デメニギスの生態
深海にいる潜水艦のような魚
デメニギス(分類はニギス科/学名はMacropinna microstoma Chapman)は透明で中身の見える頭部と管状眼と呼ばれる双眼鏡のような不思議な形状の目を持っています。胴体は黒い色をしており大きな鱗に覆われています。この鱗は姿勢を安定されるために使用されると言われています。
デメニギスの名前の由来を調べてみよう
目に特徴がある金魚の出目金(デメキン)と同じく、出目からきているそうです。鱚(キス)に似ている”似鱚”の仲間ということで、漢字では【出目似鱚】もしくは【出目似義須 】と書くそうです。英名は【Barreleye】で、【樽(たる)の眼】という意味のようです。特徴的な目から名前がついたんですね。
デメニギスの特徴とは
コックピットのような頭が印象的!
まず、特徴といえば透けている頭部です!ドーム型の透けている頭部の中は、ゼリー状の液体で満たされており、中に見える脳や目を守っています。頭の中が透けている容姿は奇妙なのですが、深い海の中にいると、とても神秘的に思えてきますね。
目はどこについているの?
そして、透明な頭部の中に見える長い筒のようなものが目であり、二つ目の特徴です。顔の真ん中にある黒い点が目と勘違いされがちなのですが実は黒い点は目ではなく、鼻なんです。そして、外ではなく頭の中に目があるのもとても不思議で驚かされます。
デメニギスは何を食べるの?
デメニギスはクダクラゲや小魚を食べて生活しているようです。あまり活発に動き回る魚ではないからなのか、ふわふわ漂う発光体のクラゲを補食の対象としているのでしょうか。研究によると消化器官は飲み込むことに適している内臓だそうです。
餌を横取りすることがある
ゆったり泳ぐイメージのデメニギスが餌を横取りするなんで驚きですね。クダクラゲなど、他の生物が捕食した獲物を横取りする可能性が高いことが研究でわかっています。捕食する時以外は活発に遊泳することがあまりない魚なのですが、過酷な深海で生き抜くためにそのような行動を起こすのでしょうか。
デメニギスの生息地、分布について
実は日本でも発見されていた
東北地方の太平洋岸、そして北太平洋の亜寒帯海域から温帯海域に広く分布しています。水深は400m〜800mの深い海で暮らしているんです。日本でも定置網にひっかかり、たまに引き上げられることもあるそうです。
デメニギスはいつ頃に発見されたのか
実は昔に一度見つかっていた
初めてデメニギスが見つかったのは1939年のこと。2004年には泳ぐ姿が観察されました。その時にデメニギスは透明なドームの形をした頭を持つ魚ということもわかったんです。それまで見つかった時は、頭部が損傷していてわからなかったそうです。実際泳いでいる姿は2009年に発表されました。
不思議なオーラを放ちながら泳ぐ姿
透明な頭部と緑色の目を光らせて、暗い海の中を泳ぐ姿には目を奪われてしまいますね。口をぱくぱくさせながら泳いでいる姿を見るとかわいく思えてくるのはなぜなのでしょうか。映像でも、透明な頭とその中で緑色に光るふたつの目が映っているのがわかりますね。
デメニギスは一体どのように泳ぐのか
胸にあるひれを動かして泳いでいることがわかります。危険を察知したデメニギスがとても早い動きを見せることが動画でもわかります。何かに気付いて逃げる姿がカメラに捉えられていますね。デメニギスは、危険を察知する能力や大切な目を守るために進化した姿も含めて、生命力がかなりあるといえるのはないでしょうか。
デメニギスは食べることが出来る?
まず捕獲することが難しい魚
残念ながら、いまのところデメギニスが食べられるという話は聞いたことがありません。捕獲自体も難しいためだと考えられます。そして、北海道研究機関で解剖した結果では毒は見つからなかったという情報もありました。これからデメニギスの研究が進んでいけば、食べた方のお話が聞けるかもしれませんね。
どんな味なのか想像してみよう
ニギス科に分類されるのであれば、もしかすると同科のキスのような味がするのかもしれません。誰も食べたことが未だないため現段階では想像することしか出来ませんが黒い胴体の中がどうなっているのか、味はどうなのか。とても興味深いですね。
深海魚にとても近い街があった
静岡県沼津市は漁業で有名ですが、深海魚が引き上げられることも数多く、調理して提供されるお店がたくさんあります。深海魚は食べることが出来るんですね。グロテスクな見た目の魚もとてもおいしく調理されるそうです。そんな沼津市で調理された料理が特集されている動画がありますので紹介しておきます!