸能人とは違います。話題となった原案・江口寿史による「世にも奇妙な物語・ハイヌーン」での天才的怪演は同番組に於いて、草刈正雄さんの「ズンドコベロンチョ」と並ぶ人気作です。ズンドコベロンチョに関する記事はこちら。
二枚目役が多かった玉置浩二
とんねるずの番組ではコントを披露したり「サザエさん」の主題歌を真顔で歌うなどの三枚目を演じる事も多くなってきました。NHK大河ドラマ「秀吉」では足利義昭役を演じ無能さを印象づけるためにインパクトのある演技を披露。テレビドラマ「キツい奴ら」では小林薫さん演じる主人公の少年院時代の情けない後輩役が印象深いです。
俳優としての活躍をご紹介
フジテレビ系でのドラマ「コーチ」ではザ・テレビジョン・ドラマアカデミー章助演男優賞にノミネートされましたが「自分は俳優ではなく歌手である」として受賞を辞退しています。
その他「こんな恋のはなし」は視聴率が振いませんでしたが「あいのうた」では10kgの減量で病魔に侵される警官を演じ視聴者の心を掴んだドラマでした。同時期に話題となりヒットしたテレビドラマ「ヤヌスの鏡」に関する記事はこちら。
安全地帯結成から上京までの天才の軌跡
子供の頃から歌手を目指していた天才・玉置浩二さんは中学へ進学した頃はグループサウンズなどの邦楽中心に聴いておりバンドに憧れていましたが中学2年の時、武沢豊さんが転校してきた事により「インベーダー」と言う洋楽中心のバンドを結成し、武沢さんの兄が加入した事をきっかけにバンド名を「安全地帯」に変更しました。
安全地帯と命名した理由
結成当時のメンバーが提案した「安全地帯」は、当時ピースサインが日本中で流行しており道路標示がVだった事。頭脳警察や四人囃子など漢字で4文字のバンドが多かった事にも影響され命名されました。結成当時は武沢さんの兄が作曲し玉置さんが歌っていましたがこの頃から「負けてられない」と自身でも作詞作曲を行うようになりました。
ポプコンで優秀賞受賞天才中島みゆきが語る
「安全地帯って恐ろしい中学生バンドがいましたよ」と当時を振り返る中島みゆきさんも語っています。北海道でメキメキ頭角を現してきた安全地帯のために高校を1年で中退し、自分達で廃屋を改造し寝室付きのスタジオでデモテープ作りに勤しみました。その後安全地帯のデモテープがKitty Recordsに渡り後にプロデューサーとなる星勝さんと出会います。
1981年7月天才同士の運命の出会い
星さんの紹介により井上陽水さんが安全地帯のスタジオへ赴きセッションを行った事がきっかけとなり、安全地帯をバックバンドとして全国ツアーを行いたいとオファーを受けました。尊敬する天才・揚水さんのお誘いに戸惑いも不安もありましたが「チャンスなんだから行こう」と東京行きを決意。ここから安全地帯の快進撃がスタートしたのでした。
地上波SONGSに天才玉置浩二出演
2017年5月26日玉置浩二さんのパフォーマンスが地上波でオンエアされました。今までBSのみだった玉置浩二ショーを視聴できなかった多くの人々でTwitterが玉置浩二祭り状態になった事は言うまでもありません。殆どは「ヤバすぎ」「別格」「天才的歌唱力」と賞賛の嵐ですが一部には「普通に歌って欲しい」「クセが強い」と言う意見も見られました。
寂しい事ですがどう感じるかは個人の自由ですが、天才と呼ばれる玉置浩二さんの一回歌うごとに変化する、その刹那を声に込めて表現する音楽の豊かさを持つ歌の世界を感じ取って欲しいものです。CD通りにメロディを外さずに歌う事だけが歌が天才的に上手いと言う事では無いのですが、日本人にはこちらの方が圧倒的に大多数ですね。
音程を外さない≠絶対音感がある
少し音楽的に突っ込ましていただいてもよろしいでしょうか。玉置浩二さんは絶対音感と言うよりも「世界一正確な相対音感」の持ち主だと言う事です。ある音が鳴ったとしてその音が五線譜上どの音であるかがわかるのが絶対音階。それに対し、ある音に対してのあらゆる音程が正確に採れるのが相対音感です。天才・玉置浩二さんの恐ろしい所はここです。
相手のクセに対して正確なハーモニーをハメていける所が玉置浩二さんの天才たる由縁です。簡単に言えばどんなに音程が不安定な(世間ではそれを音痴と呼ぶ)歌い方にも一番美しい完璧なハモリをあてる事ができるのです。圧倒的な耳の良さと狙った音を完璧に発声できると言う点では日本のシンガーで天才・玉置浩二さんをおいて他にないでしょう。
天才・玉置浩二は語る
どうしたらそんなに上手く歌えるのかと番組内のナレーションで質問を振られた天才・玉置浩二さんは「特別な事は何もやってないですねぇ」とあっけらかんに答えます。「正直歌をやめようと思うこともありました」と3年間もの間療養中歌が歌えない時を振り返りますが「でもそれがもう歌になるな、と」歌によって生かされている天才の発言です。
玉置浩二は天才!今もなお進化し続ける一流アーティスト!
多くのミュージシャンが手放しで絶賛する天才・玉置浩二さんのソロデビュー30周年記念アルバム「ALL TIME BEST」が2017年5月31日に発売されヒット中です。ソロデビュー曲の「All I DO」から「サーチライト」までの全25曲がリマスターされ高品質Blu-specCDの2枚組で、安全地帯のデビュー35周年記念アルバム「ALL TIME BEST」も発売中です。
世代を越えて愛される天才ボーカリスト玉置浩二さんは、今後も圧倒的歌唱力に磨きをかけ2019年の11月まで続く全国ツアーも精力的にこなし新たなヒット曲や楽曲提供・俳優活動などで進化を停めずに活動し続け、天才・玉置浩二ワールドへ我々を誘ってくれるでしょう。