ヒメマスってどんな魚?ベニザケとの違いや料理について解説します

ヒメマスがどんな魚で、ベニザケとの違いはご存じでしょうか。ヒメマスは水産資源として注目を浴びて、原産地から各地の湖に養殖のために卵や稚魚が放流されています。この記事では、ヒメマスの生息地や生態、ヒメマスとベニザケの違い、釣り方、いろんな料理をご紹介していきます。

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夢は、大自然の土地に住むことです。
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ヒメマスの生息地・分布

日本の原産地は阿寒湖とチミケップ湖

ヒメマスが、自然に分布するのは北海道の阿寒湖と網走川水系のチミケップ湖です。どちらも日本の原産地として有名です。阿寒湖のヒメマスの卵が道内の支笏湖に移植されたことで、各湖に広がりました。

水産資源として放流

日本でヒメマスの養殖では、北海道・支笏湖、本州では青森県・十和田湖、栃木県・中禅寺湖、神奈川県・芦ノ湖、山梨県・西湖、本栖湖など、多くの湖にヒメマスの卵や稚魚が水産資源として放流されました。

ヒメマスの特徴・生態

銀白色のヒメマス

普段のヒメマスの表面は鮮やかな銀白色をしています。ヒメマスの体色・特徴として、頭部から背部は青緑色で、背中と尾ビレに黒い小さな斑点が多くあります。産卵期になると、見た目が大きく変わってきます。

秋の産卵期のヒメマス

ヒメマスは雌雄によって、見た目も違います。雄のヒメマスは体高が高く、秋の産卵期になると真っ赤な婚姻色が上半部に表れます。雌のヒメマスは体高が低く、産卵期にはお腹に卵を抱えて雄同様に婚姻色が表れます。

ヒメマスの生活環境

ヒメマスは水温が10℃~13℃の低温で生活しています。一生のサイクルを湖で過ごしますが、全長は1年目で16cm程度まで、性成熟すると20~50cm前後まで成長します。食べる餌や量によって大きさが変わります。

ヒメマスの餌・産卵期

餌は、小型魚類のワカサギや水面に落ちてきた甲殻類、昆虫などを食べます。餌の競合を起こしてヒメマスが減少する場合もあります。産卵期は10月~11月に浅い湧水のある場所で産卵します。

ヒメマスとベニザケの違い

ヒメマスは湖や川にとどまる

ヒメマスは、幼魚期に湖で生活し、陸に封じ込められた環境で育つ「陸封型」であり、降海せず、湖や川にとどまったまま一生を過ごす生活形態のベニザケのことです。日本では、一生のサイクルを湖に留まったベニザケをヒメマスと呼んでいます。成長しても35cmほどの小さいヒメマスしか成長しません。

ベニザケは湖や川から海へ

ベニザケは、幼魚期に湖で生活し、降海し、海で成長した後は、産卵のために母川に遡上した生息形態の鮭です。一生のサイクルを主に北太平洋を回遊してきた魚です。川や湖に比べて、食べ物となる動物プランクトンなどが多いため、降海していったベニザケは大きく育ち、生まれ故郷の川に帰ってきます。

日本ではベニザケの遡上があまり見られない

日本ではベニザケが遡上するための川から海に出る途中に淡水で生活できるような湖がなかったり、海への道が塞がれるなど、条件にあう場所が少なく、天然のベニザケの遡上はなかなか見られないと言われています。

ベニザケが生まれた湖に帰れるのは

海には、餌がたくさんありますが、ベニザケの卵や稚魚を食べる敵も多いため、川の方が産卵するには安全なのです。ベニザケは生まれた川の水の匂いを覚えていて、故郷まで遡上すると考えられてきました。

ベニザケの水面ジャンプは進路を確かめているのでは

ベニザケは、遡上や泳いでいる途中で水面でジャンプして、自分の位置を確認して、進んでいる方向が誤っていないかどうかときどき確かめているのではないかとも言われています。

ヒメマスとベニザケの産卵期などの違い

ベニザケは海で生活し、ヒメマスは湖で生活します。降海するベニザケの分布範囲は広いですが、ヒメマスは一生を湖で過ごし生息地は限られています。産卵期は、ベニザケが7月下旬~翌4月に及びますが、ヒメマスは10月~11月頃に、湧水のある湖岸の浅み、もしくは湖に流入する河川に産卵をします。

ヒメマス旬の時期

ヒメマスの旬は春から初夏

ヒメマスの産卵期が10月~11月頃で、産卵前に備えて体にいっぱいの栄養を蓄えている春から初夏の季節が、美味しい旬の時期になります。晴れた日は、解禁日を狙ってヒメマス釣りに出かけてみてはいかがでしょうか。

ヒメマスの美しいピンク色の身

ヒメマスの鱗は非常に細かく薄くて取りやすく、皮はしっかりして硬いです。サーモンピンクの身で水っぽく、焼くとしまり、旨みが強いです。海で育ったベニザケとの違いを堪能しても良いかもしれません。

ベニザケの表面が赤くなるとお腹のイクラも赤く

ベニザケのメスの場合は、皮だけでなく卵にも赤い色素が移るためイクラは赤くなります。ヒメマスのイクラも赤いですね。食べるもので色素が肉に移って、赤くなっていくそうです。

ヒメマスは市場に流通していない

ヒメマスは美しいサーモンピンク色の身をしており、淡水魚の臭味が全くしません。マス・サケ類で一番美味とも言われていますが、鮮度落ちが早いことで有名です。ヒメマスは、スーパーマーケットや鮮魚店に流通する事はほとんどないですが、各湖はヒメマスの養殖と通信販売を行っています。ヒメマスを年中味わいたい方は、通販を利用してみましょう。

ヒメマスの釣り方

ヒメマスは、ルアー釣り、エサ釣りなどで狙うことができます。また、ヒメマス用の独特の仕掛けをボートで引っぱる「ヒメトロ」なるトローリングなどのレイクトローリングも盛んに行なわれています。

ルアー釣りはスプーンなどで狙える

ルアー釣りではボートから狙うことが可能です。ルアーには、スプーンやミノーなどを使います。ヒメマスは光るものを追う習性があるので、自作でスプーンを作ってみても良いですが、販売されているハンドメイドスプーンや湖だけでもなく海でも使えるスプーンなどいろんな種類を使うことができます。

ヒメマスの水深(タナ)を探してみる

ヒメマスは、回遊中は10m~30mの中層にいますが、姿がみえなくなってきたら、水深30m~60mを探ってみましょう。ヒメマスは天候、気温、時間帯で、水深(タナ)を変えるため、水深(タナを探してみましょう。

ヒメマスの仕掛け

エサ釣りでは海釣りで使われるサビキ仕掛けで狙うことができます。竿はトラウト用などにサビキ仕掛けをセットしたものを使用します。リールはスピニングリール(ストッパー付のもの)でもいいですが、両軸受けタイプのカウンター付きは水深が把握しやすいです。

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